異世界を服従して征く俺の物語!!

ネコのうた

文字の大きさ
上 下
234 / 350
- 第五期・再びの異世界 -

第234話 真骨頂

しおりを挟む
 [アイテムBOX]から“マント”を取り出した俺は、

『悪ぃが、二人ぐらい、両端を持っていてくれ。』

【伝言】で頼んだのである。

すかさず、一年と二年の生徒会書記が、後方から走ってきた。

【クレリックランサー】は右側を、【アサシン】が左側を、〝ピンッ〟と引っ張って、俺の下半身を隠す。

この状態で、[常闇とこやみつるぎ]と[アイテムBOX]を地面に置いた俺が、脱ぎだしたところ、

「何をしておる?!」

[ダークエルフ女王]が眉間にシワを寄せたのである。

「ん?」
「準備だよ、“最終形態”になるための。」

そう述べた俺に、

「まさか、お前の“形態変化”とは、裸になる事じゃあるまいな??」
「だとすればきょうざめじゃ!!」

怒り混じりに返す。

この間にも衣服を脱いでいきつつ、

「まぁ、楽しみにしてろ。」
「すぐに後悔させてやっからよ。」

笑みを浮かべた俺は、

「あー、そっちのダークエルフ軍は、姿勢を戻していいぞ。」

跪いていた連中を立たせてあげた。

そうこうするうちに、素っ裸になった俺は、マントを腰に巻いて、

「最終形態に変更。」

と、唱えたのである。

これによって、〝カッ!〟と光った俺の全身が、あの姿・・・になった。

「ほぉう。」
「なかなか勇ましいのぉ。」
「…、見掛け倒しでなければよいが。」

余裕そうな女王に、向こうのアサシンが再び耳打ちしたら、

「なッ!?」
「それほどまでにか??!」

驚愕したのである。

全ステータスの数値が跳ね上がったのを知ったのだろう。

「今のうちに降参すんなら許してやっけど?」

俺が提案したところ、

「だ、誰が、闘わずして敗北を認めようものか!」

自身の[アイテムBOX]から武器を出したダークエルフロードが、

「何がなんでも勝ってみせるわッ!!」

そのように宣言した。

ちなみに、女王が右手に持っているのは[バトルアックス戦斧]である。

“鉄の柄”の長さは1.5Mくらいだろう。

両刃の斧であり、柄の先端には“槍の穂”が付属していた。

なお、三点ともに銀製であり、模様が刻まれているみたいだ。

「じゃあ、ひと勝負といくか。」

呟いた俺は、ダークエルフロードへと歩いていく。

互いの距離は50Mといったところであろう。

「む?!」
「貴様、得物えものは??」
「用いらんのか?」

軽く睨み付けてきた女王に、

「お前を倒すのに使うまでもねぇだろ。」

こう答えたら、

「貴っ様ぁ~、ふざけるなぁあッ!!!!」

ブチギレて、バトルアックスを下から上へと振るったのである。

すると、[氷]が波のように迫ってきた。

例えるならば、“僕のヒー○ーアカ○ミア”における[轟○凍]の“穿天○壁”みたいな感じだ。

俺の印象であって、そっくりではないが。

なにはともあれ。

足を止めた俺は、突き出した右のてのひらから直径5Mの魔法陣を構築し、これ・・と同じ大きさの[火群ほむら]を発射したのだ。

500ポイントのMPを消費した[炎]にて、〝ゴオオオオッ!〟と氷が溶かされていったのである。

「ぐぬぅ~ッ。」

〝ギリィッ〟と歯ぎしりしたダークエルフロードに、

「“伝導”か??」
「“一部のエルフ”や“LV.100に達した魔法剣士”が扱う。」

そう訊いてみたら、

「否!!」
「アーティファクト、“氷岩ひょうがん戦斧せんき”だ!」

との事だった。

「へぇー。」

俺が少なからず興味を示していたところ、

「隙ありぃッ!!」

女王が、バトルアックスを左から右へと払ったのである。

これと同時に、長さ5M×最大幅2.5Mで[歪なクリスタル形の氷]が〝ビュオッ!〟と飛んできた。

口を〝あんぐり〟と開けた俺は、最小直径4㎝×最大直径2Mといった【闇光線のドラゴンブレス】を放つ。

外側が紫色かつ内側は黒色の[ビーム]が、〝ドッゴォオ――ン!!〟と氷を粉砕する。

「なっ、あ……。」

ダークエルフロードを筆頭に、あっちの陣営が目を丸くするなか、俺は10㎝ほど宙に浮き、

「終わりにしてやんよ。」

そのように告げた流れで、〝ビュン!〟と飛行していく。

かなりのスピードに対応できず無防備になっている女王の腹部に、左の膝蹴りを〝ドンッ!!〟と当てる俺であった。

いささか手加減してやって―。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

魔法の数はステータス!? 転移した先は女性ばかりが魔法を使う世界!

三原みぱぱ
ファンタジー
