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- 最終期・全身にて全霊を賭けて -
第350話 幕引き
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第350話 幕引き
宙に[天地晦冥の主]の首が飛ぶ。
これに気づいた神どもが、散り散りになっていこうとする。
「逃がさん!!」
そう告げた[リヴァイアサン]を軸に、一斉に【ブースト】を発動するドラゴン達であった…。
時を同じくして。
[邪神の三将軍]も命を落とす。
これによって、北・西・南の敵らもまた、何処へともなく去りゆこうとする。
しかし、その方面で戦っていた竜たちが、やはり【ブースト】を用いて、追撃を開始したのだった……。
数十分後。
全ての神が死滅している。
この間に、陸では、味方が、[勇者]などの遺体を凍らせてくれていた。
「ひとまず、各国に凱旋するがよかろう。」
そうした[アンデッドソーサラー]の意見を受けて、俺はロードなどに【伝言】していく。
ちなみに、あれ以来、[厄災のキマイラ]とは会話できなくなっている。
おそらく、再び融合したのだろう…。
一週間が経った。
朝方、俺の部屋に、トーキー王/姫殿下/リッチ/賢者/宰相/三将軍/魔法剣士/ミノタウロス元帥/ジャイアントアント参謀役/トロール/学校の理事長/副理事/生徒会副会長が、足を運んできている。
なお、魔人姉妹は、地元に帰っていた。
さておき。
「揃い踏みってことは……、〝蘇生の準備が整った〟のか?」
このように尋ねてみたら、
「うむ、その通りじゃ。」
「故に、“中央の大陸”での戦闘に参加した王や女王と長に連絡してくれ。」
[リッチ]に促されたのである。
それによって、【念話】を使う俺であった…。
俺とかは、[生徒会長]などが亡くなった場所に赴いている。
火炎系の【魔法】や【スキル】にて、氷を溶かしきったところで、[魔霊]が“クリスタルのアーティファクト”を取り出す。
前もって[アンデッドソーサラー]が〝邪悪なる神どもの魂は穢れておるため、七日に亘って太陽と月の光りで浄化する必要がある〟と話していた。
〝途中で雨雲に遮られたなら、最初からやり直さねばならん〟とも。
ただ、晴天に恵まれ続けたので、順調に進んだのである。
かくして、[リッチ]が、何やら〝ブツブツ〟と唱えてゆく。
この流れで、クリスタルから“一筋の白金色の光り”が空へと放たれた。
次の瞬間、〝パッ!〟と弾けたそれが、無数の粒子となって方々に降り注ぐ。
クリスタルが音もなく崩れるなか、上体を起こしだす勇者達だった……。
その夜は、世界中で宴が催されたらしい。
俺たちも大はしゃぎしたのである。
翌日の昼過ぎ…。
トーキー城の“庭の東”に、主だった連中が集まっていた。
[女魔王]を中心として、ロードなども、渡って来ている。
宙には、“ドラゴンの代表達”が浮いていた。
「お別れですな。」
優しく目を細めた“トーキーの国王”に、俺は〝ああ〟と頷く。
俺ら[召喚組]の足元に“魔法陣”を構築し、
「さらばじゃ。」
こう述べた[魔霊]によって、あちらへと送られたのである……。
そこは、“体育館”であった。
夏休み前の終業式が行なわれている。
若干名、〝え??〟や〝あれ?〟と少し騒いだのが気になるところではあったが、基本的には通常運転だ。
この放課後、校舎を出て、正門に向かっていたら、
「あ!!」
「見つけたー!」
後ろより声が聞こえてきた。
振り向いてみたところ、俺と関係をもった女性陣が、走ってきていたのである。
俺の近くで止まり、軽く呼吸を乱す彼女たちに、
「何か??」
警戒しつつ窺う。
「あなた、異世界で大魔王だった男子よね?」
「私達、いろんなことを断片的にしか覚えていないんだけど…。」
生徒会長に訊かれて、惚けようかとしたものの、全員に〝じぃ――ッ〟と見られて、
「ええ、そうですが??」
仕方なく観念した。
「やっぱりぃ、良かったぁ~。」
「他の人たちは完全に忘れているみたいで、他に誰か覚えてないか、生徒会の女子三人で探していたのよ。」
「〝私達だけが頭おかしくなったんじゃない〟ってのを確かめたくて。」
「それで、この人数が集まったって訳。」
生徒会長の説明に、〝はぁ〟と返したら、
「良ければ私たちと交流しない?」
「あの世界の思い出を共有している者として。」
そのように勧誘されたのである。
どうやら、俺とエッチしたのは記憶にないらしい。
これに安堵しつつ、
「いいですよ。」
俺が応じたところ、
「じゃぁ、改めて自己紹介しましょう。」
「君、名前は??」
生徒会長に問われてしまった。
それによって、
「俺は……。」
フルネームを教えていく。
こうした最中、どこからともなく吹いてくる穏やかな風だった―。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
どうにか最終回を迎えられました。
初めての執筆作業だったので、つたない部分が多々あったかと思います。
当初は「100話ぐらい書ければいいなぁ」と漠然と考えていましたが、ご愛読くださる皆さんの存在が励みとなり、ここまで続けることができた次第です。
心より感謝します。
最後までありがとうございました。
Fin
・
・・
・・・
・・・・To Be Continued?
