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- 最終期・全身にて全霊を賭けて -

第305話 南陸攻防戦・其之肆-破

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仲間の軍が、突進と共に【加護】を施していく。

兵数ではキャット&トーキーの連合が敵に劣っているため、不利かと思われた。

しかし、 “トーキー隊”による【スラッシュ】【天昇光てんしょうこう】【流雷るらい】【地動気破ちどうきは】【毒霧】【合体魔法】【ブルブレス】【ヒートブレス】【火炎拳】【一網打尽】などの、初めて見る攻撃に再び驚いた敵は、完全にフリーズしてしまい、次々と犠牲が生じている。

連合の中盤あたりで、

「どれもこれも珍しい術であるのぉう。」

興味深そうにしているのは[獅子王]であった。


このまま押し切れると、味方の誰もが思ったようだ。

が。

相手側の後方より、

ウオオオオォォォォ――ッ!!!!

【咆哮】が響き渡ってきたのである。

それによって、こちらの殆どが、しゃがみ込んだり、膝を屈してしまった。

[キャットロード]さえも…。

あちらから、

「さぁ、仕返せぇい!!」

との号令が聞こえてくる。

声の主は、背丈8Mはあろうかというオスの[エレファントロード]だった。

ジョブは【武闘家】らしく、“黒色の道着”&白銅の“肩当て/胸当て/肘当て/膝当て/すね当て”を装備している。

ただし武器は所持していないので、“素手”で戦うのだろう。

なお、[LV.155/HP:1240/MP:1085/基本攻撃力:1163/基本防御力930/基本素早さ1008]となっていた。

とにもかくにも。

〝ハッ!〟と正気を取り戻した敵兵らが、反撃に転じる。

そこへ、

「図に乗るでないわッ!!」

宙に浮いているアンデッドソーサラーが、最大直径15㎝×長さ1.5Mの【風の杭】を千本ほど放ったのであった。

更には、両目から【ビーム】を発射したゴーレム達が、各自で[長槍]を振るっていく。

リッチは[象の王]よりもレベルが高く、ゴーレムには【咆哮】【魅了チャーム】【毒】【混乱】【麻痺】【眠り】のたぐいが利かないため、平気だったみたいだ。

ちなみに、ゴーレムの“マスター”である聖女が事前に〝臨機応変に対応するように〟との指示を出していたので、ある程度は自由に動けるらしい。


キャット&トーキーの連合が、魔法やポーションで“ステータス異常”を回復していった。

〝スゥー〟と立ち上がり、

「よくもやってくれたっすね。」

軽く睨みつけた[一年のボクっ娘]が、

「うおりゃっスぅッ!」

右アッパーを繰り出して、[風撃ふうげきの鉄甲]による最小幅50㎝×最大幅5M×高さ10Mの【竜巻】を発生させる。

〝これに続け〟とばかりに、一年生書記が[大地の槍]の先端で草原を掬ったところ、最大幅2.5M×長さ5Mでいびつな[土の塊]が飛んで行った。

生徒会長が、[許多あまた聖剣せいけん]を用いる。

それによって、90本の“半透明のつるぎ”が放たれた。

二年生書記は、[捷急しょうきゅう外套がいとう]にて、目で追えない速さとなり、数十体の敵を“ダガー短剣”で斬り付けていく。

三年の留学生が[増魔ぞうまの杖]を扱うなか、二年の弓道部エースが改めて[爆裂の弭槍はずやり]をる。

姫殿下の[神壁しんへき円盾えんだて]は、今のとこ出番がなさそうだった。


不利な状況に陥っていく[ゾウの軍]より、幾つもの“銅鑼ドラ”が一斉に打たれる。

この合図によって、敵が陣形を変えていき、本隊が前線へと上がりだした。

「ここからが正念場みたいですね。」

こう呟いたのは、【弓士きゅうし】である。

いつの間にか近くに赴いていた[獅子王]が、

「問題ない。」
「我に任せよ。」

〝フッ〟と口元を緩めたのであった―。
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