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- 第五期・再びの異世界 -

第236話 達観

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翌朝。

自分のテント(ゲル)から外に出たところ、ガーゴイルロードと、その軍勢が整列して、俺の起床を待っていた。

「どうした?」
「何か話しでもあんのか??」

やや寝ぼけ眼の俺が質問したら、[ガーゴイルの王]が片膝を地に着き、家臣たちもこれにならって〝ザザァ―ッ!!〟と跪いたのである。

「なんの真似だ?」

俺が不思議がっていたところ、

「ここ数日、考えた結果、大魔王様に忠誠を誓う事にしました。」
「今後は貴方さまの手足となりて働く所存にございます。」
「代わりに、我が国が危機に見舞われたときには庇護されたし。」

ガーゴイルロードが頭を下げた。

「俺は別に構わねぇが…、本当にいいのか??」

少なからず躊躇していたところ、[鳥の王]に、

「我々は、まず、“邪悪なる神々”の封印が解かれるのを阻止せねばならん。」
「最悪、“結界封印”が解除されてしまったなら、邪神どもとの死闘に突入してしまうに違いない。」
「どちらにせよ、戦力は多いに越したことはない故、有り難く受け入れておくが良かろう。」

このように説得されたのである。

「確かに、な。」
「……。」
「よし!」

納得した俺は、背中に翼を出現させ、国境の真上20M程の位置に浮いていった。

その流れで、西に向かって、

「“ガーゴイルの国”に住まう者は、みな、俺に服従せよ!!」

【絶対服従】を発動したのである。

ま、[ガーゴイルの王]や、幹部の数名は、俺よりもレベルが高いので、効いていないが…。

いずれにしろ、【伝言】にて、

『ガーゴイルとダークエルフの各国で生活している全ての者は、これまで通り、それぞれのロードに指示を仰げ!』
『ただし、王や女王に幹部どもが、俺に対して反旗を翻そうとした場合は、ただちに報せよ!!』

こう命令したのであった。


ダークエルフ軍が【瞬間転移】で撤退した後に、[西の大陸]のドワーフ国主が、

「ゴーレムなどの製造に必要な数の魔石を採取するのに、どれくらい掛かりますかな?」

アンデッドソーサラーに尋ねた。

「大量の魔力を注いだ際に器たる魔石が壊れずに耐えうるかを審査しながらになるからのう……。」

顎に左手を当て、暫し考え込んだリッチが、

「4~5日といったところじゃろうな。」

そのように答えたのである。

「では、我々は、一旦、帰国して、トーキー王国に出向させる職人を揃えておくとしよう。」

西陸さいりくにおける[小人族の長]が部下を促し、

「と、いう事で……、これにて失礼させていただく。」
「後日、補佐官に“念話”で連絡させるので、よろしく頼む。」

俺たちに告げ、【魔術士】によって地元へと“転移”した。

これに続き、

「ならば、こちらも、自国に戻り、派遣の準備を整えよう。」

東陸とうりくのドワーフ国主が述べ、随行していた【魔女ウィッチ】によって[テレポート]したのである。

更には、

「じゃあ、オレ達も、これで。」

バードロードと、

「いずれまた、お会いしましょう、大魔王様。」

スライム女王も、家臣によって【瞬間転移】した。

それからガーゴイル軍が解散し、残ったメンバーは“鉱山”と赴いたのである。

外務大臣に[テレポーテーション]してもらって……。


ガーゴイル国の東方領土には、避難民たちが戻ってきている。

また、自身を【石化】していたガーゴイル達は、これを解いたようだ。

俺らは、そんな東方領土に在る山に来ていた。

ここの五合目に、割と大きな洞穴ほらあなが見受けられる。

一緒に訪れた[ガーゴイルの王]によれば、その内部に幾つもの魔石が眠っているとの事であった―。
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