宙に[天地晦冥の主]の首が飛ぶ。
これに気づいた神どもが、散り散りになっていこうとする。
「逃がさん!!」
そう告げた[リヴァイアサン]を軸に、一斉に【ブースト】を発動するドラゴン達であった…。
時を同じくして。
[邪神の三将軍]も命を落とす。
これによって、北・西・南の敵らもまた、何処へともなく去りゆこうとする。
しかし、その方面で戦っていた竜たちが、やはり【ブースト】を用いて、追撃を開始したのだった……。
数十分後。
全ての神が死滅している。
この間に、陸では、味方が、[勇者]などの遺体を凍らせてくれていた。
「ひとまず、各国に凱旋するがよかろう。」
そうした[アンデッドソーサラー]の意見を受けて、俺はロードなどに【伝言】していく。
ちなみに、あれ以来、[厄災のキマイラ]とは会話できなくなっている。
おそらく、再び融合したのだろう…。
一週間が経った。
朝方、俺の部屋に、トーキー王/姫殿下/リッチ/賢者/宰相/三将軍/魔法剣士/ミノタウロス元帥/ジャイアントアント参謀役/トロール/学校の理事長/副理事/生徒会副会長が、足を運んできている。
なお、魔人姉妹は、地元に帰っていた。
さておき。
「揃い踏みってことは……、〝蘇生の準備が整った〟のか?」
このように尋ねてみたら、
「うむ、その通りじゃ。」
「故に、“中央の大陸”での戦闘に参加した王や女王と長に連絡してくれ。」
[リッチ]に促されたのである。
それによって、【念話】を使う俺であった…。
俺とかは、[生徒会長]などが亡くなった場所に赴いている。
火炎系の【魔法】や【スキル】にて、氷を溶かしきったところで、[魔霊]が“クリスタルのアーティファクト”を取り出す。
前もって[アンデッドソーサラー]が〝邪悪なる神どもの魂は穢れておるため、七日に亘って太陽と月の光りで浄化する必要がある〟と話していた。
〝途中で雨雲に遮られたなら、最初からやり直さねばならん〟とも。
ただ、晴天に恵まれ続けたので、順調に進んだのである。
かくして、[リッチ]が、何やら〝ブツブツ〟と唱えてゆく。
この流れで、クリスタルから“一筋の白金色の光り”が空へと放たれた。
次の瞬間、〝パッ!〟と弾けたそれが、無数の粒子となって方々に降り注ぐ。
クリスタルが音もなく崩れるなか、上体を起こしだす勇者達だった……。
その夜は、世界中で宴が催されたらしい。
俺たちも大はしゃぎしたのである。
翌日の昼過ぎ…。
トーキー城の“庭の東”に、主だった連中が集まっていた。
[女魔王]を中心として、ロードなども、渡って来ている。
宙には、“ドラゴンの代表達”が浮いていた。
「お別れですな。」
優しく目を細めた“トーキーの国王”に、俺は〝ああ〟と頷く。
俺ら[召喚組]の足元に“魔法陣”を構築し、
「さらばじゃ。」
こう述べた[魔霊]によって、あちらへと送られたのである……。
そこは、“体育館”であった。
夏休み前の終業式が行なわれている。
若干名、〝え??〟や〝あれ?〟と少し騒いだのが気になるところではあったが、基本的には通常運転だ。
この放課後、校舎を出て、正門に向かっていたら、
「あ!!」
「見つけたー!」
後ろより声が聞こえてきた。
振り向いてみたところ、俺と関係をもった女性陣が、走ってきていたのである。
俺の近くで止まり、軽く呼吸を乱す彼女たちに、
「何か??」
警戒しつつ窺う。
「あなた、異世界で大魔王だった男子よね?」
「私達、いろんなことを断片的にしか覚えていないんだけど…。」
生徒会長に訊かれて、惚けようかとしたものの、全員に〝じぃ――ッ〟と見られて、
「ええ、そうですが??」
仕方なく観念した。
「やっぱりぃ、良かったぁ~。」
「他の人たちは完全に忘れているみたいで、他に誰か覚えてないか、生徒会の女子三人で探していたのよ。」
「〝私達だけが頭おかしくなったんじゃない〟ってのを確かめたくて。」
「それで、この人数が集まったって訳。」
生徒会長の説明に、〝はぁ〟と返したら、
「良ければ私たちと交流しない?」
「あの世界の思い出を共有している者として。」
そのように勧誘されたのである。
どうやら、俺とエッチしたのは記憶にないらしい。
これに安堵しつつ、
「いいですよ。」
俺が応じたところ、
「じゃぁ、改めて自己紹介しましょう。」
「君、名前は??」
生徒会長に問われてしまった。
それによって、
「俺は……。」
フルネームを教えていく。
こうした最中、どこからともなく吹いてくる穏やかな風だった―。
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どうにか最終回を迎えられました。
初めての執筆作業だったので、つたない部分が多々あったかと思います。
当初は「100話ぐらい書ければいいなぁ」と漠然と考えていましたが、ご愛読くださる皆さんの存在が励みとなり、ここまで続けることができた次第です。
心より感謝します。
最後までありがとうございました。
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