209 / 350
- 第五期・再びの異世界 -
第209話 近況
しおりを挟む
跪いていた面子が〝スッ〟と立ち上がる流れで、
「それでは、主だった方々は“第一大広間”へ、それ以外は、第二、第三、第四の、大広間で、自由におくつろぎくだされ。」
トーキーの国王が伝えた。
「そういや、リヴァイアサンは来てねぇのか?」
俺の疑問に、森人族の長が、
「“水の王”は、身体が長すぎるため〝人間の城に入るのは無理〟との理由で、今回は遠慮なされました。」
と、答える。
「なるほど。」
納得した俺は、
「じゃ、行くとすっか。」
全員に告げたのであった。
[第一大広間]には、本来、幾つかの長テーブルが置かれていたのだが、それらは一つ残らず片付けられている。
代わりに、かなりビッグサイズの“ラウンドテーブル”が、部屋の中央に設けられていた。
「これは??」
俺が首を傾げたところ、
「トーキーの王陛下より発注を受けて、我らドワーフの職人が作った物だ。」
「分割して“アイテムBOX”に収納しておいたのを、つい先ほど、こっちで組み立てておいた。」
小人族の長が説明してくれたのである。
「さぁ、どうぞ、おかけください。」
トーキー王に促された俺が、椅子に座った。
それに倣い、皆も着席していく。
各代表の後ろには、数人の従者たちが起立したまま待機している。
例えば、俺の左隣に腰掛けたダークロードの背後には、サキュバスとインキュバスが二人ずつ佇んでいた。
女魔王の左方には、トーキー国王、姫殿下、賢者、といった順で座っており、彼らの後ろに、トーキーの宰相と三将軍に女魔法剣士が直立している。
こんな感じで、ロード達や、国主らに、ミノタウロス元帥の、背後にも、何名かの配下の者たちが見受けられた。
「ん?」
「お前たちは、女王に従う事にでもなったのか??」
ほぼ“7時の方向”の、[魔人の女王]の後ろに居る姉妹に訊ねてみたところ、
「覇王様がたが、お帰りになられた後、地元に戻りまして…。」
「現在は、魔法と科学の融合など、得た知識を用いて、祖国の発展に貢献すべく努めております。」
姉が返したのである。
更には、
「ちなみに、私どもの大叔父は、数日前に処刑されました。」
「その説は、ご迷惑をお掛けして、申し訳ございません。」
「お力添え、ありがとうございました。」
妹が教えてくれて、魔人達が揃って会釈した。
「そっか……。」
「他の連中は?」
「変わりないか??」
周りに確認してみたら、元帥が、
「それで言いますと、我らは、“旧ゴーレムのダンジョン”で生活しております。」
と報告してきたのである。
「そうなのか?」
少し驚く俺に、ミノタウロスの後ろに控えるジャイアントアント参謀役が、
「はい。」
「およそ二千体が、移住いたしました。」
そのように述べた。
トロールは、
「いささか不便な点もございましたので、ドワーフ族が改築してくれました。」
「それによって、快適に暮らせるようになったのです。」
嬉しそうにしている。
これら以外には…、トーキーの賢者によれば、王都の中央広場に、公共の銭湯を造って、一般開放していたり、東と北の大陸や、魔人の島国にて、[魔道機関車]と[飛行艇]の建設がスタートしているとの情報だった。
「ふむ。」
「この三ヶ月で、いろんな動きがあったみたいだな。」
「……、さて、と。」
「またしても俺たちを召喚した理由を、聞くとしようか。」
本題へと話しを進めようとしたところ、
「お待ちください!!」
「その前に、覇王様に伺っておきたい事がございます!」
俺の右隣に着席している生徒会長こと“勇者”が、睨み付けてきたのである―。
「それでは、主だった方々は“第一大広間”へ、それ以外は、第二、第三、第四の、大広間で、自由におくつろぎくだされ。」
トーキーの国王が伝えた。
「そういや、リヴァイアサンは来てねぇのか?」
俺の疑問に、森人族の長が、
「“水の王”は、身体が長すぎるため〝人間の城に入るのは無理〟との理由で、今回は遠慮なされました。」
と、答える。
「なるほど。」
納得した俺は、
「じゃ、行くとすっか。」
全員に告げたのであった。
[第一大広間]には、本来、幾つかの長テーブルが置かれていたのだが、それらは一つ残らず片付けられている。
代わりに、かなりビッグサイズの“ラウンドテーブル”が、部屋の中央に設けられていた。
「これは??」
俺が首を傾げたところ、
「トーキーの王陛下より発注を受けて、我らドワーフの職人が作った物だ。」
「分割して“アイテムBOX”に収納しておいたのを、つい先ほど、こっちで組み立てておいた。」
小人族の長が説明してくれたのである。
「さぁ、どうぞ、おかけください。」
トーキー王に促された俺が、椅子に座った。
それに倣い、皆も着席していく。
各代表の後ろには、数人の従者たちが起立したまま待機している。
例えば、俺の左隣に腰掛けたダークロードの背後には、サキュバスとインキュバスが二人ずつ佇んでいた。
女魔王の左方には、トーキー国王、姫殿下、賢者、といった順で座っており、彼らの後ろに、トーキーの宰相と三将軍に女魔法剣士が直立している。
