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- 最終期・全身にて全霊を賭けて -

第347話 クライマックス・承

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『ステータスの倍増を。』

クレリック達に【伝言】した俺は、宙へと浮いていく。

背後では[三年のウィッチ魔女]が続いているようだ。

[一年生書記]を軸に【加護】が施されていくなか、俺と[魔女]は地上11Mあたりの位置で止まった。

そうしたところで、

「準備は整ったか?」

鞘からつるぎを抜いた[天地晦冥てんちかいめいしゅ]が、

「ならば、掛かってこい。」

表情を変えずに告げてきたのである。

「そんじゃ、やるとすっか。」

このように呟いた俺は、〝すぅ――ッ〟と息を吸い、

「攻撃、開始ぃッ!!!!」

[召喚組]の約400人に指示した。

それによって、まず、[狙撃手]のメンバーが“ビームライフル光線銃”を発射する。

ほぼ同時に、[弓士きゅうし]が“爆裂の弭槍はずやり”で矢をった。

これらのことごとくが[ラスボス]の両脚に当たる。

そこへ、[武術士]が“風撃ふうげきの鉄甲”の右手を突きだし、[クレリックランサー]が“大地の槍”で陸を掬う。

これらもまた、[天地晦冥の主]の下半身にヒットした。

更には、

「スラッシュマックス!!」

[勇者]が“許多あまた聖剣せいけん”を突き出す。

それによって、直径50㎝×長さ5Mで、両外が紫色かつ内側が白色といった八本の【光線】が、円形状に放たれる。

なんでも、[生徒会長]が“LV.100”になったときに覚えた【スキル】なのだそうだ。

いずれにせよ。

この【ビーム】も[ラスボス]の脚に直撃した。

そうした数々の強襲によって、[天地晦冥の主]の“足鎧”にひびが生じている。

「ふむ。」
「なかなかやりおるな。」

余裕な[ラスボス]が、

「では、かえすとするか。」

“直径10Mの魔法陣”を横並びで六つ・・構築しだす。

「なッ??!」

俺が目を丸くしたタイミングで、[ラスボス]へと駆けていた接近型たちがストップした。

(こいつはヤベェ!!)

急ぎ抜剣した俺は、すぐさま[天地晦冥の主]の頭上に直径15Mの“黒い球体”を出現させる。

この重力で、両膝を着いた[ラスボス]が、

「ぐッうッ!」

苦しそうに顔を歪めた。

ちなみに、魔法陣は全て消えている。

さて…。

そのまま一気にし潰そうとしたものの、

「ぬんッ!!」

意地で“ロングソード”を振り上げた[天地晦冥の主]によって、俺の右腕が切断されてしまったうえに、“常闇とこやみつるぎ”ごと、陸に落ちていった。

これで効力を失った“黒い球体”もまた消滅したのである。

なお、俺と[ラスボス]の距離は10M以上だ。

そのため、[天地晦冥の主]の“ソード”は、俺には届いていない。

にもかかわらず、俺の腕は真っ二つにされたのだった。

こうした仕組みを俺が理解できずにいるなか、[ラスボス]が立ち上がってゆく。

流血している俺が、痛みに耐えながら、

「リストア。」

そのように唱えた事で、戻って来た右腕が〝ピタリ〟とくっつく。

これは、俺のレベルが“135”となった際に得た【超激レアスキル】だ。

腕や脚に胴体などを切断されても、繋げられる。

ただし、HPは回復しない。

一度に費やすMPは“500”となっていた。

また、首を斬り落とされたり、脳や心臓を損傷された場合は、不可・・である。

そんなこんなで、

「面白い能力を備えておるな。」

[天地晦冥の主]が、どこか愉快そうに述べた。

「そっちこそ、珍しい武器みてぇだが?」

俺の質問に〝ふむ〟と頷いた[ラスボス]は、

「アーティファクト、“空絶くうぜつ長剣ちょうけん”である。」
「使い手を中心に、半径20M以内であれば、上下前後左右どこであっても、空間を越えて対象物を断ち切ることが可能だ。」

そう答えたのである。

これに、

(おいおい。)
(いくらなんでも厄介極まりねぇだろ。)

少なからず動揺する俺であった―。
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