JK LOOPER

猫乃麗雅

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2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。

101.もう一つの・・・・

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最大幅20㎝×長さ2Mくらいの“三日月状の風”が放たれた刹那でした。

全てが止まったのは。

(!?)

視界がボヤケている私は、見間違いかと疑ったのですが…、そこから、逆回転していったのです。

私も、他者も、風景も、何もかもが。

まるで、DVDや動画などの映像が“巻き戻し”されているかのように、

キュルルルルッ!!

と……。


改めて〝ピタッ〟と停止したのは、[名古屋城の駐車場]でした。

数秒後に、時が動き出し、眼前のカズヒコ(青髪ロングストレート)さんが、

「――、観光に来たとは思えませんし…。」

なにやら喋った模様です。

私の右隣で、

「え?!」

琴音ことねが驚いています。

「ん!?」

私と妹は〝バッ!〟と顔を見合わせました。

「どうしたんだい??」

左斜め前にいるアケミ(赤髪セミロング)さんが、こちらを振り向いて、窺ってきたのです。

「あー、……、いえ、すみません。」
「こちらの事ですので、気にしないでください。」
「それより…、なんでしたっけ?」

おそらく“ループ”したのでしょうが、今までに体験したケースとは異なるので、イマイチよく分かりません。

どうも、[時空のネックレス]による効果ではなさそうです。

なにせ、瞬間的な現象ではなかったのと、琴音までもが“タイムループ”した記憶があるようなので。

ハッキリしたことは謎のため、私は、取り敢えずとぼけつつ、話しを逸らしました。

「〝こんなご時世に、姉妹だけで、観光に来たとは思えない〟と述べたのですが……、いつの間に装備を変更したんです??」

カズヒコさんが首を傾げます。

〝フ〟と確認してみたところ、 [私服]になっているではありませんか。

他の人の格好は“戦闘モード”だというのに、私だけが。

(おや?!)

自分でいぶかしがりながらも、

「まぁ、そのぉ…、皆さんが〝和気あいあい〟となさっている時に、ですよ?」

誤魔化しました。

マイクロバスには、マリナ(黒髪ロング)さん&ユミ(ライトブラウンショート)さんが乗っており、二人以外は外に居るので、勇者さん達が合流したばかりの場面でしょう。

「ふぅ~ん??」

釈然としなさげなアケミさんが、

「で?」
「君たちは、これから、何処どこに行くんだい??」

と訊ねてきました。

時系列からして、勇者さんらと[三重県]に赴く流れのようです。

それだと、ハルカ(白銀ショートヘアー)さんに再び襲撃されかねません。

ま、私が、“ループ”に関して教えなければいいだけなんですけど。

ただ、初対面の方々に弱いタイプの私としては、強く聞かれると負けてしまい、情報を漏らす恐れがあります。

〝どうしたものかしらん?〟と返答に困っていたら、ジーンズの左ポッケに入れてあるスマホの着信音が鳴ったのです。

手に取って目を通してみたところ、“母”からでした。

「遠慮せずに出たまえ。」

アケミさんに促されて、

「もしもし??」

電話に対応します。

『あ、琴晴ことはちゃん?』
『ちょっと、いいかしら??』

伺ってくる母親に、

「うん、大丈夫だよ。」
「何かあった?」

尋ねてみたら、

『あのね、もしかしてだけど……、“逆戻り”してなぁい??』

と、質問されたのでした―。
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