異世界を服従して征く俺の物語!!

ネコのうた

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- 最終期・全身にて全霊を賭けて -

第315話 得手

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翌日のPM13:50過ぎ。

俺達は、[トーキー王国]の西門に赴いたのである。

そこには、大将軍・中将軍・小将軍はもとより、およそ七千五百の兵隊が整列していた。

普段、“元ダンジョン”で鍛錬しているメンバーと合わせれば約一万となる。

ただし、ここには、【聖女】と【クレリックランサー】に【魔女ウィッチ】がいない。

彼女らは別行動だ。

そうした状況で、魔人姉によって、[ミノタウロス王国]の北門に【瞬間移動】する俺たちだった。


門の付近には、一頭のミノタウロスが待機している。

性別は、オスらしい。

背丈は3.5Mくらいだろう。

【魔術師】との事で、この国の港に[テレポート]してくれた。


俺達に気づくなり、

「お久しぶりでございます。」

【ホルスタウロスロード】が会釈する。

「ああ、そうだな。」

笑顔で応じた俺の右斜め後ろで、

「この地点を覚えたゆえ、少し外すぞ。」

こう述べたアンデッドソーサラーが、〝フッ!〟と消えた。

「どちらに??」

【牛の女王】が首を傾げたので、

「まぁ、すぐに分かる。」

そのように返した俺は、

「とりあえず、できるだけ大きく広がって、場所を空けてくれ。」

周囲に伝えたのである…。


数十秒後――。

リッチが“大きな船”と共に[テレポーテーション]して来た。

「これは……、“飛空艇”ですね。」

こう口を開いたホルスタウロスロードに、

「そうだ。」
「で…、ゴーレムたちを運んでもらった。」

魔霊の側には“トーキーの姫殿下/一年の生徒会書記/三年の留学生”が佇んでいる。

その3人は、二千体ほどのゴーレムを飛行艇に乗せる役割を引き受けてくれたのであった。

ま、基本的には、マスターである聖女の命令しか聞かないのだが。

クレリックランサー&ウィッチは〝ゴーレムのデザインを発案した〟ということもあり、姫殿下の補佐として付き添ったのである。

これをアンデッドソーサラーが迎えに行ってくれたという訳だ。

昨日、そういった計画が出たとき、

「何故、儂が“使い走り”みたいな事をやらんといかんのじゃ?」
「先に出向する軍艦を、飛行艇に全速力で追わせればよかろうて。」
「だいたい儂をなんだと思うておる。」
「後にも先にも、これほどまでの大魔導師は存在せんであろうというに。」
「そんな儂を、もっとこう敬うというか、雑な扱いをせんようにじゃなぁ……。」

と、不満を並べまくるリッチだったが、

「それは、あなたが天才・・だからですよ。」
「ここまでの“才能の持ち主”は、どこを探しても他には居ませんからねぇ。」
「古今東西において。」

一年生書記におだてられ、

「そ…。」
「それも、そうじゃのぉ~う。」
「確かに、お前さんの意見は全くもって正しいわいッ。」
「しょうがないから、今回だけ、特別じゃぞ!!」

めちゃめちゃ嬉しそうにしたのだった。

クレリックランサーの作戦勝ちではあるが……、正直、チョロすぎだ。

そのような回想をしていた俺に、

「ゴーレムの総重量に関しては大丈夫なのでしょうか??」
「空を飛んでいる途中で耐えきれずに墜ちてきたりはしませんよね?」

【牛の女王】が尋ねたのである。

「製造を指揮した物理の教師…、担当責任者によれば〝問題ありません〟との話しだ。」
「あと……、〝そもそも船なので、海に着水して進むのも可能です〟と説明していたな。」

俺が答えたところ、

「成程、了解いたしました。」

どうやら納得してくれた様子の【ホルスタウロスロード】であった―。
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