31 / 291
1st STAGE/ループには回数制限があるようです。
31.煩わしい奴ら
しおりを挟む
私を先頭に、咲凛ちゃんと、葵月ちゃんとが、階段を〝トタ トタ〟下りていきます。
待ち構えていた母が、心配そうに、
「琴晴ちゃん、あっち。」
と、居間の方を指差しました。
そちらへと足を運んでみたら、男性陣が縁側の窓を睨み付けていたのです。
そんな状況で、弟の利勇が、
「あ、姉ちゃん、アイツらが、また…。」
と声を掛けてきました。
そちらを見てみたところ、人外どもが新たに出現していたのです。
エネミーを目視した私は、
(お風呂に入る前にしてほしかった。)
と、思いつつ、玄関へと回ったのでした。
ジャージタイプのパジャマ姿のままで…。
お庭に出た私は、〝ホッ〟と一安心しました。
何故なら、虫系がいなかったからです。
“蛾”などは灯りに群がる習性があるので、危惧していましたが、これなら落ち着いて行動できます。
敵の面子は、天使・お地蔵さんみたいな仏・ゴブリン・鎌鼬が4体ずつの、計16体です。
こちらに気付いた連中が向きを変えます。
私は、これまで通り【閃光】と【恩恵】を用いました。
動物型は鼻が利くので、早めにイタチを倒しておきたいところです。
躱される可能性もありますが、躊躇ったとて物事は進まないので、おもいきって薙刀を突き出します。
予想に反して、刃の切っ先が、
ズブシュッ!!
と額に刺さった鎌鼬が消滅しました。
そのままの勢いで、他の三体も、真上から両断したり、首を刎ねたり、心臓を貫いて、屠ったのです。
(あれ?)
意外にも簡単だったことに首を傾げましたが、
(あ! 私のレベルが上がっているからか!!)
と、腑に落ちました。
聡真くんの話しを元に分析してみれば、LV.4である私の攻撃力は40であり、恩恵によって2倍の80になっている筈です。
更には、[普通の薙刀]における“攻撃力:+15”が加算されています。
おそらくですが、“素早さ”もLV.1だった頃より幾らかはアップしていることでしょう。
その結果、イタチらは避けきれなかったのであろうとの考えに至りました。
これはもう、相手が格下であれば、もはや勝ち筋しかないも同然です!
いや、図に乗るとピンチに陥りかねないので、慎重にいきましょう。
改めて【閃光】と【恩恵】を発動した私は、残りの人外を撫で斬りにしていきました。
それから二時間近くが経過し、誰もが眠りに就いていきました。
咲凛ちゃんと葵月ちゃんは、私の部屋に、お布団を二列に敷いて、仲良く並んで寝ています。
私は、慣れないことが続いたので、かなり疲れていたのでしょう、ベッドで横になるなり、爆睡してしまいました…。
身体を〝ユッサ ユッサ〟と揺らされて、〝ハッ!〟と目を覚ました私に、
「起きた!」
「おばさんが来てるよ、琴晴ちゃん。」
と葵月ちゃんが告げたのです。
「んんー??」
眠気眼の私に、葵月ちゃんの左隣に居る咲凛ちゃんが、
「また、出たんだって。」
と、教えてくれました。
「そうなの?」
二人の背後に立っている母が、私の問いに頷きます。
「今、何時ぐらい?」
上体を起こしながら質問したところ、
「夜中の二時を少し回ったくらい。」
と咲凛ちゃんが答えました。
「……、そんな時間に傍迷惑な。」
ぼやきつつ、ベッドから出た私は、再び外へと向かったのです。
お庭にて、天使×2、仏×2、ミニデーモン×3、一つ目小僧×3が、争っております。
安眠を妨げられた私は、ご機嫌斜めになりながら、エネミーを屠っていくのでした―。
待ち構えていた母が、心配そうに、
「琴晴ちゃん、あっち。」
と、居間の方を指差しました。
そちらへと足を運んでみたら、男性陣が縁側の窓を睨み付けていたのです。
そんな状況で、弟の利勇が、
「あ、姉ちゃん、アイツらが、また…。」
と声を掛けてきました。
そちらを見てみたところ、人外どもが新たに出現していたのです。
エネミーを目視した私は、
(お風呂に入る前にしてほしかった。)
と、思いつつ、玄関へと回ったのでした。
ジャージタイプのパジャマ姿のままで…。
お庭に出た私は、〝ホッ〟と一安心しました。
何故なら、虫系がいなかったからです。
“蛾”などは灯りに群がる習性があるので、危惧していましたが、これなら落ち着いて行動できます。
敵の面子は、天使・お地蔵さんみたいな仏・ゴブリン・鎌鼬が4体ずつの、計16体です。
こちらに気付いた連中が向きを変えます。
私は、これまで通り【閃光】と【恩恵】を用いました。
動物型は鼻が利くので、早めにイタチを倒しておきたいところです。
躱される可能性もありますが、躊躇ったとて物事は進まないので、おもいきって薙刀を突き出します。
予想に反して、刃の切っ先が、
ズブシュッ!!