こんな感じで、ロード達や、国主らに、ミノタウロス元帥の、背後にも、何名かの配下の者たちが見受けられた。
「ん?」
「お前たちは、女王に従う事にでもなったのか??」
ほぼ“7時の方向”の、[魔人の女王]の後ろに居る姉妹に訊ねてみたところ、
「覇王様がたが、お帰りになられた後、地元に戻りまして…。」
「現在は、魔法と科学の融合など、得た知識を用いて、祖国の発展に貢献すべく努めております。」
姉が返したのである。
更には、
「ちなみに、私どもの大叔父は、数日前に処刑されました。」
「その説は、ご迷惑をお掛けして、申し訳ございません。」
「お力添え、ありがとうございました。」
妹が教えてくれて、魔人達が揃って会釈した。
「そっか……。」
「他の連中は?」
「変わりないか??」
周りに確認してみたら、元帥が、
「それで言いますと、我らは、“旧ゴーレムのダンジョン”で生活しております。」
と報告してきたのである。
「そうなのか?」
少し驚く俺に、ミノタウロスの後ろに控えるジャイアントアント参謀役が、
「はい。」
「およそ二千体が、移住いたしました。」
そのように述べた。
トロールは、
「いささか不便な点もございましたので、ドワーフ族が改築してくれました。」
「それによって、快適に暮らせるようになったのです。」
嬉しそうにしている。
これら以外には…、トーキーの賢者によれば、王都の中央広場に、公共の銭湯を造って、一般開放していたり、東と北の大陸や、魔人の島国にて、[魔道機関車]と[飛行艇]の建設がスタートしているとの情報だった。
「ふむ。」
「この三ヶ月で、いろんな動きがあったみたいだな。」
「……、さて、と。」
「またしても俺たちを召喚した理由を、聞くとしようか。」
本題へと話しを進めようとしたところ、
「お待ちください!!」
「その前に、覇王様に伺っておきたい事がございます!」
俺の右隣に着席している生徒会長こと“勇者”が、睨み付けてきたのである―。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
転生したアラサーオタク女子はチートなPCと通販で異世界でもオタ活します!
ねこ専
ファンタジー
【序盤は説明が多いので進みがゆっくりです】
※プロローグを読むのがめんどくさい人は飛ばしてもらっても大丈夫です。
テンプレ展開でチートをもらって異世界に転生したアラサーオタクOLのリリー。
現代日本と全然違う環境の異世界だからオタ活なんて出来ないと思いきや、神様にもらったチートな「異世界PC」のおかげでオタ活し放題!
日本の商品は通販で買えるし、インターネットでアニメも漫画も見られる…!
彼女は異世界で金髪青目の美少女に生まれ変わり、最高なオタ活を満喫するのであった。
そんなリリーの布教?のかいあって、異世界には日本の商品とオタク文化が広まっていくとかいかないとか…。
※初投稿なので優しい目で見て下さい。
※序盤は説明多めなのでオタ活は後からです。
※誤字脱字の報告大歓迎です。
まったり更新していけたらと思います!
せっかく異世界に転生できたんだから、急いで生きる必要なんてないよね?ー明日も俺はスローなライフを謳歌したいー
ジミー凌我
ファンタジー
日夜仕事に追われ続ける日常を毎日毎日繰り返していた。
仕事仕事の毎日、明日も明後日も仕事を積みたくないと生き急いでいた。
そんな俺はいつしか過労で倒れてしまった。
そのまま死んだ俺は、異世界に転生していた。
忙しすぎてうわさでしか聞いたことがないが、これが異世界転生というものなのだろう。
生き急いで死んでしまったんだ。俺はこの世界ではゆっくりと生きていきたいと思った。
ただ、この世界にはモンスターも魔王もいるみたい。
この世界で最初に出会ったクレハという女の子は、細かいことは気にしない自由奔放な可愛らしい子で、俺を助けてくれた。
冒険者としてゆったり生計を立てていこうと思ったら、以外と儲かる仕事だったからこれは楽な人生が始まると思った矢先。
なぜか2日目にして魔王軍の侵略に遭遇し…。
外れスキルで異世界版リハビリの先生としてスローライフをしたいです。〜戦闘でも使えるとわかったのでチーム医療でざまぁすることになりました〜
k-ing ★書籍発売中
ファンタジー
使い方がわからないスキルは外れスキルと言われているこの世界で、俺はスキルのせいで家族に売られて奴隷となった。
そんな奴隷生活でも俺の面倒を見てくれる第二の父親と言える男に出会った。
やっと家族と思える人と出会ったのにその男も俺が住んでいる街の領主に殺されてしまう。
領主に復讐心を抱きながらも、徐々に体力が落ち、気づいた頃に俺は十歳という若さで亡くなった。
しかし、偶然にも外れスキルを知っている男が俺の体に転生したのだ。
これでやっと復讐ができる……。
そう思った矢先、転生者はまさかのスローライフを望んでいた。
外れスキル【理学療法】で本職の理学療法士がスローライフを目指すと、いつのまにか俺の周りには外れスキルが集まっていた。
あれ?
