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- 第五期・再びの異世界 -
第235話 要談
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「ぐふッ!」
体が“くの字”に曲がったダークエルフロードが、右膝を地に着いて、
「がはッ!!」
口から血を吐く。
女王は、[氷岩の戦斧]を杖代わりにして、立ち上がろうとするも、力が入らず、難しいようだ。
そんなダークエルフロードを見下ろしながら、
「すまねぇな。」
「〝弱い者イジメをしているみたい〟になっちまって。」
俺が述べたところ、
「ぐぬぅ~ッ!」
歯を食いしばりつつ、睨んできたのである。
この流れで、女王の4~5M後方に控えている“四将軍のNO.1&NO.3”が、
「おのれッ!!」
「かくなるうえは!」
ほぼ同時に、鞘から武器を抜く。
それを察してか、
「待て。」
「束になったとて敵う相手ではない。」
「止めておけ。」
ダークエルフロードが制した。
これによって、
「……、かしこまりました。」
「陛下の御命令とあらば。」
二人の将軍が引き下がる。
ちなみに、片方は【騎士】みたいだ。
事態が落ち着いたタイミングで、
「大魔王よ、そなたに頼みがある。」
「妾の命であればくれてやる故、この国に住まう者たちは生かしてやってくれ。」
女王が乞う。
「あん?」
「別に誰も殺しやしねぇよ。」
「お前も含めてな。」
「ただ、まぁ、保険はかけさせてもらうぞ。」
そう告げた俺は、ダークエルフロードに対して【チャーム】を発動したのである…。
“西の大陸”におけるドワーフ国主補佐官が、自身の[アイテムBOX]から木製かつ正方形のテーブルと4脚の椅子を取り出した。
東側:ダークエルフの女王/西側:ガーゴイルの王/南側:小人族の長(西陸)/北側:俺、と着席し、これを主だった面子が囲んでいく。
なお、ダークエルフロードは[HP回復ハイポーション]を用いて、既に傷を癒し終えている。
俺は、【初期形態】に戻り、改めて衣服を着ていた。
さて。
俺達は、ガーゴイル国とダークエルフ国を和睦させるため、話し合っていく。
その際に、“中央の大陸”に施されている[結界封印]が解除されないよう阻止する件や、これが失敗した場合は邪神どもとの戦闘になるであろう事など、今後の方針を伝えていった。
ダークエルフの女王は、当初、“邪悪なる神々”の復活を喜んでいたので、それらの議題に少なからず渋っていたが、俺の説得によって承諾したのである。
俺に敗北を喫したというのもあれば、チャームの影響もあるのだろう。
大きくは反発しなかった。
なにはともあれ、西陸のドワーフ国主を立会人として、ガーゴイルとダークエルフの間で停戦が結ばれたのだ。
「では、これより、宴を催すとするかのッ。」
「同じ釜の飯を食い、酒を酌み交わして、各国の友好を深めようぞ!!」
“西の大陸”における[小人族の長]の提案によって、至る所にテント(ゲル)が張られていくのと共に、料理が開始されたのである。
「じゃあ、うちらは、食事の準備が整うまで、じっくり語らうとしようぜ。」
「お前が裏切らないように、いろいろと覚えさせておくべきだしな。」
ダークエルフロードのテントに入り、ハッスルしていく俺たちだった……。
およそ二時間後。
宴会となった。
アンデッドソーサラーが、トーキーの賢者を、【瞬間転移】で連れて来たらしく、輪に加わっている。
余談だが、[ダークエルフの女王]は、ゴブリンロードに負けず劣らず絶倫であった。
ま、コッチでも俺が勝利を収めたが…。
この結果、ダークエルフロードが、俺のことを[卓越せし御方]と呼ぶようになったのである。
あと、俺は“LV.128”になっていた。
どうやら、女王を倒した時にレベルアップしたようだ。
