JK LOOPER

ネコのうた

文字の大きさ
上 下
52 / 291
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。

52.ミツル君

しおりを挟む
“小太り茶髪セミロングパーマ”による、

「ちょ、待てよ!」

二回目の“偽キム○ク”です。

そこにはツッコまず、

「なにか?」

と聞いてみたら、

「いやいやいやいや、だって、お前…、ミツル君だぞ!?」

かなり焦り出しました。

「はぁ。」
「でも、私、その人を、よく知りませんし…。」
「ちなみに、ジョブやレベルは分かりますか?」

そう質問したところ、マッシュ―ブロックが、

「ジョブは“戦士”で、レベルは“6”だよ。」

と、教えてくれたのです。

「んー、だったら、大丈夫でしょう。」
「きっと、なんとかなりますよ。」

楽観的に捉えた私は、

「あなた達も警察に捕まえてもらうので、逃げないでくださいね。」
「では、行ってきます。」

軽く会釈して、その場を後にしました。

バーバースタイルの、

「いや! まだ説明は終わってないぞ!」

との声を、背中で受けながら…。


善隣門ぜんりんもん”の角に在る“大飯店だいはんてん”の前で立ち止まった私は、念の為に、出現させた[魔力回復ポーション]を飲みました。

(よし!!)

気合充分で入店したところ、

「あ! お客様、今は…!」

女性店員が慌てた様子で駆け寄ってきたのです。

「皆さんは、すぐに避難してください。」
「危険ですので。」

そのように述べた私が〝ズカズカ〟と進んでいったら、最奥のテーブル席に、一人の男が座っていました。

五厘ごりん刈りでしょうか?

かなり短い髪の毛に、細い目をした男性は、体重が100…、いえ、120㎏はありそうです。

「あんッ?!」

睨み付けてきた相手に、

「あなたが“ミツル君”ですか?」

訊ねてみたところ、

「そうだが……、テメぇ、誰だよッ!?」

と不快感をあらわにしました。

「あなたを成敗しに来た者です。」

そう告げたら、

「は??」

間の抜けた顔になった後に、

「なに言ってんだ? お前。」

眉をひそめたのです。

「冗談とかではありませんよ。」
「これから本当に倒しますんで。」

薙刀を構えたところ、

「……、関所・・の連中はどうした?」

との質問をしてきたので、

「玄武門の人たちなら、全員やっつけましたけど。」

と、答えました。

「ふぅ――――ッ。」

深く息を吐いた坊主頭が、

「なるほど。」
「ガチみたいだな。」

〝スッ〟と立ち上がります。

身長は180㎝くらいでしょうか?

まさに“巨漢”といった印象です。

「あの…、何かスポーツやっていたりします?」

窺ってみたら、

「大学相撲。」

と返ってきました。

「それは…、かなりパワーがありそうですね。」

警戒する私に、

「まぁな。」

〝ニヤリ〟と口元を緩めます。

「じゃあ、り合うか。」

急に真剣な表情になった“図体デカ”が、

「モーニングスター。」

と、呟いた事によって、長さ1M程の鉄製の棒の先に直径25㎝ぐらいの鉄球が付属している武器が、現れました。

その鉄球には、当然のように数本の太い棘が有ります。

(アマチュアとはいえ、お相撲さんの威力で、あれ・・を当てられたらヤバいかも…。)
(それに、“戦士”は、体力や攻撃力が高いんじゃなかったっけ?)

モーニングスターで肉と骨が〝グチャグチャ〟にされてしまう嫌なイメージが浮かびました。

頼んでもいないのに。

そんな私の背中に冷や汗がつたっていきます―。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

伯爵令嬢の秘密の知識

シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のルナリス伯爵家にミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~

k33
ファンタジー
初めての小説です..! ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

友人Aの俺は女主人公を助けたらハーレムを築いていた

山田空
ファンタジー
絶対に報われない鬱ゲーというキャッチコピーで売り出されていたゲームを買った俺はそのゲームの主人公に惚れてしまう。 ゲームの女主人公が報われてほしいそう思う。 だがもちろん報われることはなく友人は死ぬし助けてくれて恋人になったやつに裏切られていじめを受ける。 そしてようやく努力が報われたかと思ったら最後は主人公が車にひかれて死ぬ。 ……1ミリも報われてねえどころかゲームをする前の方が報われてたんじゃ。 そう考えてしまうほど報われない鬱ゲーの友人キャラに俺は転生してしまった。 俺が転生した山田啓介は第1章のラストで殺される不幸の始まりとされるキャラクターだ。 最初はまだ楽しそうな雰囲気があったが山田啓介が死んだことで雰囲気が変わり鬱ゲーらしくなる。 そんな友人Aに転生した俺は半年を筋トレに費やす。 俺は女主人公を影で助ける。 そしたらいつのまにか俺の周りにはハーレムが築かれていて

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?

山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。 2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。 異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。 唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。

処理中です...