外れスキルって意外にも戦闘で使えちゃう?
スローライフを望んでいる俺が外れスキルの集まり(チーム医療)でざまぁしていく物語だ。
※ダークファンタジー要素あり
※わずかに医療の話あり
※ 【side:〇〇】は三人称になります
手軽に読めるように1話が短めになっています。
コメント、誤字報告を頂けるととても嬉しいです!
更新時間 8:10頃
異世界で魔法使いとなった俺はネットでお買い物して世界を救う
馬宿
ファンタジー
30歳働き盛り、独身、そろそろ身を固めたいものだが相手もいない
そんな俺が電車の中で疲れすぎて死んじゃった!?
そしてらとある世界の守護者になる為に第2の人生を歩まなくてはいけなくなった!?
農家育ちの素人童貞の俺が世界を守る為に選ばれた!?
10個も願いがかなえられるらしい!
だったら異世界でもネットサーフィンして、お買い物して、農業やって、のんびり暮らしたいものだ
異世界なら何でもありでしょ?
ならのんびり生きたいな
小説家になろう!にも掲載しています
何分、書きなれていないので、ご指摘あれば是非ご意見お願いいたします
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
Anotherfantasia~もうひとつの幻想郷
くみたろう
ファンタジー
彼女の名前は東堂翠。
怒りに震えながら、両手に持つ固めの箱を歪ませるくらいに力を入れて歩く翠。
最高の一日が、たった数分で最悪な1日へと変わった。
その要因は手に持つ箱。
ゲーム、Anotherfantasia
体感出来る幻想郷とキャッチフレーズが付いた完全ダイブ型VRゲームが、彼女の幸せを壊したのだ。
「このゲームがなんぼのもんよ!!!」
怒り狂う翠は帰宅後ゲームを睨みつけて、興味なんか無いゲームを険しい表情で起動した。
「どれくらい面白いのか、試してやろうじゃない。」
ゲームを一切やらない翠が、初めての体感出来る幻想郷へと体を委ねた。
それは、翠の想像を上回った。
「これが………ゲーム………?」
現実離れした世界観。
でも、確かに感じるのは現実だった。
初めて続きの翠に、少しづつ増える仲間たち。
楽しさを見出した翠は、気付いたらトップランカーのクランで外せない大事な仲間になっていた。
【Anotherfantasia……今となっては、楽しくないなんて絶対言えないや】
翠は、柔らかく笑うのだった。
独身おじさんの異世界ライフ~結婚しません、フリーな独身こそ最高です~
さとう
ファンタジー
町の電気工事士であり、なんでも屋でもある織田玄徳は、仕事をそこそこやりつつ自由な暮らしをしていた。
結婚は人生の墓場……父親が嫁さんで苦労しているのを見て育ったため、結婚して子供を作り幸せな家庭を作るという『呪いの言葉』を嫌悪し、生涯独身、自分だけのために稼いだ金を使うと決め、独身生活を満喫。趣味の釣り、バイク、キャンプなどを楽しみつつ、人生を謳歌していた。
そんなある日。電気工事の仕事で感電死……まだまだやりたいことがあったのにと嘆くと、なんと異世界転生していた!!
これは、異世界で工務店の仕事をしながら、異世界で独身生活を満喫するおじさんの物語。
レベル1の最強転生者 ~勇者パーティーを追放された錬金鍛冶師は、スキルで武器が作り放題なので、盾使いの竜姫と最強の無双神器を作ることにした~
サイダーボウイ
ファンタジー
「魔物もろくに倒せない生産職のゴミ屑が! 無様にこのダンジョンで野垂れ死ねや! ヒャッハハ!」
勇者にそう吐き捨てられたエルハルトはダンジョンの最下層で置き去りにされてしまう。
エルハルトは錬金鍛冶師だ。
この世界での生産職は一切レベルが上がらないため、エルハルトはパーティーのメンバーから長い間不遇な扱いを受けてきた。
だが、彼らは知らなかった。
エルハルトが前世では魔王を最速で倒した最強の転生者であるということを。
女神のたっての願いによりエルハルトはこの世界に転生してやって来たのだ。
その目的は一つ。
現地の勇者が魔王を倒せるように手助けをすること。
もちろん勇者はこのことに気付いていない。
エルハルトはこれまであえて実力を隠し、影で彼らに恩恵を与えていたのである。
そんなことも知らない勇者一行は、エルハルトを追放したことにより、これまで当たり前にできていたことができなくなってしまう。
やがてパーティーは分裂し、勇者は徐々に落ちぶれていくことに。
一方のエルハルトはというと、さくっとダンジョンを脱出した後で盾使いの竜姫と出会う。
「マスター。ようやくお逢いすることができました」
800年間自分を待ち続けていたという竜姫と主従契約を結んだエルハルトは、勇者がちゃんと魔王を倒せるようにと最強の神器作りを目指すことになる。
これは、自分を追放した勇者のために善意で行動を続けていくうちに、先々で出会うヒロインたちから好かれまくり、いつの間にか評価と名声を得てしまう最強転生者の物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる