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- 第五期・再びの異世界 -

第219話 艇内にて

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各国の兵士らを個室で待機させ、主要メンバーは、アンティークなソファやテーブルが何個か常設されている[特等広間]に集まっていた。

ファンタジーが好きな“一年生書記”に“三年の留学生”などの意見が反映されているため、モロにRPGの世界観だ。

ちなみに、インテリアは、床や壁に固定されている。

発着陸や、乱気流の影響で、動いたり倒れたりしないように。

そんな大きめの部屋で、

「なぁ?」
「あっちのドワーフ国には“瞬間転移”できねぇのか??」
「中央の大陸に施されていた“埋没封印”が解けたとき、いろんな国々に偵察を送り込んだんだろ?」

俺が、誰ともなく訊いてみたところ、

「西陸のドワーフ国には、“瞬間転移”を収得している者は潜入していなかったようです。」
「その東隣の国に赴いた班には含まれていたそうですが…。」

トーキーの賢者が答えた。

「じゃあ、その国に“転移”してから、ドワーフ国を目指したほうが早いんじゃ?」

俺の疑問に、こっちの[小人族の国主補佐官]が、

「ええ、確かに、そうですけども……。」
「この“飛行艇”を、あちらのドワーフ達に見せておきたいのです。」
「事前にお知らせしたように、わたくしどもの種族は〝珍しいものや新しいものが好き〟なので、これ・・にも興味を示すでしょう。」
「特に大工などの“職人”たちが。」
「ですので…、むこうの好奇心をくすぐることが出来れば、交渉がし易くなる筈です。」

述べる流れで、

「ま、〝これも戦略〟って訳だよ、大魔王殿。」

上司にあたる[国主]が補足したのである。

「は~ん、成程な。」

俺が納得したタイミングで、客室乗務員キャビンアテンダントが現れ、会釈しながら、

「当機は、間もなく、目的地へと出航いたします。」
「どなた様も、離陸の際には、ご注意くださいませ。」

このように告げて、去っていった。

一人掛け用のソファに座っている俺が、

「何日ぐらいで到着するんだ??」

賢者に尋ねてみたところ、

「〝回りで二週間ぐらい〟みたいですなぁ。」

と、返ってきたのである。

「ん?!」
「“西”じゃなく?」

首を傾げる俺に、

「あっちのドワーフ国は、大陸の“北西端”に存在しておるようじゃ。」
「トーキー王国との位置的に、東に航路をとったほうが、距離としては近い。」
「西へ進んでいくと“一月半ひとつきはん”の日数が必要になるじゃろう。」

アンデッドソーサラーが説明した。

「そう、か。」

俺が一応に理解したところで、飛行艇が浮上していく。

「普段は自分の翼で空を飛んでおる故、なんとも不思議な感覚だな。」

そう述べたのはガルーダであった。

バード家臣団を代表して、唯一、“鳥の王”の傍に控えている[進化系グリフォン]が、

「同意見でございます。」

深く頷いたようだ。

かくして、“もう一つのドワーフ国”へと旅立つ俺達だった―。
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