JK LOOPER

猫乃麗雅

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2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。

51.いろんなジョブが、あるようで。

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困りました。

「ぬぅぐう~ッ!」

前後左右に足を動かすも、一歩も進めないでいます。

私が〝ジタバタ〟しているうちに10秒が経ってしまい、チンピラ達の視力が回復してしまったようです。

〝ニヤニヤ〟しながら近づいて来る彼らに、薙刀の刃を向けて、

「ふにゃぁあーッ!!」

〝ブンブン〟振り回します。

「バッ! ちょっ、危ねぇだろうが!」

“小太り茶髪セミロングパーマ”を筆頭に、チンピラ一同がたじろいでいたら、道路が元の形状に戻り、私は自由になりました。

この機を逃すまいと、すかさず【閃光】を放った私は、【恩恵】も用いて、彼らの“みぞおち”を、柄の先で〝ドンッ!!〟と突いていったのです。

誰もが、「うぐッ!!」と膝から崩れ落ちるなか、バーバースタイルには手こずらされました。

それでも、所謂“クリティカルヒット”にて、撃沈してやりましたよ!

うん、流石、私、やれば出来る子です♪

すみません、久しぶりに、図に乗りました。

反省します。

ともあれ、勝利を収めた私は、今、7人のチンピラを横一列に並べて、正座させております。

彼らは完全に敗北を認めた模様です。

「それでは、幾つか質問させてもらいます。」
「嘘は絶対にかないでくださいね。」
「刺しますよ? 本気で。」

宣告した私に、皆が〝コクコク〟と頷きました。

円満(?)に了解を得たので、

「まず、ダガーさんのジョブと能力は何ですか?」
「“アサシン”じゃありませんよね??」

と質問してみたのです。

これに、

「俺か?」

軽く首を捻ったバーバースタイルが、

「ジョブは“シーフ盗賊”で、“嗅覚”と“聴力”を高めるスキルを使ったんだ。」
「今はLV.4だから、どちらも二倍にしかならいし、14秒しかもたないがな。」

と、説明してくれました。

更に、

「あの“穴”とかは、なんです?」

マッシュ―ブロックに訊ねてみたところ、

「僕は“トラッパー罠師”で、それに伴う能力を扱えるんだ。」
「未だLV.3だから、どれも13秒が限界だけどね。」
「あと、自分を中心に半径13Mの範囲内であれば、どこにでも罠を発動できるよ。」

との答えが返ってきたのです。

ちなみに、これらは“ユニーク職”との事でした。

主に“バーバースタイル”と“マッシュ―ブロック”によれば、人外らと直接バトルを行う“戦闘職”が一番レベルアップしやすく、サポート役である“ユニーク職”が二番目らしいです。

“一般職”は戦うことが殆どないので、レベルが最も上がりづらいみたいでした。

経験値を稼ぎにくいそうで。

ただし、中華街を占拠しているチンピラたちは、いろんな人たちに暴力を振るってきたので、平均でLV.2になっているのだとか。

彼らの解説に〝ふむふむ〟と納得した私が、

「それはそれとして…、警察に出頭するつもりは?」

改めて質問してみたら、

「いや……、勝手にそんなことしちまったら、ミツル君に後で何されっか分かんねぇし、なぁ?」

小太りが窺い、

「あ、ああ。」

他の6人が青ざめます。

「そうですか…。」
「では、その“ミツル君”とやらは今どちらに?」

私の問いに、金髪襟足が、

「確か、今日は、昼飯を“善隣門ぜんりんもん”の角にある店で食う、つってたから、そこに居るんじゃ?」

と述べ、

「ああ、あそこの“大飯店だいはんてん”か。」

刈り上げ黒髪リーゼントが続きました。

赤髪ソフトモヒカンに、

「おめぇ、そんなん知って、どうするつもりよ?」

と、聞かれたので、

「勿論、倒しに行くに決まってるじゃないですか。」

そう宣言する私でした―。
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