と額に刺さった鎌鼬が消滅しました。
そのままの勢いで、他の三体も、真上から両断したり、首を刎ねたり、心臓を貫いて、屠ったのです。
(あれ?)
意外にも簡単だったことに首を傾げましたが、
(あ! 私のレベルが上がっているからか!!)
と、腑に落ちました。
聡真くんの話しを元に分析してみれば、LV.4である私の攻撃力は40であり、恩恵によって2倍の80になっている筈です。
更には、[普通の薙刀]における“攻撃力:+15”が加算されています。
おそらくですが、“素早さ”もLV.1だった頃より幾らかはアップしていることでしょう。
その結果、イタチらは避けきれなかったのであろうとの考えに至りました。
これはもう、相手が格下であれば、もはや勝ち筋しかないも同然です!
いや、図に乗るとピンチに陥りかねないので、慎重にいきましょう。
改めて【閃光】と【恩恵】を発動した私は、残りの人外を撫で斬りにしていきました。
それから二時間近くが経過し、誰もが眠りに就いていきました。
咲凛ちゃんと葵月ちゃんは、私の部屋に、お布団を二列に敷いて、仲良く並んで寝ています。
私は、慣れないことが続いたので、かなり疲れていたのでしょう、ベッドで横になるなり、爆睡してしまいました…。
身体を〝ユッサ ユッサ〟と揺らされて、〝ハッ!〟と目を覚ました私に、
「起きた!」
「おばさんが来てるよ、琴晴ちゃん。」
と葵月ちゃんが告げたのです。
「んんー??」
眠気眼の私に、葵月ちゃんの左隣に居る咲凛ちゃんが、
「また、出たんだって。」
と、教えてくれました。
「そうなの?」
二人の背後に立っている母が、私の問いに頷きます。
「今、何時ぐらい?」
上体を起こしながら質問したところ、
「夜中の二時を少し回ったくらい。」
と咲凛ちゃんが答えました。
「……、そんな時間に傍迷惑な。」
ぼやきつつ、ベッドから出た私は、再び外へと向かったのです。
お庭にて、天使×2、仏×2、ミニデーモン×3、一つ目小僧×3が、争っております。
安眠を妨げられた私は、ご機嫌斜めになりながら、エネミーを屠っていくのでした―。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説

やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
少年神官系勇者―異世界から帰還する―
mono-zo
ファンタジー
幼くして異世界に消えた主人公、帰ってきたがそこは日本、家なし・金なし・免許なし・職歴なし・常識なし・そもそも未成年、無い無い尽くしでどう生きる?
別サイトにて無名から投稿開始して100日以内に100万PV達成感謝✨
この作品は「カクヨム」にも掲載しています。(先行)
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
この作品は「ノベルアップ+」にも掲載しています。
この作品は「エブリスタ」にも掲載しています。
この作品は「pixiv」にも掲載しています。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

初めての異世界転生
藤井 サトル
ファンタジー
その日、幸村 大地(ゆきむら だいち)は女神に選ばれた。
女神とのやり取りの末、大地は女神の手によって異世界へと転生する。その身には女神にいくつもの能力を授かって。
まさにファンタジーの世界へ来た大地は聖女を始めにいろんな人に出会い、出会い金を稼いだり、稼いだ金が直ぐに消えたり、路上で寝たり、チート能力を振るったりと、たぶん楽しく世界を謳歌する。
このお話は【転生者】大地と【聖女】リリア。そこに女神成分をひとつまみが合わさった異世界騒動物語である。
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のルナリス伯爵家にミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる