JK LOOPER

ネコのうた

文字の大きさ
上 下
13 / 291
1st STAGE/ループには回数制限があるようです。

13.助けるつもりが・・・・

しおりを挟む
音がしたのは北東の方角です。

私は道路を北へ50Mほど進んでいきます。

その間にも、誰かが、何回か発砲していました。

一つめの右角から恐る恐る覗いてみたところ、一人の警察官が魔物と対峙しながら、弾丸を詰め直していたのです。

私の方からだと後ろ姿である男性の近くには、二台の自転車と一台のミニパトが見受けられます。

彼の眼前には高さ5Mぐらいの植物が、一体だけ居ました。

それ・・は、チューリップのような姿形をしており、花の部分は2Mありそうです。

ポリスメンが、赤い花の上部めがけて射撃していきます。

小走りで駆け寄った私は、

「お手伝いしましょうか?お巡りさん!」

と申し出ました。

「君は?!」

30代後半であろう巡査の視線が私から薙刀へと移ります。

「あ、これは、その…。」

日本では確実に銃刀法違反で逮捕されるであろうことを危惧した私は説明を試みるも、どう言って良いか分からず、しどろもどろになってしまったのです。

「ああ、“戦闘職”とかいうやつか…。」

なんだか納得した様子の警官に、

「ご存知ですか?」

と、返したら、

「殆どゲームをしない俺に同僚が教えてくれたからな、RPGのザックリとした基礎知識を。」
「そんな彼らは、アイツに吞み込まれてしまった。」
「おそらく、二人は、もう…。」
「残る一人はまだあの中にいるみたいだから、助けようとしていたんだが、“一般職”とやらの俺には難しいようだ。」

との事でした。

「成程、です。」

頷いて、

「それでは、私がどうにかしてみましょう。」

前進したところ、敵が背中というか茎を曲げて体勢を低くしました。

向こうも、やる気のようです。

お巡りさんが「あ、待て!」と声を掛けてきたみたいですが、ほぼ同時に、

「閃光!」

と唱えてしまったので、私の耳には入りませんでした。

更に【恩恵】を用いようとしたタイミングで、花型のモンスターが右(私からは左)の葉を〝ブンッ!〟と振るってきたのです。

「え?!」

明らかに目くらましが効いていない状況に戸惑ってしまい、反応が遅れた私は横殴りにされて、ブロック塀に衝突してしまいました。

その際に、眼鏡がどこかへ飛ばされてしまったようです。

ま、伊達なので問題はありませんが。

「くぅ~ッ。」

痛みに耐えながら武器を構えようとしていたところ、もう一枚の葉の裏側から新たな植物型が出現しました。

きっと隠れていたのだろうと思われるソイツの身長は1.2Mくらいでしょう。

容姿は、スーパーマ○オの“土管の花”みたいな感じです。

そのエネミーが口を〝あんぐり〟と開くなり、直径10㎝ほどの“火の玉”を、こちらの顔面へと放ちました。

いろんな想定外に頭の回転が追い付かず、判断が遅れている私には、躱せそうにありません―。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

収納大魔導士と呼ばれたい少年

カタナヅキ
ファンタジー
収納魔術師は異空間に繋がる出入口を作り出し、あらゆる物体を取り込むことができる。但し、他の魔術師と違って彼等が扱える魔法は一つに限られ、戦闘面での活躍は期待できない――それが一般常識だった。だが、一人の少年が収納魔法を極めた事で常識は覆される。 「収納魔術師だって戦えるんだよ」 戦闘には不向きと思われていた収納魔法を利用し、少年は世間の収納魔術師の常識を一変させる伝説を次々と作り出す――

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

少年神官系勇者―異世界から帰還する―

mono-zo
ファンタジー
幼くして異世界に消えた主人公、帰ってきたがそこは日本、家なし・金なし・免許なし・職歴なし・常識なし・そもそも未成年、無い無い尽くしでどう生きる? 別サイトにて無名から投稿開始して100日以内に100万PV達成感謝✨ この作品は「カクヨム」にも掲載しています。(先行) この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。 この作品は「ノベルアップ+」にも掲載しています。 この作品は「エブリスタ」にも掲載しています。 この作品は「pixiv」にも掲載しています。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~

k33
ファンタジー
初めての小説です..! ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

初めての異世界転生

藤井 サトル
ファンタジー
その日、幸村 大地(ゆきむら だいち)は女神に選ばれた。 女神とのやり取りの末、大地は女神の手によって異世界へと転生する。その身には女神にいくつもの能力を授かって。 まさにファンタジーの世界へ来た大地は聖女を始めにいろんな人に出会い、出会い金を稼いだり、稼いだ金が直ぐに消えたり、路上で寝たり、チート能力を振るったりと、たぶん楽しく世界を謳歌する。 このお話は【転生者】大地と【聖女】リリア。そこに女神成分をひとつまみが合わさった異世界騒動物語である。

処理中です...