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- 第五期・再びの異世界 -
第252話 後手後手
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“マンドリルの教皇”が仰向けで倒れたところで、ゴブリン女王とアンデッドソーサラーが、俺の背後に着地した。
[教皇]を視界に捉えたリッチが、
「ん??」
「魔物か?」
と、不思議がる。
「聞きたい事は、いろいろあるが…、まずは敵を投降させて、戦を終わらせようぞ、お前様。」
ゴブリンロードに勧められて、
「ああ、そうだな。」
頷きはしたものの、
「どうやって??」
「“絶対服従”を使っても構わないのか?」
結局は、首を傾げる俺であった。
「ここに居る敵兵の中で、“念話”なりを扱える者どもに伝えさせれば良かろう。」
魔霊の意見に、
「あぁー、なるほど。」
納得した俺は、〝コホン!〟と咳払いする。
その流れで、
「味方の軍勢に状況を報せて、武器を捨てさせろ!!」
「さもなくば……。」
「皆殺しにするぞッ!!!!」
俺の怒号に押された連中が、慌てふためきながら、敗北した旨を全員に広めっていったのである…。
[東の連合軍]の主だったメンバーが集まった。
【アサシン】の二年生書記などによって、上半身と両手をロープで縛られたマンドリル&騎士が、胡坐座りしている。
ナイトは兜を脱がせており、金髪ショートで青い瞳の男性ということが判明していた。
年齢は40歳ぐらいだろう。
コイツラを【可視化】でチェックしてみたところ、騎士はLV.51の【パラディン】で、マンドリルがLV.133の【魔術師】だと、分かった。
「さて。」
「幾つか質問する前に…、“結界封印”の解除を諦めてもらおうか。」
俺が促したら、
「それは無理じゃ。」
「既に、もう、始まっておるからな。」
「今更、手遅れじゃわ。」
教皇が〝ニヤァ~〟と笑みを浮かべたのである。
こっちの誰もがザワつくなかで、〝スゥー〟と宙に浮いたリッチが、
「確認してくる故、暫し待っておれ。」
そう述べて、“テレポート”したのだった。
数十秒後――。
【瞬間転移】で戻ってきた魔霊が、
「徐々にではあるが、結界の効果が弱まっていっておる。」
深刻そうに語ったのである。
「止める事は出来ねぇのか??」
眉間にシワを寄せて訊ねた俺に、
「答えは、“不可”じゃ。」
「封印を解く方法自体は朕が長年かけて会得した呪術を活用したものであるが……、途中で停止させる手段までは分からん。」
マンドリルが返す。
「“呪術”って、あの…、多数から〝パクリが酷い〟と叩かれながらも、大ヒットしている?」
俺が尋ねたら、左斜め後ろの一年生書記が、
「あれは、作者が“オマージュ”と公表しているので、ギリギリセーフです。」
「ま、完全にアウトの描写もあって、ご本人が謝罪したり訂正していましたが。」
「某ホラーの“うず○き”あたり。」
「しかしですよ、大魔王様。」
「いろんなネタが出尽くしている感がある昨今において、一次創作者の皆さんは常に頭を悩まされているのです。」
「小説であれ、漫画であれ、アニメであれ、実写であれ、ゲームであれ、何であれ。」
「どうにかこうにかアイディアを考えても、面白がって簡単に避難中傷してくる人達というのは、」
論じつつヒートアップしてきたので、
「あー、うん。」
「俺が悪かったから、そこら辺の話しは、いつかまた、暇な時にでも、な。」
迂闊な発言を後悔したのであった。
「で??」
「どういった呪いなんだ?」
改めて疑問を呈したところ、
「……、ま、よかろう。」
「神々の自由が利くようになれば、汝らはどうせ助からんのじゃから、教えてやる。」
このように告げる “マンドリルの教皇”であった―。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
現時点でのワーゴートのリーダー格【魔術士】
LV.55
[HP:330/MP:550/基本攻撃力:248/基本防御力:220/基本素早さ:275]
現時点でのアラクネのリーダー格【ジョブ不明】
LV.60
[HP:420/MP:240/基本攻撃力:360/基本防御力:300/基本素早さ:330]
