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1st STAGE/ループには回数制限があるようです。
37.これまた拒絶反応が・・・・
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私は、眼鏡を忘れたまま、[艮神社]の南に位置する鳥居付近に“瞬間移動”しました。
私に気付いた穂乃歌さんが、
「あ! 琴晴ちゃん、ごめんねぇ。」
と、こちらに寄ってきたのです。
「いえいえ、親戚の件、ありがとうございました。」
お辞儀した私が、
「それで?」
と窺いながら周囲に視線を送ったところ、30人ほどが集まっていました。
「ん。実はね……、ま、見てもらうのが早い、かな?」
「琴晴ちゃん、ちょっと、こっちへ。」
鳥居のすぐ側まで私を導いた穂乃歌さんに、
「多分、昆虫よりは大丈夫だと思うけど…。」
「いい?」
「そっと、だよ??」
「そぉっと、覗くんだよ?」
と、念押しされます。
「はぁ。」
意味を理解できないまま、鳥居から神社の敷地内を覗いてみたところ、虫と同じぐらい苦手な存在が屯していたのです。
そちらを指差しながら、後ろを振り向いて、
「あ、ああ、あ、あれ…、あれって。」
口を〝パクパク〟させる私に、真守さんが、
「うん、鼠だね。」
冷静に述べました。
そう…、お社の近くに、数十匹のネズミが寝転がっているのです!
しかも、どの大きさも1Mほどで、小豆色の鎧兜を身に纏っています。
革製のようですが、RPGでいうところの【戦士】みたいな印象です。
各自、銅で作られているのであろう槍や剣も所持しております。
そいつらに囲まれるように、ひと際デカい鼠が、仰向けになっているではありませんか。
こちらは、紫色の肩当て/胸当て/籠手/脛当てに、白い腰巻といったスタイルでした。
きっと、【武闘家】に違いありません。
〝すぅ――ッ、はぁ――ッ〟と深呼吸して、落ち着きを取り戻した私は、
「どういう状況なんですか?」
と聞いてみました。
真守さんによれば、
「アイツらは、今朝、町の北側に現れたらしいんだ。」
「あの大きい奴が、次々に建物の“結界”は壊しては、全員で人々を襲い喰らったとかで、自警団も犠牲になったそうだよ。」
「その結果、満腹になったのか、この神社で一休みしているみたいだ。」
「連中と戦った自警団の生き残りによる報告だから、信憑性は高いね。」
との事です。
「そうですか…。」
私が頷いていたところ、
「琴晴ちゃん、来てくれたのね。」
離れた位置で穂積さんらと話しをしていた紗凪さんが、声を掛けながら、こっちに歩いてきました。
「あ、どうも。」
会釈した私が、
「これから、どうするんですか?」
と、質問してみたら、穂積さんが、
「あそこの、“団長”の指揮のもと、突撃を開始する。」
そう答えたのです。
私達から5Mほどの距離にいる男性は、身長が180㎝くらいで、黒髪を角刈りにしています。
服ごしでも筋肉隆々そうなのが伝わってきました。
右手に、西洋のランスを握っています。
それは、バンプレート型の黒い槍でした。
鉄製でしょうか?
