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1st STAGE/ループには回数制限があるようです。
45.そして冒険へ
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最神家の居間に、穂積さん、紗凪さん、真守さんが、座っています。
更には、うちの家族も集まっていました。
妹の琴音が、
「穂乃歌お姉ちゃんは?」
と首を傾げたので、私は、起きた出来事を語っていったのです…。
「そんなことが、あったのね……。」
私の母が穂乃歌さんの死を悲しみます。
「うん。」
「まぁ、でも、ひょっとしたら、復活させることが可能かもしれないの。」
そう告げた私に、
「電話でも言っていたけど、どうやって?」
紗凪さんが尋ねてきました。
私は、返答に悩んだものの、包み隠さない方が、きちんと伝わるだろうと思い、[時空のネックレス]と[譲渡のブレスレット]に、これまで届いた手紙を見せながら、身振り手振りを交えて、説明していったのです。
穂積さんが、
「ループ…、まさか、本当に?」
少なからず訝しがり、
「真守、すまんが、意見を聞かせてくれ。」
と、促しました。
「んんー、…、世界中がファンタジーになってしまった訳だし、そういうのが発生したとしても、不思議ではないんじゃないかな?」
「ただ、逆戻りを彼女しか覚えてないのであれば、証明の仕様がないけどね。」
真守さんが、そう述べたところ、
「ちょっと、いいかな?」
私の父が口を開いたのです。
「リピートを、琴晴しか記憶していないとなると、確かに、怪しい話しかもしれない。」
「だが、うちの子たちは、誰も、嘘を吐くような人間ではない。」
「そのように育ててきた自負もある。」
「それを踏まえて、ここは一つ、信じてみてはくれないか?」
「君の妹さんを生き返らせられるかもしれないという件を。」
これに、穂積さんが、
「……、分かりました。」
「それでは、数日後に、京都へと出発します。」
「手紙には〝遺体が骨や灰になっていたとしても問題はない〟と書かれているので、穂乃歌の葬儀が済み次第…。」
そう意思表示しました。
これは、亡き穂乃歌さんを安置したまま腐らせたくないとの判断です。
「あ、いえ、皆さんは“自警団”の、お務めがあるでしょうから、私が行きます。」
「というか、行かせてください!」
「お願いします!!」
私は正座の姿勢で頭を下げました。
〝あの時、パーティーに再加入してさえいれば、穂乃歌さんを助けられただろう〟といった後悔の念が強くなっていたので、(この問題は、私が解決する!)と心に決めていたのです。
「しかし…。」
穂積さんが反対しようとします。
それを、
「また、あのネズミみたいな奴…、いや、それ以上の強敵が現れるもしれない。」
「自警団は俺たちが設立したんだから、暫くは、この町を離れるわけにはいかないんじゃないかな?」
「それは無責任でしかないだろうし……、それに、地元での犠牲者を増やしたくないしね。」
「せめて、住民が、もう少し落ち着くまで、俺たちは、神里町の治安の為に戦おう。」
真守さんが説得しました。
「だったら…、琴晴ちゃん、何か困ったことがあったら遠慮せずに知らせてもらえる?」
「私たちが協力するから。」
「二人とも、それで構わないでしょ?」
確認する紗凪さんに、
「……、それじゃあ、君の留守中は、最神さん一族を必ず守ると約束しよう。」
穂積さんが承諾し、真守さんも納得してくれたのです。
「では、今から準備を整えて、旅立ちます!」
勢いよく立ち上がった私を、
「琴晴ちゃん、せめて明日にしたら?」
「今日は疲れているんじゃない?」
母親が心配したので、日を改めることにしました。
紗凪さん達が帰宅して、二時間半ほどが経った正午に、お馴染みの人外らが襲撃してきました。
ま、LV.8になっている私には余裕でしたけど。
ちなみに、ボス鼠を倒した穂積さんは、レベルが5つ上がっていたそうです。
紗凪さんと真守さんはLV.9になっていました。
お昼を終えて、
「じゃあ、着替えとか揃えていくね。」
「キャリーバックに詰めていかなきゃ。」
部屋に向かおうとしたところ、父親が、
「なにで、京都まで移動するんだ?」
「飛行機や、新幹線に、高速バスとかは、運行しているのか?」
との疑問を投げかけてきました。
「あ!」
「流石に動いてないか…。」
「んー、……、原付き??」
「いや、それだと、多くの荷物は運びきれなそうだし…。」
考え込む私に、弟の利勇が、
「姉ちゃん、原チャリ以下の重量であれば、“アイテムBOX”に収納できるみたいだぜ、幾らでも。」
「あと、仕事着と私服を予め設定しておけば、瞬時に装備変更できるらしい。」
