27 / 291
1st STAGE/ループには回数制限があるようです。
27.現状②
しおりを挟む
占拠された施設を、各地域の“戦闘職”が奪還しようと試みているらしいのですが、フェイクニュースも流れており、後手後手に回ってしまっているそうです。
世界中が一大事だというのに、偽情報を投稿して何が楽しいのやら。
この類には、いつも、疑問が生じるのと共に、残念な気分になってしまいます。
神澤真守さんが、
「ところで…、“一般職”のステータスを知っておきたいんですけど、どなたか教えてくれませんか?」
そう発言したところ、13歳の聡真くんが、
「僕で良ければ。」
と、応じてくれました。
彼は、中1から中2になる途中の男子で、背丈は160㎝くらいです。
暁斗くんみたいに、やや長めの黒髪であり、細めの体型をしています。
プラモデルやモデルガンに、サバゲ―とガンシューティングゲームが、得意なタイプです。
ちなみに、暁斗くんは長女さんの息子で、聡真くんは次男さんの息子であります。
そんな総真くんによれば、「“体力”と“素早さ”に関しては、各年齢の平均値に統一されている」との事でした。
15歳の平均値、20歳の平均値、25歳の平均値、30歳の平均値、みたいに、その年齢によって一律の数値になっているみたいです。
「それだと、一流のアスリートたちは、凡人クラスになってしまったんじゃ?」
首を捻る真守さんに、
「うん、そうみたい。」
「ただ、ある意味では、平等なのかも…。」
「“戦闘職”とは違って。」
総真くんが独自の見解を示します。
「確かに、ね。」
頷いた真守さんが、
「“魔力”とかは?」
との質問を投げかけたら、
「魔力・攻撃力・防御力は、“レベル×10”になっているよ。」
と、返しました。
つまりは、LV.1であれば、その三つは10の値で、LV.2になれば20に、LV.3では30になる、らしいです。
また、「“一般職”は、“戦闘職”よりも、レベルが上がるのが遅い」とも話していました。
「んー…。」
少し考え込んだ真守さんが、
「敵を倒せば、それなりの経験値を稼げるけど、一般職には難しい、という設定なのかも…。」
そう述べたことろ、
「僕も同じ意見だよ。」
「けど、〝一般職であっても上手く戦える人たちであれば、スムーズにレベルアップ出来るんじゃないか?〟って、思うんだ。」
聡真くんが解釈したのです。
この二人は、考察や分析が好きらしく、どんどん打ち解けていきました。
一方、神岳穂乃歌さんと葵月ちゃんは性格が似ているのか、気が合ったようで、談笑しています。
「終わったぞ。」
そう告げた父が私の薙刀を、隣りの暁斗くんが神岳穂積さんの短剣を差し出してきたのです。
「おー、まるで新品みたいだ。」
「ありがとう。」
お辞儀した穂積さんがダガーを受け取りました。
私も、父に、
「ありがと。」
と礼をして、柄を掴んだのです。
今更ではありますが、私の薙刀は装備した際に“攻撃力:+15”で、穂積さんの短剣は“攻撃力:+8”となります。
どちらも初期の武器なので、[普通の薙刀]や[普通のダガー]といった名称です。
おそらく、強力な武器とかであれば、それに相応しいネーミングになっていることでしょう。
いや、そうであっていてほしいと、秘かに期待しております。
「では、お暇するとしよう。」
神澤紗凪さんが促したところ、
「あら、もっとゆっくしていけばいいのに。」
母が引き止めました。
「いえ、自警団の報告会を、公民館で開くので、これにて失礼します。」
穂積さんが頭を下げたら、
「そうだ!」
「琴晴ちゃん、連絡先交換しとこうよ、葵月ちゃんも。」
「いつか落ち着いたら、皆で遊ぼう!」
と、穂乃歌さんが提案したのです。
こういうノリが苦手な私ではありますが、何かと力を貸してくださった方の申し出を断るのは如何なものかと判断したので、
「スマホ、部屋に置いてあるんで、取ってきます。」
と自室へ向かいました。
穂乃歌さんだけではなく紗凪さんとも連絡先を交換した後の、玄関にて、
「琴晴ちゃんのパーティー登録は、消しておいたから。」
と、紗凪さんに伝えられました。
「あ、はい。」
「分かりました。」
と答えた私に、
「それじゃあ、またねぇー。」
穂乃歌さんが笑顔で手を振ります。
お世話になった4人組を、一同でお見送りする最神家でした―。
世界中が一大事だというのに、偽情報を投稿して何が楽しいのやら。
この類には、いつも、疑問が生じるのと共に、残念な気分になってしまいます。
神澤真守さんが、
「ところで…、“一般職”のステータスを知っておきたいんですけど、どなたか教えてくれませんか?」
そう発言したところ、13歳の聡真くんが、
「僕で良ければ。」
と、応じてくれました。
彼は、中1から中2になる途中の男子で、背丈は160㎝くらいです。
暁斗くんみたいに、やや長めの黒髪であり、細めの体型をしています。
プラモデルやモデルガンに、サバゲ―とガンシューティングゲームが、得意なタイプです。
ちなみに、暁斗くんは長女さんの息子で、聡真くんは次男さんの息子であります。
そんな総真くんによれば、「“体力”と“素早さ”に関しては、各年齢の平均値に統一されている」との事でした。
15歳の平均値、20歳の平均値、25歳の平均値、30歳の平均値、みたいに、その年齢によって一律の数値になっているみたいです。
「それだと、一流のアスリートたちは、凡人クラスになってしまったんじゃ?」
首を捻る真守さんに、
「うん、そうみたい。」
「ただ、ある意味では、平等なのかも…。」
「“戦闘職”とは違って。」
総真くんが独自の見解を示します。
「確かに、ね。」
頷いた真守さんが、
「“魔力”とかは?」
との質問を投げかけたら、
「魔力・攻撃力・防御力は、“レベル×10”になっているよ。」
と、返しました。
つまりは、LV.1であれば、その三つは10の値で、LV.2になれば20に、LV.3では30になる、らしいです。
また、「“一般職”は、“戦闘職”よりも、レベルが上がるのが遅い」とも話していました。
「んー…。」
少し考え込んだ真守さんが、
「敵を倒せば、それなりの経験値を稼げるけど、一般職には難しい、という設定なのかも…。」
そう述べたことろ、
「僕も同じ意見だよ。」
「けど、〝一般職であっても上手く戦える人たちであれば、スムーズにレベルアップ出来るんじゃないか?〟って、思うんだ。」
聡真くんが解釈したのです。
この二人は、考察や分析が好きらしく、どんどん打ち解けていきました。
一方、神岳穂乃歌さんと葵月ちゃんは性格が似ているのか、気が合ったようで、談笑しています。
「終わったぞ。」
そう告げた父が私の薙刀を、隣りの暁斗くんが神岳穂積さんの短剣を差し出してきたのです。
「おー、まるで新品みたいだ。」
「ありがとう。」
お辞儀した穂積さんがダガーを受け取りました。
私も、父に、
「ありがと。」
と礼をして、柄を掴んだのです。
今更ではありますが、私の薙刀は装備した際に“攻撃力:+15”で、穂積さんの短剣は“攻撃力:+8”となります。
どちらも初期の武器なので、[普通の薙刀]や[普通のダガー]といった名称です。
おそらく、強力な武器とかであれば、それに相応しいネーミングになっていることでしょう。
いや、そうであっていてほしいと、秘かに期待しております。
「では、お暇するとしよう。」
神澤紗凪さんが促したところ、
「あら、もっとゆっくしていけばいいのに。」
母が引き止めました。
「いえ、自警団の報告会を、公民館で開くので、これにて失礼します。」
穂積さんが頭を下げたら、
「そうだ!」
「琴晴ちゃん、連絡先交換しとこうよ、葵月ちゃんも。」
「いつか落ち着いたら、皆で遊ぼう!」
と、穂乃歌さんが提案したのです。
こういうノリが苦手な私ではありますが、何かと力を貸してくださった方の申し出を断るのは如何なものかと判断したので、
「スマホ、部屋に置いてあるんで、取ってきます。」
と自室へ向かいました。
穂乃歌さんだけではなく紗凪さんとも連絡先を交換した後の、玄関にて、
「琴晴ちゃんのパーティー登録は、消しておいたから。」
と、紗凪さんに伝えられました。
「あ、はい。」
「分かりました。」
と答えた私に、
「それじゃあ、またねぇー。」
穂乃歌さんが笑顔で手を振ります。
お世話になった4人組を、一同でお見送りする最神家でした―。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説