ある日、剣と魔法のファンタジー世界に放り込まれた竜ヶ峰清人(リュウガミネ キヨト)。 美少女レイティアが嫁として現れる。 しかし、そんな甘い事ばかりではない。 強力な魔法が使えるのは女性のみ! 使える魔法の数がステータス(社会的地位)となる女性が強い世界。 男は守られるべき存在のこの世界で、魔法も剣も使えない主人公。   モンスターと戦えば足手まといと怒られ、街中で暴漢を止めようとするとぼこぼこにされる。 そんな俺Yoeee主人公は、金髪美少女のレイティアに恋人として認められるのか? 師匠である剣豪ムサシマル助けられながら、恋のライバル、アレックスやソフィアを交えて進む、ラブコメファンタジー! 感想、心よりお待ちしております。 完結しました! ノベルアッププラスで「ゼロの転移者」としてリニューアル連載していますよ。

筋トレ民が魔法だらけの異世界に転移した結果

kuron
ファンタジー
いつもの様にジムでトレーニングに励む主人公。 自身の記録を更新した直後に目の前が真っ白になる、そして気づいた時には異世界転移していた。 魔法の世界で魔力無しチート無し?己の身体(筋肉)を駆使して異世界を生き残れ!

【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。 剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。 しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。 休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう… そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。 ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。 その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。 それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく…… ※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。 ホットランキング最高位2位でした。 カクヨムにも別シナリオで掲載。

異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!

夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。 ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。 そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。 視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。 二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。 *カクヨムでも先行更新しております。

【完結】ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-

ジェルミ
ファンタジー
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 その条件として女神に『面白楽しく生活でき、苦労をせずお金を稼いで生きていくスキルがほしい』と無理難題を言うのだった。 困った女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。 この味気ない世界を、創生魔法とカスタマイズ可能なストレージを使い、美味しくなる調味料や料理を作り世界を変えて行く。 はい、ご注文は? 調味料、それとも武器ですか? カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく。 村を開拓し仲間を集め国を巻き込む産業を起こす。 いずれは世界へ通じる道を繋げるために。 ※本作はカクヨム様にも掲載しております。

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

【完結】蓬莱の鏡〜若返ったおっさんが異世界転移して狐人に救われてから色々とありまして〜

月城 亜希人
ファンタジー
二〇二一年初夏六月末早朝。 蝉の声で目覚めたカガミ・ユーゴは加齢で衰えた体の痛みに苦しみながら瞼を上げる。待っていたのは虚構のような現実。 呼吸をする度にコポコポとまるで水中にいるかのような泡が生じ、天井へと向かっていく。 泡を追って視線を上げた先には水面らしきものがあった。 ユーゴは逡巡しながらも水面に手を伸ばすのだが――。 おっさん若返り異世界ファンタジーです。

処理中です...