いずれにせよ、彼は、傭兵として海外を転々としていたものの、40歳になったのを機に、およそ二週間前に日本へと戻ってきたのだそうです。
それを知った旧友が出版業者に紹介したところ、「その体験談を、ぜひ、うちで本にしませんか?」と誘われて、執筆しようとしていたらしいのですが…、世の中が非常事態になってしまい、それどころではなくなったので、自警団に加入したとの話しでした。
また、主だった人たちとの相談によって、団長に就任してもらったとも、穂積さんが教えてくれたのです。
「団長って、紗凪さんじゃなかったんですか?」
私の問いに、
「違うよ。」
首を横に振った彼女が、
「私は、あくまで、自警団の発案者であって、戦闘に関してはプロフェッショナルな人に頼むのが良いって判断したの。」
と、述べました―。
私に気付いた穂乃歌さんが、
「あ! 琴晴ちゃん、ごめんねぇ。」
と、こちらに寄ってきたのです。
「いえいえ、親戚の件、ありがとうございました。」
お辞儀した私が、
「それで?」
と窺いながら周囲に視線を送ったところ、30人ほどが集まっていました。
「ん。実はね……、ま、見てもらうのが早い、かな?」
「琴晴ちゃん、ちょっと、こっちへ。」
鳥居のすぐ側まで私を導いた穂乃歌さんに、
「多分、昆虫よりは大丈夫だと思うけど…。」
「いい?」
「そっと、だよ??」
「そぉっと、覗くんだよ?」
と、念押しされます。
「はぁ。」
意味を理解できないまま、鳥居から神社の敷地内を覗いてみたところ、虫と同じぐらい苦手な存在が屯していたのです。
そちらを指差しながら、後ろを振り向いて、
「あ、ああ、あ、あれ…、あれって。」
口を〝パクパク〟させる私に、真守さんが、
「うん、鼠だね。」
冷静に述べました。
そう…、お社の近くに、数十匹のネズミが寝転がっているのです!
しかも、どの大きさも1Mほどで、小豆色の鎧兜を身に纏っています。
革製のようですが、RPGでいうところの【戦士】みたいな印象です。
各自、銅で作られているのであろう槍や剣も所持しております。
そいつらに囲まれるように、ひと際デカい鼠が、仰向けになっているではありませんか。
こちらは、紫色の肩当て/胸当て/籠手/脛当てに、白い腰巻といったスタイルでした。
きっと、【武闘家】に違いありません。
〝すぅ――ッ、はぁ――ッ〟と深呼吸して、落ち着きを取り戻した私は、
「どういう状況なんですか?」
と聞いてみました。
真守さんによれば、
「アイツらは、今朝、町の北側に現れたらしいんだ。」
「あの大きい奴が、次々に建物の“結界”は壊しては、全員で人々を襲い喰らったとかで、自警団も犠牲になったそうだよ。」
「その結果、満腹になったのか、この神社で一休みしているみたいだ。」
「連中と戦った自警団の生き残りによる報告だから、信憑性は高いね。」
との事です。
「そうですか…。」
私が頷いていたところ、
「琴晴ちゃん、来てくれたのね。」
離れた位置で穂積さんらと話しをしていた紗凪さんが、声を掛けながら、こっちに歩いてきました。
「あ、どうも。」
会釈した私が、
「これから、どうするんですか?」
と、質問してみたら、穂積さんが、
「あそこの、“団長”の指揮のもと、突撃を開始する。」
そう答えたのです。
私達から5Mほどの距離にいる男性は、身長が180㎝くらいで、黒髪を角刈りにしています。
服ごしでも筋肉隆々そうなのが伝わってきました。
右手に、西洋のランスを握っています。
それは、バンプレート型の黒い槍でした。
鉄製でしょうか?
いずれにせよ、彼は、傭兵として海外を転々としていたものの、40歳になったのを機に、およそ二週間前に日本へと戻ってきたのだそうです。
それを知った旧友が出版業者に紹介したところ、「その体験談を、ぜひ、うちで本にしませんか?」と誘われて、執筆しようとしていたらしいのですが…、世の中が非常事態になってしまい、それどころではなくなったので、自警団に加入したとの話しでした。
また、主だった人たちとの相談によって、団長に就任してもらったとも、穂積さんが教えてくれたのです。
「団長って、紗凪さんじゃなかったんですか?」
私の問いに、
「違うよ。」
首を横に振った彼女が、
「私は、あくまで、自警団の発案者であって、戦闘に関してはプロフェッショナルな人に頼むのが良いって判断したの。」
と、述べました―。
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