JK LOOPER

猫乃麗雅

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1st STAGE/ループには回数制限があるようです。

28.そういうジョブ

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居間にて、聡真そうまくんが、

琴晴ことはちゃん、手に入れたアイテムがあれば貸してくれる?」

と、言ってきたのです。

「ん?」
「どれを??」

そう質問したところ、

「全部を、1個ずつ。」

との事でした。

「いいけど…、なんで?」

尋ねてみたら、

「僕のジョブは“アイテム士”で、ポーションとかの消耗品であれば、複製できるみたいなんだ。」

と返ってきたのです。

「ホントに?!」

瞳を輝かせる私に、

「うん、今は未だLV.1だから、コピーが終了するまで、一時間は掛るらしいけど…。」

聡真くんが説明の途中で、イベントリから銀色の箱を出現させました。

50㎝四方のそれ・・は、[アイテム複製BOX]という道具なのだそうです。

「この箱の中に入れた物は、一つずつコピーしていけるんだって。」
「ただ、武器や防具といった装備品に、日用雑貨や、食料などは、NGになっているけど。」

「なるほどー。」

頷いた私は、体力系と魔力系のポーションに、緑色の解毒剤(小瓶)や、直径5㎝のビー玉みたいなアイテムを、それぞれ1個だけ出しました。

このビー玉っぽいアイテムは、半透明のライトホワイトです。

これまでに4つゲットしていましたが、きちんと確認してみたのは初めてでした。

名称は[転移の宝玉]となっています。

その効果は…、〝一度でも行ったことのある場所に瞬間移動できる〟というものでした。

ドラ○エにおける“キ○ラの翼”みたいに。

これは、なかなか便利そうです♪

解毒剤は8つ獲得しています。

「それじゃあ、お願いね。」

私は、これら4つのアイテムを、聡真くんに渡したのでした。


「そういえば、お寿司って、どうなったの?」

私の問いに、

「配達してくれるみたいよ。」
「電話してみたら。」

母が、そう答えました。

私は、

「え?」
「大丈夫なの??」

驚きつつ、

「こっちから受け取りに行くのが、いいんじゃ…。」

提案してみたのですが、

「ジョブだっけ? あそこの奥さんが、それがあるから心配ないって。」
「私には、詳しくは分からなかったけど。」

と、母が軽く首を傾げます。

「そうなの?」

半信半疑ながらも、待ってみる事にした私でした…。


PM17:50頃、敷地内に、小型の白いワゴン車が停まった模様です。

その数十秒後、玄関から、

「こんばんわー。」
「お寿司の、お届けでーす。」

との女性の声が聞こえてきました。

「はぁーい。」

母が、そちらへと向かいます。

どんな状況なのか気になったので同行してみたところ、三代目の奥さんが大きな寿司桶を二弾重ねで持って、佇んでいたのです。

ややポッチャリしていて、パーマなショートヘアーを茶色に染めている奥さんが、

「あら、琴晴ちゃん、お久しぶり。」

と微笑みます。

「どうも、お久しぶりです。」
「あの…、魔物とかに襲われなかったんですか?」
「もしかして、戦闘職??」

窺う私に、

「ううん、“運び屋”とかいう、一般職らしいわ。」

上がりかまちに寿司桶を置いた奥さんが、自身の体験談を語り出しました―。
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