「“戦闘職”や“ユニーク職”の場合は、武器と防具ってことだろうな。」
と、教えてくれたのです。
「おおー!」
ご都合主義な展開ながらも、感心した私は、いろいろと試していきました。
五時間おきに出現するエネミーを打ち破りながら…。
翌日、朝ごはん後の広間にて、父と母が、何やら渡そうとしてきます。
それらは、巫女装束と赤い襷に、黒色で薄鉄の胸当て/籠手/脛当てでした。
あと、新選組みたいなイメージの“白いハチマキに薄い鉄板”といった額当ても見受けられます。
「これって??」
目を丸くする私に、
「錬金術師の俺と、裁縫師の母さんとで、それぞれ作っておいた。」
「まだ、レベルとやらが1だから…、なんだっけ? “ステータス増強付与”だったっけか?? そういのは残念ながら無理だったが。」
父親が説明したのです。
なんでも、私が庭に置いておいた敵の装備品を素材にして作ったとの事でした。
「それと…、これを。」
白い封筒を差し出してきた母親が、
「10万円、入れておいたから、足しにしなさい。」
と伝えてきたのです。
それだけでなく、祖母までもが、
「こっちは、お爺ちゃんと、お婆ちゃんから。」
封筒を出してきます。
こちらは20万円でした。
〝京都への道のりは、これまで貯めておいたバイト代を崩しかない〟と覚悟していただけに、大助かりです。
私は、素直に、
「ありがとう!」
と、お礼を述べました。
AM08:30頃の玄関先にて…。
「やっぱり、これじゃないとダメ?」
窺う私を、母が、
「学生なんだから、最初ぐらいは、ね。」
と促します。
私は、今、春用のセーラー服にスクールカーディガンという格好になっているのです。
いえ、〝させられている〟との表現が正しいでしょう。
変なところで真面目な母親によって。
こうなった母は絶対に折れてくれないので、
(仕方ないか。)
と、諦めた私は、原付バイクに跨り、エンジンを掛けました。
我が愛車は、〔ゆ○キャン〕の“志摩リ○”ちゃんも所有している〖ビーノ〗です。
ただし、こちらは、白色を基調とした黄色と黒色のモデルであります。
ハーフヘルメットは黄色&白色です。
ゴーグルを〝スチャッ!〟と装着した私に、
「こまめに連絡するのよ。」
「それから…、たまには帰って来なさいね。」
「“瞬間移動”とかいう、アレで。」
母親が声を掛けてきます。
「うん、そうする。」
頷いた私は、家族に見送られるなか、
「じゃあ、行ってきます!」
穂乃歌さんを蘇らせるべく、アクセルを回して旅に出ました。
これから苦難が待っているとは知らずに―。
更には、うちの家族も集まっていました。
妹の琴音が、
「穂乃歌お姉ちゃんは?」
と首を傾げたので、私は、起きた出来事を語っていったのです…。
「そんなことが、あったのね……。」
私の母が穂乃歌さんの死を悲しみます。
「うん。」
「まぁ、でも、ひょっとしたら、復活させることが可能かもしれないの。」
そう告げた私に、
「電話でも言っていたけど、どうやって?」
紗凪さんが尋ねてきました。
私は、返答に悩んだものの、包み隠さない方が、きちんと伝わるだろうと思い、[時空のネックレス]と[譲渡のブレスレット]に、これまで届いた手紙を見せながら、身振り手振りを交えて、説明していったのです。
穂積さんが、
「ループ…、まさか、本当に?」
少なからず訝しがり、
「真守、すまんが、意見を聞かせてくれ。」
と、促しました。
「んんー、…、世界中がファンタジーになってしまった訳だし、そういうのが発生したとしても、不思議ではないんじゃないかな?」
「ただ、逆戻りを彼女しか覚えてないのであれば、証明の仕様がないけどね。」
真守さんが、そう述べたところ、
「ちょっと、いいかな?」
私の父が口を開いたのです。
「リピートを、琴晴しか記憶していないとなると、確かに、怪しい話しかもしれない。」
「だが、うちの子たちは、誰も、嘘を吐くような人間ではない。」
「そのように育ててきた自負もある。」
「それを踏まえて、ここは一つ、信じてみてはくれないか?」
「君の妹さんを生き返らせられるかもしれないという件を。」
これに、穂積さんが、
「……、分かりました。」
「それでは、数日後に、京都へと出発します。」
「手紙には〝遺体が骨や灰になっていたとしても問題はない〟と書かれているので、穂乃歌の葬儀が済み次第…。」
そう意思表示しました。
これは、亡き穂乃歌さんを安置したまま腐らせたくないとの判断です。
「あ、いえ、皆さんは“自警団”の、お務めがあるでしょうから、私が行きます。」
「というか、行かせてください!」
「お願いします!!」
私は正座の姿勢で頭を下げました。