収納大魔導士と呼ばれたい少年
カタナヅキ
ファンタジー
収納魔術師は異空間に繋がる出入口を作り出し、あらゆる物体を取り込むことができる。但し、他の魔術師と違って彼等が扱える魔法は一つに限られ、戦闘面での活躍は期待できない――それが一般常識だった。だが、一人の少年が収納魔法を極めた事で常識は覆される。
「収納魔術師だって戦えるんだよ」
戦闘には不向きと思われていた収納魔法を利用し、少年は世間の収納魔術師の常識を一変させる伝説を次々と作り出す――

やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
少年神官系勇者―異世界から帰還する―
mono-zo
ファンタジー
幼くして異世界に消えた主人公、帰ってきたがそこは日本、家なし・金なし・免許なし・職歴なし・常識なし・そもそも未成年、無い無い尽くしでどう生きる?
別サイトにて無名から投稿開始して100日以内に100万PV達成感謝✨
この作品は「カクヨム」にも掲載しています。(先行)
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
この作品は「ノベルアップ+」にも掲載しています。
この作品は「エブリスタ」にも掲載しています。
この作品は「pixiv」にも掲載しています。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

初めての異世界転生
藤井 サトル
ファンタジー
その日、幸村 大地(ゆきむら だいち)は女神に選ばれた。
女神とのやり取りの末、大地は女神の手によって異世界へと転生する。その身には女神にいくつもの能力を授かって。
まさにファンタジーの世界へ来た大地は聖女を始めにいろんな人に出会い、出会い金を稼いだり、稼いだ金が直ぐに消えたり、路上で寝たり、チート能力を振るったりと、たぶん楽しく世界を謳歌する。
このお話は【転生者】大地と【聖女】リリア。そこに女神成分をひとつまみが合わさった異世界騒動物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる