異世界を服従して征く俺の物語!!

ネコのうた

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- 最終期・全身にて全霊を賭けて -

第268話 デュエル・其之弐

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どよめきが起きているなか、一礼した“トーキーの姫”と“鼠の王”が、退場していく。

北側の[VIP室]から、

「次の試合は、5分後を予定しておる故、暫し歓談するがよい。」

ケルベロスが報せたことによって、“羊の審判”も、一度、去っていった…。


――、聖女が、俺達の所へと戻って来た。

「よくやった。」

そう褒めた俺に、

「恐れ入ります。」

姫殿下が会釈する。

「では、二試合目のかたを控室にご案内しますので、そこで装備をお整えください。」

女性の“半コボルド”が述べたところ、

「了解です。」

勇者が答えたのであった……。


「それでは、各自、入場!」

“犬の王”に促されて、半サソリ・生徒会長・レフェリーが、中心へと向かってゆく。

「東は“ギルタブリルロード”で、西は異世界より召喚されし“勇者”である!!」

ケルベロスが紹介し、観客が拍手で迎える。

“蠍の王”は、下半身がまさにサソリ・・・となっていた。

この部分・・・・は3Mぐらいの長さがありそうだ。

上半身は“人間の女性”となっており、肩あたりまでの髪は白金である。

【アサシン】であるロードは、白銅の額当て・胸当て・籠手といった格好で、左腰に[ダガー短剣]を帯びていた。

さて…。

前の試合と同様に、審判が説明して、各自10歩ずつ離れる。

レフェリーが右手を挙げ、女王が[短剣]を、生徒会長は[中剣]を、鞘から抜いた。

「始めッ!!」

審判が告げるなりダッシュしたのは、ギルタブリルロードだ。

勇者の懐に入ろうとする流れで、体勢を低くした“蠍の王”が、ダガーで喉を刺しにいく。

「!」

反応した生徒会長が、

ガツンッ!!

[小型のカイトシールド]で防いだ。

逆に、勇者が中剣を振り下ろすも、【残影】を使われてしまう。

背後に回っているロードが短剣で斬ろうとしたら、気配を察知した生徒会長が左へのサイドステップで躱したのである。

互いに正面へと向き直したところで、女王が今度は【挑発】を扱った。

勇者がソードを大雑把に払いまくる。

ここで、双方のステータスを確認してみよう。

ギルタブリルロードは、[LV.140/HP:980/MP:560/基本攻撃力:840→武器装備にて50増加の890/基本防御力:910→防具装備にて70増加の980/基本素早さ:1120→各装備によって40減少の1080]となっていた。

生徒会長は、[LV.70/HP:910/MP:875/基本攻撃力:840→オリハルコンの武器にて600増加の1440/基本防御力:770→オリハルコンの防具にて800増加の1570/基本素早さ:630→各装備によって100減少の530]である。

なにはともあれ。

冷静に避け続けた“蠍の王”が、疲れてきた勇者の胸元を、尾の毒針・・で狙う。

しかし、

ガキィーンッ!

全くもって貫通しなかった。

「な!?」

[オリハルコン製]だとは思っていなかったらしいロードが目を丸くする。

そのタイミングで、【挑発】の効果が終わり、

「スラッシュ!!」

生徒会長が剣を突き出して、幅50㎝×長さ5Mで“両外が紫色かつ内側が白色”といった【光線ビーム】を放つ。

「くッ!」

自身の右方向へ逃れようとしたロードではあったが、いささか遅れてしまい、

ズォボッ!!

左肩を貫かれた。

「ぬぐッ!」

女王が痛みで表情を歪めるのと共にバランスを崩す。

この好機に、勇者が【一点集中】を発動する。

それ・・を、ギルタブリルロードが咄嗟にダガーの“腹”で受け止めたものの、

バキィーンッ!!

と、破壊されてしまった。

トータルで600のMPを消費した生徒会長が、【乱れ打ち】を用いるべく、中剣を後ろに引いて構える。

悟ったらしい“蠍の王”は、軽く両腕を広げて、

「降参するわ。」

敗北を宣言したのだった―。
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