上 下
289 / 350
- 最終期・全身にて全霊を賭けて -

第289話 容儀

しおりを挟む
あれから三週間が過ぎた。

ここまで、ダンジョンで鍛錬を積んできたメンバーは、レベルが1つ2つ上がっているみたいだ。

一方で、変わりない者たちもいる。

現在は…、

クレリックランサーの一年生書記がLV.51で、アサシンの二年生書記はLV.58の、ウィッチの三年留学生がLV.49となっていた。

一年生の武術士はLV.52で、二年生の弓士きゅうしがLV.54である。

聖女(姫殿下)がLV.70の、勇者(生徒会長)はLV.76だ。

ジャイアントアント参謀役がLV.72で、トロールはLV.88の、ミノタウロス元帥がLV.95だ。

ワーゴートのリーダー格はLV.60で、アラクネのリーダー格がLV.65の、ラミアのリーダー格はLV.66である。

ハーピーのリーダー格がLV.67の、ヘルハウンドのリーダー格はLV.69となっていた。

なお、俺と魔法剣士に魔人姉妹はレベルアップしていない。

俺の場合、[獅子王]との模範試合は“引き分け”と判断されたのか? そこまでの経験値は稼げなかったようだ。


もうじき夕食の時間になるので、大食堂に向かうべく自室を出ようかとしていたところ、“南陸なんりくのエルフ国主”から【念話】が入ったのである。

『今、よろしいでしょうか??』
『格別なる御方おかた。』

「おう。」
「どうした?」

『明後日の午前十時に、カッゴスゥイーマ、ミィヤザッキー、植物、昆虫、猫、これら各国の代表が、一同に会しますので、ぜひ、ご参加ください。』

「ああ。」
「…、お前の館に行けばいいんだったよな?」

『ええ。』
『そのように話し合いの場を設けましたので、よろしくお願いします。』
『ただ、こちらは雨季になっておりますので、屋外ではなく、エントランスに直接お越しくださいませ。』

「ん、分かった。」
「じゃあ、また、いずれ。」

やり取りを終えた俺は、食事の際に、その内容をみなに知らせたのであった……。


二日後のAM09:55頃になっている。

前もって、二年生書記が〝キャットロードにお礼を言いたいので、ご一緒させてください〟と願い出ていたので、伴うことにした。

こうして、俺達は、[トーキーの姫]によって“テレポート”したのである。


俺ら三人が【瞬間転移】で目的地に着いたら、係の者が[会議室]へと案内してくれた。

その部屋に赴いたところ、俺たち以外は既に揃っていたようで、代表らが席から立って迎え入れてくれたのである。

なかには、東陸とうりくにおける[森人族の長]も見受けられた。

今回は[補佐官]も共に来ているようだ。

なにはともあれ。

〝ふ〟と気付いたらしい獅子王が、

「おお、それ・・は“捷急しょうきゅう外套がいとう”に違いないな。」

うちのアサシンに声をかけてきた。

「貴重な品を頂き、ありがとうございます。」

お辞儀した二年生書記に、

「どうだ??」
「使いこなせておるか?」

キャットロードが訊ねる。

「はい。」
「何度も練習して、慣れました。」

アサシンが微笑みながら返したところ、

「それは良かった!」
「譲った甲斐があるというものだ!!」

喜びを顔にみなぎらせる獅子王だった―。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

Anotherfantasia~もうひとつの幻想郷

くみたろう
ファンタジー
彼女の名前は東堂翠。 怒りに震えながら、両手に持つ固めの箱を歪ませるくらいに力を入れて歩く翠。 最高の一日が、たった数分で最悪な1日へと変わった。 その要因は手に持つ箱。 ゲーム、Anotherfantasia 体感出来る幻想郷とキャッチフレーズが付いた完全ダイブ型VRゲームが、彼女の幸せを壊したのだ。 「このゲームがなんぼのもんよ!!!」 怒り狂う翠は帰宅後ゲームを睨みつけて、興味なんか無いゲームを険しい表情で起動した。 「どれくらい面白いのか、試してやろうじゃない。」 ゲームを一切やらない翠が、初めての体感出来る幻想郷へと体を委ねた。 それは、翠の想像を上回った。 「これが………ゲーム………?」 現実離れした世界観。 でも、確かに感じるのは現実だった。 初めて続きの翠に、少しづつ増える仲間たち。 楽しさを見出した翠は、気付いたらトップランカーのクランで外せない大事な仲間になっていた。 【Anotherfantasia……今となっては、楽しくないなんて絶対言えないや】 翠は、柔らかく笑うのだった。

