異世界を服従して征く俺の物語!!

ネコのうた

文字の大きさ
上 下
329 / 350
- 最終期・全身にて全霊を賭けて -

第329話 内陸にて・結

しおりを挟む
[総大将]の、正面にミノタウロス元帥が、左側にはトロールが、右側にジャイアントアント参謀役が、位置取りしていく。

[6M級の女神]は、三者を順番に睨み付け、牽制している。

若干の間を置いて、左足を大きく踏み込んだトロールが、両手で[斬馬剣]を振り上げた。

トロールは【縦断】を用いようとしたのだろう。

「じゅ」と言ったタイミングで、

「波動!」

敵が“左のてのひら”より[スキル]を扱う。

それを胸元にくらってしまい、後方に弾かれたトロールが、地面に背中を打ち付ける。

この間に[総大将]との距離を素早く詰めた参謀役が【ヒートブレス】を発す。

【熱の息】を浴びせ掛けられていく女神はただれる…、筈であった。

総大将は【残影】を使っており、実体ではなかったのだ。

「!!」

その事に参謀役が気付いたときは、既に遅かった。

参謀役の左へと移っていた女神が、[オリハルコン製のムチ]を払う。

不意をつかれた参謀役は、おもいっきり顔にヒットさせられてしまい、横転する。

〝ドッドッドッドッ〟と突進した元帥が、そのままの勢いで、

「破壊!」

[両刃のバトルアックス]を右から左へ払う。

しかし、総大将に宙へとけられてしまい、かすり傷ひとつ負わせられなかった。

そうした女神が、すかさず直径1Mの魔法陣を構築する。

この流れで、最大幅1M×長さ2Mのクリスタル形で歪な【土の塊】を放ってきた。

それ・・が右肩に直撃して、ふらついた元帥が、片膝を着く。

「なかなか頑張ったわね。」
「でも、私に勝とうだなんて無理な話しだったのよ。」
「……、そうねぇ、爆発で終わらせてあげるわ。」
「仲良く木端微塵こっぱみじんになりなさい!!」

こう告げた総大将が、新たに魔法陣を展開しようとする。

そこへ、陸から【雷】が飛んで来た。

左腰に当たり、

「ぃぎッ??!」

感電した女神が、うつ伏せで墜落する。

この“雷撃”は、元帥から割と離れた場所より[魔法剣士]が操った【伝導】によるものだった。

敵の配下どもと戦いつつ、隙を見て用いたらしい。

「今のうちに!!」

元帥たちに声をかけた彼女は、再び神々とのバトルに身を投じていった。

態勢を整え直した元帥らが、総大将へと寄っていく。

女神は、

「舐めんじゃ…、ないわよッ!」

根性で立ち上がったものの、まだ痺れが残っており、少なからず痙攣している。

一応に警戒する元帥達が様子を窺うなか、〝すぅ――、ふぅ――〟と呼吸した総大将が、ジャンプして、

「真空蹴り!!」

回転と共にキックしながら、[円形の風]を起こす。

その“武闘家のスキル”がクリティカルヒットした三者が、膝を屈した。

着地した女神は、

「とりあえず、そこのから殺してあげようかしら。」

こう呟き、元帥へと歩いてゆく。

ある程度のところで足を止めた総大将が、

「首を絞めて、死なせてやるわ。」
「存分に苦しみなさい。」

両手で鞭を左右に〝ピンッ!〟と引っ張りつつ、薄ら笑いを浮かべる。

余裕ぶる女神へと、口を〝ガバッ!!〟と開いた元帥が、【ブルブレス】を放射した。

思いがけない【白い炎】に焼かれる総大将は、

「ぐあぁあッ!」

天を仰ぎながら倒れる。

改めて女神に近づき、確実にほふる“ミノタウロス/トロール/ジャイアントアント”であった―。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊

北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。

遅れた救世主【勇者版】

ヘロー天気
ファンタジー
人類の救世主として召喚された世界は、既に詰んでいた。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

処理中です...