そんなこんなで、宴会が盛り上がるなか、日が暮れていくのだった―。
体が“くの字”に曲がったダークエルフロードが、右膝を地に着いて、
「がはッ!!」
口から血を吐く。
女王は、[氷岩の戦斧]を杖代わりにして、立ち上がろうとするも、力が入らず、難しいようだ。
そんなダークエルフロードを見下ろしながら、
「すまねぇな。」
「〝弱い者イジメをしているみたい〟になっちまって。」
俺が述べたところ、
「ぐぬぅ~ッ!」
歯を食いしばりつつ、睨んできたのである。
この流れで、女王の4~5M後方に控えている“四将軍のNO.1&NO.3”が、
「おのれッ!!」
「かくなるうえは!」
ほぼ同時に、鞘から武器を抜く。
それを察してか、
「待て。」
「束になったとて敵う相手ではない。」
「止めておけ。」
ダークエルフロードが制した。
これによって、
「……、かしこまりました。」
「陛下の御命令とあらば。」
二人の将軍が引き下がる。
ちなみに、片方は【騎士】みたいだ。
事態が落ち着いたタイミングで、
「大魔王よ、そなたに頼みがある。」
「妾の命であればくれてやる故、この国に住まう者たちは生かしてやってくれ。」
女王が乞う。
「あん?」
「別に誰も殺しやしねぇよ。」
「お前も含めてな。」
「ただ、まぁ、保険はかけさせてもらうぞ。」
そう告げた俺は、ダークエルフロードに対して【チャーム】を発動したのである…。
“西の大陸”におけるドワーフ国主補佐官が、自身の[アイテムBOX]から木製かつ正方形のテーブルと4脚の椅子を取り出した。
東側:ダークエルフの女王/西側:ガーゴイルの王/南側:小人族の長(西陸)/北側:俺、と着席し、これを主だった面子が囲んでいく。
なお、ダークエルフロードは[HP回復ハイポーション]を用いて、既に傷を癒し終えている。
俺は、【初期形態】に戻り、改めて衣服を着ていた。
さて。
俺達は、ガーゴイル国とダークエルフ国を和睦させるため、話し合っていく。
その際に、“中央の大陸”に施されている[結界封印]が解除されないよう阻止する件や、これが失敗した場合は邪神どもとの戦闘になるであろう事など、今後の方針を伝えていった。
ダークエルフの女王は、当初、“邪悪なる神々”の復活を喜んでいたので、それらの議題に少なからず渋っていたが、俺の説得によって承諾したのである。
俺に敗北を喫したというのもあれば、チャームの影響もあるのだろう。
大きくは反発しなかった。
なにはともあれ、西陸のドワーフ国主を立会人として、ガーゴイルとダークエルフの間で停戦が結ばれたのだ。
「では、これより、宴を催すとするかのッ。」
「同じ釜の飯を食い、酒を酌み交わして、各国の友好を深めようぞ!!」
“西の大陸”における[小人族の長]の提案によって、至る所にテント(ゲル)が張られていくのと共に、料理が開始されたのである。
「じゃあ、うちらは、食事の準備が整うまで、じっくり語らうとしようぜ。」
「お前が裏切らないように、いろいろと覚えさせておくべきだしな。」
ダークエルフロードのテントに入り、ハッスルしていく俺たちだった……。
およそ二時間後。
宴会となった。
アンデッドソーサラーが、トーキーの賢者を、【瞬間転移】で連れて来たらしく、輪に加わっている。
余談だが、[ダークエルフの女王]は、ゴブリンロードに負けず劣らず絶倫であった。
ま、コッチでも俺が勝利を収めたが…。
この結果、ダークエルフロードが、俺のことを[卓越せし御方]と呼ぶようになったのである。
あと、俺は“LV.128”になっていた。
どうやら、女王を倒した時にレベルアップしたようだ。
そんなこんなで、宴会が盛り上がるなか、日が暮れていくのだった―。
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