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- 第五期・再びの異世界 -

第209話 近況

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ひざまずいていた面子が〝スッ〟と立ち上がる流れで、

「それでは、主だった方々は“第一大広間”へ、それ以外は、第二、第三、第四の、大広間で、自由におくつろぎくだされ。」

トーキーの国王が伝えた。

「そういや、リヴァイアサンは来てねぇのか?」

俺の疑問に、森人族の長が、

「“水の王”は、身体からだが長すぎるため〝人間の城に入るのは無理〟との理由で、今回は遠慮なされました。」

と、答える。

「なるほど。」

納得した俺は、

「じゃ、行くとすっか。」

全員に告げたのであった。


[第一大広間]には、本来、幾つかの長テーブルが置かれていたのだが、それらは一つ残らず片付けられている。

代わりに、かなりビッグサイズの“ラウンドテーブル円卓”が、部屋の中央に設けられていた。

「これは??」

俺が首を傾げたところ、

「トーキーの王陛下より発注を受けて、我らドワーフの職人が作った物だ。」
「分割して“アイテムBOX”に収納しておいたのを、つい先ほど、こっちで組み立てておいた。」

小人族の長が説明してくれたのである。

「さぁ、どうぞ、おかけください。」

トーキー王に促された俺が、椅子に座った。

それにならい、みなも着席していく。

各代表の後ろには、数人の従者たちが起立したまま待機している。

例えば、俺の左隣に腰掛けたダークロードの背後には、サキュバスとインキュバスが二人ずつ佇んでいた。

女魔王の左方には、トーキー国王、姫殿下、賢者、といった順で座っており、彼らの後ろに、トーキーの宰相と三将軍に女魔法剣士が直立している。

こんな感じで、ロード達や、国主らに、ミノタウロス元帥の、背後にも、何名かの配下の者たちが見受けられた。

「ん?」
「お前たちは、女王に従う事にでもなったのか??」

ほぼ“7時の方向”の、[魔人の女王]の後ろに居る姉妹に訊ねてみたところ、

「覇王様がたが、お帰りになられたのち、地元に戻りまして…。」
「現在は、魔法と科学の融合など、得た知識を用いて、祖国の発展に貢献すべく努めております。」

姉が返したのである。

更には、

「ちなみに、私どもの大叔父は、数日前に処刑されました。」
「その説は、ご迷惑をお掛けして、申し訳ございません。」
「お力添え、ありがとうございました。」

妹が教えてくれて、魔人達が揃って会釈した。

「そっか……。」
「他の連中は?」
「変わりないか??」

周りに確認してみたら、元帥が、

「それで言いますと、我らは、“旧ゴーレムのダンジョン”で生活しております。」

と報告してきたのである。

「そうなのか?」

少し驚く俺に、ミノタウロスの後ろに控えるジャイアントアント参謀役が、

「はい。」
「およそ二千体が、移住いたしました。」

そのように述べた。

トロールは、

「いささか不便な点もございましたので、ドワーフ族が改築してくれました。」
「それによって、快適に暮らせるようになったのです。」

嬉しそうにしている。

これら以外には…、トーキーの賢者によれば、王都の中央広場に、公共の銭湯を造って、一般開放していたり、東と北の大陸や、魔人の島国にて、[魔道機関車]と[飛行艇]の建設がスタートしているとの情報だった。

「ふむ。」
「この三ヶ月で、いろんな動きがあったみたいだな。」
「……、さて、と。」
「またしても俺たちを召喚した理由を、聞くとしようか。」

本題へと話しを進めようとしたところ、

「お待ちください!!」
「その前に、覇王様に伺っておきたい事がございます!」

俺の右隣に着席している生徒会長こと“勇者”が、睨み付けてきたのである―。
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