現時点でのラミアのリーダー格【ジョブ不明】
LV.61
[HP:427/MP:244/基本攻撃力:366/基本防御力:305/基本素早さ:488]
[教皇]を視界に捉えたリッチが、
「ん??」
「魔物か?」
と、不思議がる。
「聞きたい事は、いろいろあるが…、まずは敵を投降させて、戦を終わらせようぞ、お前様。」
ゴブリンロードに勧められて、
「ああ、そうだな。」
頷きはしたものの、
「どうやって??」
「“絶対服従”を使っても構わないのか?」
結局は、首を傾げる俺であった。
「ここに居る敵兵の中で、“念話”なりを扱える者どもに伝えさせれば良かろう。」
魔霊の意見に、
「あぁー、なるほど。」
納得した俺は、〝コホン!〟と咳払いする。
その流れで、
「味方の軍勢に状況を報せて、武器を捨てさせろ!!」
「さもなくば……。」
「皆殺しにするぞッ!!!!」
俺の怒号に押された連中が、慌てふためきながら、敗北した旨を全員に広めっていったのである…。
[東の連合軍]の主だったメンバーが集まった。
【アサシン】の二年生書記などによって、上半身と両手をロープで縛られたマンドリル&騎士が、胡坐座りしている。
ナイトは兜を脱がせており、金髪ショートで青い瞳の男性ということが判明していた。
年齢は40歳ぐらいだろう。
コイツラを【可視化】でチェックしてみたところ、騎士はLV.51の【パラディン】で、マンドリルがLV.133の【魔術師】だと、分かった。
「さて。」
「幾つか質問する前に…、“結界封印”の解除を諦めてもらおうか。」
俺が促したら、
「それは無理じゃ。」
「既に、もう、始まっておるからな。」
「今更、手遅れじゃわ。」
教皇が〝ニヤァ~〟と笑みを浮かべたのである。
こっちの誰もがザワつくなかで、〝スゥー〟と宙に浮いたリッチが、
「確認してくる故、暫し待っておれ。」
そう述べて、“テレポート”したのだった。
数十秒後――。
【瞬間転移】で戻ってきた魔霊が、
「徐々にではあるが、結界の効果が弱まっていっておる。」
深刻そうに語ったのである。
「止める事は出来ねぇのか??」
眉間にシワを寄せて訊ねた俺に、
「答えは、“不可”じゃ。」
「封印を解く方法自体は朕が長年かけて会得した呪術を活用したものであるが……、途中で停止させる手段までは分からん。」
マンドリルが返す。
「“呪術”って、あの…、多数から〝パクリが酷い〟と叩かれながらも、大ヒットしている?」
俺が尋ねたら、左斜め後ろの一年生書記が、
「あれは、作者が“オマージュ”と公表しているので、ギリギリセーフです。」
「ま、完全にアウトの描写もあって、ご本人が謝罪したり訂正していましたが。」
「某ホラーの“うず○き”あたり。」
「しかしですよ、大魔王様。」
「いろんなネタが出尽くしている感がある昨今において、一次創作者の皆さんは常に頭を悩まされているのです。」
「小説であれ、漫画であれ、アニメであれ、実写であれ、ゲームであれ、何であれ。」
「どうにかこうにかアイディアを考えても、面白がって簡単に避難中傷してくる人達というのは、」
論じつつヒートアップしてきたので、
「あー、うん。」
「俺が悪かったから、そこら辺の話しは、いつかまた、暇な時にでも、な。」
迂闊な発言を後悔したのであった。
「で??」
「どういった呪いなんだ?」
改めて疑問を呈したところ、
「……、ま、よかろう。」
「神々の自由が利くようになれば、汝らはどうせ助からんのじゃから、教えてやる。」
このように告げる “マンドリルの教皇”であった―。
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現時点でのワーゴートのリーダー格【魔術士】
LV.55
[HP:330/MP:550/基本攻撃力:248/基本防御力:220/基本素早さ:275]
現時点でのアラクネのリーダー格【ジョブ不明】
LV.60
[HP:420/MP:240/基本攻撃力:360/基本防御力:300/基本素早さ:330]
現時点でのラミアのリーダー格【ジョブ不明】
LV.61
[HP:427/MP:244/基本攻撃力:366/基本防御力:305/基本素早さ:488]
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