追放から始まる新婚生活 【追放された2人が出会って結婚したら大陸有数の有名人夫婦になっていきました】

眼鏡の似合う女性の眼鏡が好きなんです
ファンタジー
 役に立たないと言われて、血盟を追放された男性アベル。 同じく役に立たないと言われて、血盟を解雇された女性ルナ。  そんな2人が出会って結婚をする。 【2024年9月9日~9月15日】まで、ホットランキング1位に居座ってしまった作者もビックリの作品。  結婚した事で、役に立たないスキルだと思っていた、家事手伝いと、錬金術師。 実は、トンデモなく便利なスキルでした。  最底辺、大陸商業組合ライセンス所持者から。 一転して、大陸有数の有名人に。 これは、不幸な2人が出会って幸せになっていく物語。 極度の、ざまぁ展開はありません。

転売屋(テンバイヤー)は相場スキルで財を成す

エルリア
ファンタジー
【祝!第17回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞!】 転売屋(テンバイヤー)が異世界に飛ばされたらチートスキルを手にしていた! 元の世界では疎まれていても、こっちの世界なら問題なし。 相場スキルを駆使して目指せ夢のマイショップ! ふとしたことで異世界に飛ばされた中年が、青年となってお金儲けに走ります。 お金は全てを解決する、それはどの世界においても同じ事。 金金金の主人公が、授かった相場スキルで私利私欲の為に稼ぎまくります。

テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。 転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。 こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり 授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。 ◇ ◇ ◇ 本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。 序盤は1話あたりの文字数が少なめですが 全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。

異世界召喚された回復術士のおっさんは勇者パーティから追い出されたので子どもの姿で旅をするそうです

かものはし
ファンタジー
この力は危険だからあまり使わないようにしよう――。 そんな風に考えていたら役立たずのポンコツ扱いされて勇者パーティから追い出された保井武・32歳。 とりあえず腹が減ったので近くの町にいくことにしたがあの勇者パーティにいた自分の顔は割れてたりする? パーティから追い出されたなんて噂されると恥ずかしいし……。そうだ別人になろう。 そんなこんなで始まるキュートな少年の姿をしたおっさんの冒険譚。 目指すは復讐? スローライフ? ……それは誰にも分かりません。 とにかく書きたいことを思いつきで進めるちょっとえっちな珍道中、はじめました。

勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します

華音 楓
ファンタジー
旧題:re:birth 〜勇者じゃないと追放された最強職【何でも屋】は、異世界でチートスキル【DIY】で無双します~ 「役立たずの貴様は、この城から出ていけ!」  国王から殺気を含んだ声で告げられた海人は頷く他なかった。  ある日、異世界に魔王討伐の為に主人公「石立海人」(いしだてかいと)は、勇者として召喚された。  その際に、判明したスキルは、誰にも理解されない【DIY】と【なんでも屋】という隠れ最強職であった。  だが、勇者職を有していなかった主人公は、誰にも理解されることなく勇者ではないという理由で王族を含む全ての城関係者から露骨な侮蔑を受ける事になる。  城に滞在したままでは、命の危険性があった海人は、城から半ば追放される形で王城から追放されることになる。 僅かな金銭で追放された海人は、生活費用を稼ぐ為に冒険者として登録し、生きていくことを余儀なくされた。  この物語は、多くの仲間と出会い、ダンジョンを攻略し、成りあがっていくストーリーである。

外れスキルで異世界版リハビリの先生としてスローライフをしたいです。〜戦闘でも使えるとわかったのでチーム医療でざまぁすることになりました〜

k-ing ★書籍発売中
ファンタジー
 使い方がわからないスキルは外れスキルと言われているこの世界で、俺はスキルのせいで家族に売られて奴隷となった。  そんな奴隷生活でも俺の面倒を見てくれる第二の父親と言える男に出会った。  やっと家族と思える人と出会ったのにその男も俺が住んでいる街の領主に殺されてしまう。  領主に復讐心を抱きながらも、徐々に体力が落ち、気づいた頃に俺は十歳という若さで亡くなった。  しかし、偶然にも外れスキルを知っている男が俺の体に転生したのだ。  これでやっと復讐ができる……。  そう思った矢先、転生者はまさかのスローライフを望んでいた。  外れスキル【理学療法】で本職の理学療法士がスローライフを目指すと、いつのまにか俺の周りには外れスキルが集まっていた。  あれ?  外れスキルって意外にも戦闘で使えちゃう?  スローライフを望んでいる俺が外れスキルの集まり(チーム医療)でざまぁしていく物語だ。 ※ダークファンタジー要素あり ※わずかに医療の話あり ※ 【side:〇〇】は三人称になります 手軽に読めるように1話が短めになっています。 コメント、誤字報告を頂けるととても嬉しいです! 更新時間 8:10頃

筋トレ民が魔法だらけの異世界に転移した結果

kuron
ファンタジー
いつもの様にジムでトレーニングに励む主人公。 自身の記録を更新した直後に目の前が真っ白になる、そして気づいた時には異世界転移していた。 魔法の世界で魔力無しチート無し?己の身体(筋肉)を駆使して異世界を生き残れ!

処理中です...