〝あの時、パーティーに再加入してさえいれば、穂乃歌さんを助けられただろう〟といった後悔の念が強くなっていたので、(この問題は、私が解決する!)と心に決めていたのです。
「しかし…。」
穂積さんが反対しようとします。
それを、
「また、あのネズミみたいな奴…、いや、それ以上の強敵が現れるもしれない。」
「自警団は俺たちが設立したんだから、暫くは、この町を離れるわけにはいかないんじゃないかな?」
「それは無責任でしかないだろうし……、それに、地元での犠牲者を増やしたくないしね。」
「せめて、住民が、もう少し落ち着くまで、俺たちは、神里町の治安の為に戦おう。」
真守さんが説得しました。
「だったら…、琴晴ちゃん、何か困ったことがあったら遠慮せずに知らせてもらえる?」
「私たちが協力するから。」
「二人とも、それで構わないでしょ?」
確認する紗凪さんに、
「……、それじゃあ、君の留守中は、最神さん一族を必ず守ると約束しよう。」
穂積さんが承諾し、真守さんも納得してくれたのです。
「では、今から準備を整えて、旅立ちます!」
勢いよく立ち上がった私を、
「琴晴ちゃん、せめて明日にしたら?」
「今日は疲れているんじゃない?」
母親が心配したので、日を改めることにしました。
紗凪さん達が帰宅して、二時間半ほどが経った正午に、お馴染みの人外らが襲撃してきました。
ま、LV.8になっている私には余裕でしたけど。
ちなみに、ボス鼠を倒した穂積さんは、レベルが5つ上がっていたそうです。
紗凪さんと真守さんはLV.9になっていました。
お昼を終えて、
「じゃあ、着替えとか揃えていくね。」
「キャリーバックに詰めていかなきゃ。」
部屋に向かおうとしたところ、父親が、
「なにで、京都まで移動するんだ?」
「飛行機や、新幹線に、高速バスとかは、運行しているのか?」
との疑問を投げかけてきました。
「あ!」
「流石に動いてないか…。」
「んー、……、原付き??」
「いや、それだと、多くの荷物は運びきれなそうだし…。」
考え込む私に、弟の利勇が、
「姉ちゃん、原チャリ以下の重量であれば、“アイテムBOX”に収納できるみたいだぜ、幾らでも。」
「あと、仕事着と私服を予め設定しておけば、瞬時に装備変更できるらしい。」
「“戦闘職”や“ユニーク職”の場合は、武器と防具ってことだろうな。」
と、教えてくれたのです。
「おおー!」
ご都合主義な展開ながらも、感心した私は、いろいろと試していきました。
五時間おきに出現するエネミーを打ち破りながら…。
翌日、朝ごはん後の広間にて、父と母が、何やら渡そうとしてきます。
それらは、巫女装束と赤い襷に、黒色で薄鉄の胸当て/籠手/脛当てでした。
あと、新選組みたいなイメージの“白いハチマキに薄い鉄板”といった額当ても見受けられます。
「これって??」
目を丸くする私に、
「錬金術師の俺と、裁縫師の母さんとで、それぞれ作っておいた。」
「まだ、レベルとやらが1だから…、なんだっけ? “ステータス増強付与”だったっけか?? そういのは残念ながら無理だったが。」
父親が説明したのです。
なんでも、私が庭に置いておいた敵の装備品を素材にして作ったとの事でした。
「それと…、これを。」
白い封筒を差し出してきた母親が、
「10万円、入れておいたから、足しにしなさい。」
と伝えてきたのです。
それだけでなく、祖母までもが、
「こっちは、お爺ちゃんと、お婆ちゃんから。」
封筒を出してきます。
こちらは20万円でした。
〝京都への道のりは、これまで貯めておいたバイト代を崩しかない〟と覚悟していただけに、大助かりです。
私は、素直に、
「ありがとう!」
と、お礼を述べました。
AM08:30頃の玄関先にて…。
「やっぱり、これじゃないとダメ?」
窺う私を、母が、
「学生なんだから、最初ぐらいは、ね。」
と促します。
私は、今、春用のセーラー服にスクールカーディガンという格好になっているのです。
いえ、〝させられている〟との表現が正しいでしょう。
変なところで真面目な母親によって。
こうなった母は絶対に折れてくれないので、
(仕方ないか。)
と、諦めた私は、原付バイクに跨り、エンジンを掛けました。
我が愛車は、〔ゆ○キャン〕の“志摩リ○”ちゃんも所有している〖ビーノ〗です。
ただし、こちらは、白色を基調とした黄色と黒色のモデルであります。
ハーフヘルメットは黄色&白色です。
ゴーグルを〝スチャッ!〟と装着した私に、
「こまめに連絡するのよ。」
「それから…、たまには帰って来なさいね。」
「“瞬間移動”とかいう、アレで。」
母親が声を掛けてきます。
「うん、そうする。」
頷いた私は、家族に見送られるなか、
「じゃあ、行ってきます!」
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