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1st STAGE/ループには回数制限があるようです。
38.曇天
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紗凪さんによると、[艮神社]の周辺地域をパトロールしていた自警団や、徒歩15分圏内に住んでいらっしゃる高校生以上の“戦闘職”の方々に集まってもらっているのだそうです。
この神社は、私の家から歩いて12~13分の距離に存在しています。
なので、私も呼ばれたのでしょう…。
私は、
「この人数で仕掛けるんですか?」
との疑問を投げかけました。
穂積さんが、
「いや、神社の東西南北に、およそ30人ずつ待機していて、団長の合図で突入する。」
「敵は60匹ほどで、こちらの方が数的には有利だが、あのデカいネズ公は要注意ってところだな。」
「全員で上手く連携を取り合いたいとこなんだが…、即席だから難しいだろう。」
という説明を終えたタイミングで、
「みんなー、いいかぁー?」
「事前の打ち合わせ通り、近距離型、中距離型、遠距離型で、布陣してくれー!」
「ぼちぼち予定の時間になるから、準備するようにー!」
団長さんが促したのです。
出現させた薙刀を右手で掴み、臨戦態勢に入りながらも、鼠らの相手をすることに気が重くなっている私が、左隣の穂乃歌さんに〝チラッ〟と視線を送ったところ、俯きながら、[某・巨大生物の脊髄に乗り込んで戦う中学生男子]みたいに、
「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ。」
と呟いていたのです。
あの監督さんが〝エ○はロボットアニメ〟と発言した際に、「え?!」と固まってしまったのを思い出しました。
それはそれとして。
穂乃歌さんもネズミが苦手なのでしょう。
間違いなく。
私は、
(猫の“ト○”とドタバタ劇を繰り広げる“ジェ○ー”ぐらい可愛ければ良かったのに。)
(あ、でも、それだと倒すのを躊躇ってしまいそうな…?)
と、考え込んでしまいました。
何かと悩ましい鼠らは、今は未だ神社の敷地内で静かにしておりますが、いつ外に出て来て暴れ回るか分かりません。
特に、3M程ありそうなネズミは、これまで私たちが対決してきたエネミーよりも強い筈です。
明らかに親玉でしょう。
情報にあったように、あのボスキャラっぽい鼠が【結界】を壊せるのであれば、“神里町”は、近日中に壊滅しかねません。
そのような危惧をしていたところ、
「10秒前からいくぞー!」
「……、10、9、8、」
団長さんによるカウントが始まりました。
どうやら、スマホで、東・北・西のリーダー格の人達にも伝えていたらしく、足並みを揃えているようです。
なんとなく天を見上げたら、何時、雨が降ってきてもおかしくない空模様になっていました。
「5、4、」
正面を見た私は、胸騒ぎがしながらも、集中力を高めていきます。
何だか嫌な予感がするなか、
「2、1、GO!!」
との合図で、皆さんと一緒に、敵めがけて走り出すのでした―。
この神社は、私の家から歩いて12~13分の距離に存在しています。
なので、私も呼ばれたのでしょう…。
私は、
「この人数で仕掛けるんですか?」
との疑問を投げかけました。
穂積さんが、
「いや、神社の東西南北に、およそ30人ずつ待機していて、団長の合図で突入する。」
「敵は60匹ほどで、こちらの方が数的には有利だが、あのデカいネズ公は要注意ってところだな。」
「全員で上手く連携を取り合いたいとこなんだが…、即席だから難しいだろう。」
という説明を終えたタイミングで、
「みんなー、いいかぁー?」
「事前の打ち合わせ通り、近距離型、中距離型、遠距離型で、布陣してくれー!」
「ぼちぼち予定の時間になるから、準備するようにー!」
団長さんが促したのです。
出現させた薙刀を右手で掴み、臨戦態勢に入りながらも、鼠らの相手をすることに気が重くなっている私が、左隣の穂乃歌さんに〝チラッ〟と視線を送ったところ、俯きながら、[某・巨大生物の脊髄に乗り込んで戦う中学生男子]みたいに、
「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ。」
と呟いていたのです。
あの監督さんが〝エ○はロボットアニメ〟と発言した際に、「え?!」と固まってしまったのを思い出しました。
それはそれとして。
穂乃歌さんもネズミが苦手なのでしょう。
間違いなく。
私は、
(猫の“ト○”とドタバタ劇を繰り広げる“ジェ○ー”ぐらい可愛ければ良かったのに。)
(あ、でも、それだと倒すのを躊躇ってしまいそうな…?)
と、考え込んでしまいました。
何かと悩ましい鼠らは、今は未だ神社の敷地内で静かにしておりますが、いつ外に出て来て暴れ回るか分かりません。
特に、3M程ありそうなネズミは、これまで私たちが対決してきたエネミーよりも強い筈です。
明らかに親玉でしょう。
情報にあったように、あのボスキャラっぽい鼠が【結界】を壊せるのであれば、“神里町”は、近日中に壊滅しかねません。
そのような危惧をしていたところ、
「10秒前からいくぞー!」
「……、10、9、8、」
団長さんによるカウントが始まりました。
どうやら、スマホで、東・北・西のリーダー格の人達にも伝えていたらしく、足並みを揃えているようです。
なんとなく天を見上げたら、何時、雨が降ってきてもおかしくない空模様になっていました。
「5、4、」
正面を見た私は、胸騒ぎがしながらも、集中力を高めていきます。
何だか嫌な予感がするなか、
「2、1、GO!!」
との合図で、皆さんと一緒に、敵めがけて走り出すのでした―。
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