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- 最終期・全身にて全霊を賭けて -
第292話 訴え
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数分後――。
[トーキー王]への報告を済ませた姫と共に、1階のエントランスに戻ってきたところ、一年生書記&三年留学生と、生徒会の“副会長”が、俺を待っていたのである。
「お久しぶりです、大魔王様。」
お辞儀した副会長に、
「おう。」
「……、どうした?」
「なんか用か??」
そう訊いてみたら、
「はい。」
「建設していた競技場などが完成し、それらを祝うオープニングセレモニーを、明後日、総合体育館で行いますので、是非とも御参加ください。」
と、述べたのであった。
「へぇー。」
「どんな事をやるんだ?」
俺が少なからず〝ワクワク〟して尋ねてみたところ、
「夕刻の五時より開始を予定しておりまして…、スケジュールとしては、吹奏楽部10分、演劇部と合唱部にダンス部が各15分、最後に再び吹奏楽部が10分、となっています。」
「なお、途中で20分の休憩を挟みますので、計85分といったところです。」
「総合体育館の周囲には、幾つもの屋台を設置し、夕方六時半からの営業となります。」
「更に!」
「夜の七時半には“打ち上げ花火”を催します!!」
このように力説してきたのである。
〝おぉー!〟とテンションが上がった俺に、
「そこで!!」
「私達に〝まとまった休み〟をください!」
【クレリックランサー】が願い出た。
「ん?」
言わんとしていることがイマイチよく分からず、俺が軽く首を傾げたら、
「こっちの世界に帰って来て間もない頃、まだダンジョンで生活するようになる前に、セレモニーの発案者である副会長に頼まれ、“科学開発班”と“相談部”でアイディアを出し合い、王都の職人さんたちに何かと発注して、鍛錬の傍ら様子を見にきたりと、多忙を極めていたんです!!」
「日本の学生は“夏休み”を満喫していたであろうというのに、我々は一度たりとも休日を与えてもらえず……、やってられませんよ! まったく!!」
「せめて一週間ぐらい休みを与えたらんかぁーいッ!!!!」
怒涛の如く責め立てられてしまったのである。
その左隣では、【魔女】が〝ウン ウン〟と頷いていた。
書記のキレっぷりに、
「お、おう。」
「確かに、そうだな。」
やや引いてしまった俺は、
「よし!」
「今日か明日にはゴーレムの生産が終わるらしいから、その後、七日間の連休にしよう。」
こう提案したのである。
それに、
「ふむ…。」
右手で眼鏡を〝スチャッ〟と正し、
「ならば、これにて、一件落着としましょう。」
冷静になるクレリックランサーだった。
ウィッチにいたっては、
「モシ、コトワッテイレバァ、“セップク”モノデシタヨ。」
〝フフフン〟と不敵な笑みを浮かべたのである。
二人の態度に、いささかイラついた俺が、
「お前ら、そのへんにしとけよ。」
右の掌を突き出して、5つの魔法陣を“円形状”に展開したところ、
「すみません、図に乗りました。」
「ムシロ、コッチガ、ハラヲキルベキ、デ、アリマァス。」
揃って深々と頭を下げたのであった。
かくして、副会長と別れた俺達は、魔女によって[テレポート]したのである……。
昼食となり、大食堂に皆が集まったので、俺は“オープニングセレモニー”と“7連休”の件を伝えていった。
結果、多くの者が、〝ひゃっほぉ~い♪〟といった感じで、かなり喜んだのである。
この日の夜には、全てのゴーレムが完成したようだ。
そんなこんなで、翌日から、久しぶりの休みに入る俺たちだった―。
[トーキー王]への報告を済ませた姫と共に、1階のエントランスに戻ってきたところ、一年生書記&三年留学生と、生徒会の“副会長”が、俺を待っていたのである。
「お久しぶりです、大魔王様。」
お辞儀した副会長に、
「おう。」
「……、どうした?」
「なんか用か??」
そう訊いてみたら、
「はい。」
「建設していた競技場などが完成し、それらを祝うオープニングセレモニーを、明後日、総合体育館で行いますので、是非とも御参加ください。」
と、述べたのであった。
「へぇー。」
「どんな事をやるんだ?」
俺が少なからず〝ワクワク〟して尋ねてみたところ、
「夕刻の五時より開始を予定しておりまして…、スケジュールとしては、吹奏楽部10分、演劇部と合唱部にダンス部が各15分、最後に再び吹奏楽部が10分、となっています。」
「なお、途中で20分の休憩を挟みますので、計85分といったところです。」
「総合体育館の周囲には、幾つもの屋台を設置し、夕方六時半からの営業となります。」
「更に!」
「夜の七時半には“打ち上げ花火”を催します!!」
このように力説してきたのである。
〝おぉー!〟とテンションが上がった俺に、
「そこで!!」
「私達に〝まとまった休み〟をください!」
【クレリックランサー】が願い出た。
「ん?」
言わんとしていることがイマイチよく分からず、俺が軽く首を傾げたら、
「こっちの世界に帰って来て間もない頃、まだダンジョンで生活するようになる前に、セレモニーの発案者である副会長に頼まれ、“科学開発班”と“相談部”でアイディアを出し合い、王都の職人さんたちに何かと発注して、鍛錬の傍ら様子を見にきたりと、多忙を極めていたんです!!」
「日本の学生は“夏休み”を満喫していたであろうというのに、我々は一度たりとも休日を与えてもらえず……、やってられませんよ! まったく!!」
「せめて一週間ぐらい休みを与えたらんかぁーいッ!!!!」
怒涛の如く責め立てられてしまったのである。
その左隣では、【魔女】が〝ウン ウン〟と頷いていた。
書記のキレっぷりに、
「お、おう。」
「確かに、そうだな。」
やや引いてしまった俺は、
「よし!」
「今日か明日にはゴーレムの生産が終わるらしいから、その後、七日間の連休にしよう。」
こう提案したのである。
それに、
「ふむ…。」
右手で眼鏡を〝スチャッ〟と正し、
「ならば、これにて、一件落着としましょう。」
冷静になるクレリックランサーだった。
ウィッチにいたっては、
「モシ、コトワッテイレバァ、“セップク”モノデシタヨ。」
〝フフフン〟と不敵な笑みを浮かべたのである。
二人の態度に、いささかイラついた俺が、
「お前ら、そのへんにしとけよ。」
右の掌を突き出して、5つの魔法陣を“円形状”に展開したところ、
「すみません、図に乗りました。」
「ムシロ、コッチガ、ハラヲキルベキ、デ、アリマァス。」
揃って深々と頭を下げたのであった。
かくして、副会長と別れた俺達は、魔女によって[テレポート]したのである……。
昼食となり、大食堂に皆が集まったので、俺は“オープニングセレモニー”と“7連休”の件を伝えていった。
結果、多くの者が、〝ひゃっほぉ~い♪〟といった感じで、かなり喜んだのである。
この日の夜には、全てのゴーレムが完成したようだ。
そんなこんなで、翌日から、久しぶりの休みに入る俺たちだった―。
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