JK LOOPER

猫乃麗雅

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2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。

97.勇者さん達との旅路④

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[ラージソード大剣]を真横にして、突き上げながら、

デストロイ破壊!!」

カマに対抗したところ、

ガシィンッ!

弾き合ったのです。

(互角?)
(でも、“恩恵”があれば勝てるはず…。)

このように考えていたら、

「おんけい!!」

琴音ことねが発動してくれました。

「閃光!」

【神官】であるカズヒコさんが視力を奪う流れで、

「恩恵!」

お仲間さんに用います。

誰もが攻撃に移ろうとしたところで、アリたちの4匹が闇雲に“酸”を飛ばしてきたのです。

「うおッ!!」

「きゃッ!!」

といった感じで、全員がプチパニックになりながらも、間一髪で躱していきました。

その際に、

「にゃあー!」

と、猫になったのは、妹であります。

今回は、わたくしではございません。

「アリどもが厄介だな。」

“日焼けマッチョ”ことサトシさんの呟きに、

「私が、エネミー達を引き付けるわ!」

ハルカさんが【挑発】を使いました。

「あの“蟻酸ギサン”に防具が耐えられないかもしれないから、早いとこ倒そう。」

迷彩服のユウジさんが促します。

「ああ、すぐに片づけちまおう。」

賛成した“黒ずくめ”のジュンヤさんを筆頭に、敵を殲滅していく私たちでした……。


そこからは、〝自動車を三分ほど走らせてはエネミー達と戦う〟のを、四回ぐらい繰り返したのです。


サトシさんが運転する車内にて、暫く様子を窺っていた勇者のアケミさんが、

「もう大丈夫みたいだな。」
「装備を解いてもいいだろう!」

との見解を示した。

これに従い、私服にチェンジしようとしたところ、

「じゃあ、貴女たち姉妹の武器と防具を修理してあげるわ。」

黒髪ロングのマリナさんが声を掛けてきたのです。

「ん??」
「ひょっとして、“錬金術師”ですか?」

私が尋ねてみたら、

「ええ、そうよ。」

微笑むと共に頷きました。

私と琴音の胸当てや肩当ては、人外らによる【ビーム】に【爆撃】や【氷撃】などによって、穴が開いたり、ヘコんだりしています。

大剣と薙刀は“刃こぼれ”していて、斬れ味が悪くなっていたので、お任せすることにしたのです。


15人乗りであるマイクロバスの、後部座席で、マリナさんが装備品を直してくださっています。

〝取り敢えず、今日は、三重県で宿泊する〟との方針にて、カズヒコさんと、ジュンヤさんに、ユウジさんが、ホテルや旅館をスマホで検索してくださっているなか、

「そう言えば、アケミさんたちの髪って、地毛ですか??」

私が質問してみたところ、

「あー、まだ教えてなかったね。」
「ボクや、ハルカに、カズヒコくんは、ウィッグだよ。」

との事でした。

更に、

「基本的には、“レイヤー×スレイヤー”のキャラ達に寄せているんだけど…、戦闘でコスプレ用の衣装がボロボロになるのが嫌でね、着ないようにしているんだ。」
「でもね!」
「ボクとハルカの、東京の大学の同級生が滋賀に帰省していて、こないだ彼女に連絡してみたら、〝ジョブが裁縫師になっている〟との話しだったんで、バトル専用のモノを作ってもらうべく、赴くことにしたのさ!!」
「彼女は“転移の宝玉”を入手できてないし、ボクらは滋賀県に行った事がないので、車でね!」

テンション高めで説明していき、

「そうだ!!」
「視聴してみるかい?!」
「“レイヤー×スレイヤー”を!」

ご自身の[アイテムBOX]から“ノートパソコン”を出現させたのです。

嬉しそうに。

あまり興味がなかった私は、

「あ、いえ。」

断ろうとしたものの、

「遠慮することはない!!」
「君たちにも、このアニメの良さを分かってもらいたいから、ぜひ、観賞してくれたまえッ!!!!」

瞳を輝かせる勇者さんに押し切られてしまいました―。
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