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- 第五期・再びの異世界 -

第208話 再召喚

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白い光が、より強みを帯びて輝いていく。

体育館内では、

「え?!」

「うわッ!?」

「なんだ?!」

「何これ!?」

といった感じで、誰もが驚いている。

あまりの眩しさに、俺がまぶたを閉じた2~3秒後…。

周囲から、

〝うおおおお――――ッ!!!!〟

という歓声が聞こえてきた。

目を開けてみたところ、前方で、

「流石は“天才魔導師”とうたわれていただけはございますなぁ。」

トーキーの賢者が述べ、

「まあのッ!」
「この魔法を編み出した儂にかかれば、“条件”など付与せずとも、召喚できるのじゃ!!」
「カーッ、カッカッカッカ――ッ!」

アンデッドソーサラーが高笑いする。

ここは“トーキー王城の庭園”に間違いなさそうだ。

そして、俺達は、日本に帰還する前の恰好になっていた。

魔王との戦いが終わったあたりの姿形や装備である。

(おいおい、やっぱ“フラグ”だったんかよ。)

俺は、半ば呆れると共に、苦笑いしてしまった。

こんな状況下で、空中から、

「無駄話はよいから、とっとと本題に入ろうではないか!」

との声が聞こえてきたのである。

そちらを見てみたところ、宙で仁王立ちしながら腕を組んでいる[ダークロード]が居たのだ。

「!!」

すぐさま立ち上がった俺は、女魔王に対して、右のてのひらを突き出し、直径5Mの魔法陣を構築した。

「バッ!」
「ちょっ、待ていッ!!」
「我は、もう、敵ではない!」
「既に和睦しておるッ!!」

両手を〝ブンブン〟振って焦るダークロードに、

「本当か?!」

俺が眉間にシワを寄せて確認したら、賢者たちの近くに佇んでいた姫殿下が、

「真でございます。」
「皆さまがチキュウにお戻りになられたあの後、“水の王”の計らいで、東と北の大陸における同盟が成立いたしました。」
「この輪には、リヴァイアサン殿の“海底王国”に、“魔人の国”も、加わっております。」
「それはさておき……、お帰りなさいませ、覇王様!」

経緯を説明する流れで、ひざまずいたのである。

これに、トーキー王・宰相・賢者・三将軍・ミノタウロス元帥&魔物一同・サータなどの人間の国王や女王・スライム女王・兎の王と、その家臣らが、ならった。

魔王はもとより、ゴブリン女王/ミノタウロス(ホルスタウロス)女王/オーク女王/エルフの国主/ドワーフの国主/鳥の王/魔人の女王/狼の王/馬の女王に、従者の多くは、膝を着いていない。

ま、そこら辺の面子は、俺に[服従]されていないので、当然だと言える。

(にしても…。)
「これだけのメンバーを揃えて、俺達を呼び戻したって事は……、何か新たな問題でも起きたのか?」

このように訊ねてみたところ、トーキーの国王に、

「はッ。」
「覇王様がたの御協力を、今一度、仰がねばならぬ事態が、発生しております。」
「ご報告を兼ねて、各代表と相談していきたいので、場所を変えさせてください。」

そう促されたのであった―。
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