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- 第五期・再びの異世界 -

第215話 俺達の円卓会議・其之伍

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「“準備”って?」
「例えば??」

俺が質問したところ、

「まず、“魔銃《マガン》”を超える科学兵器の生産じゃな。」
「それと……、お前さんがたが、いつぞや運んできたという“ゴーレムの残骸”で、武器や防具を作る。」
「同時に、ゴーレムそのものを復活させるのもよかろう。」
「なかでも、アダマンタイト・オリハルコン・ミスリルあたりは、屈強じゃろうからな。」
「ま、これらは、〝もしも、邪神どもの封印が解かれた場合に備えて〟ではあるのじゃが…、早期に整えられるのであれば、キートフ国などと戦になった際に、儂らが有利になっていくので、それに越した事はない。」

アンデッドソーサラーが答えた。

「ゴーレムを造り直せるのか?!」

驚く俺に、

「儂や、トーキーの賢者に、魔人族であったり、エルフとドワーフが、力を合わせれば可能じゃ。」
「しかし……、特に優れた魔石が無ければ、失敗に終わるじゃろう。」

再びリッチが述べる。

一年生書記が、

「その魔石は、簡単に入手できるんですか?」

このように伺ったら、

「西の大陸に在る“もう1つのドワーフ国”であれば、幾つかの貴重な魔石を所持しているだろう。」
「あの大陸の北部は、採石場が豊富らしいからなぁ。」

[小人族の長]が返す流れで、

「なんでも、我々の祖先は、“神々の争い”が終結した後に、東と西に分かれたらしい。」

と、補足した。

それを聞いていた賢者が、

「確か、“エルフの国”も、二つありますな。」

[森人族の長]に視線を送る。

これを受けて、

「ええ。」
「やはり、ドワーフ族と同じ頃のようですが…、わたくしどもは、東と“南”でございます。」
「ちなみに、こちらが本家で、あちらは分家だそうです。」
「他には、西の大陸に“ダークエルフの国”が存在しております。」

[エルフの国主]が説明した。

〝へぇー〟と頷いた俺が、

「なぁ??」
「今回の件がどうなるのか、未来を予知しちゃいねぇのか?」

彼女に訊ねてみたところ、

「私が見たのは、“限りなき御方おかた”と皆さんが、こちらの世界に戻ってきていない状況での様子でしたので……。」
「改めて召喚されたとなれば、これから変わっていくでしょうけれども、現時点では…。」

首を横に振ったのである。

「んー、……、じゃあ、とりあえず、“西のドワーフ国”に行って、話してみるか。」

俺が提案してみたら、

「ならば、遠縁とおえんにあたる儂らが、赴くとしよう。」

東の[小人族の長]が進んで請け負ってくれた。

それに対して、[ドワーフの国主補佐官]が、

「ですが…、仮に、交渉が決裂してしまったら、戦闘に陥るかもしれませんよ。」
「最悪、殺害されてしまうか、運が良くても捕縛され、人質として扱われるのでは??」
「まぁ、あちらの一族が、この大連合の事や、“たくましき御方”に関して、〝どのような印象を抱いているか〟によりますけど……。」
「それでも、私たちだけで訪問するのは、いささか危険でしょう。」

冷静に分析したのである。

参加している面子の多くが〝う~む〟といった感じで考え込んでいくなか、ここまで黙していたトーキー王に、

「では、そのような事態を想定し、護衛を兼ねた数十名の代表者を選ぶとして…、先に、お昼にしませんか?」
「誰もが空腹になっているでしょうから。」

と促された。

かくして、会議は、一旦、お開きとなったのである―。
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