異世界を服従して征く俺の物語!!

ネコのうた

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- 第四期・大陸を越えて -

第200話 回帰

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「殺す!」
「いや……、我を愚弄したことを謝罪させてから、死なあ――すッ!!」

怒りを露わにしたダークロード魔王が、左のてのひらで直径2Mの魔法陣を構築する。

その流れで、魔法陣と同じ大きさの[桃色の光線]を発射してきた。

口を〝あんぐり〟と開いた俺は、最小直径4㎝×最大直径2Mの“ビーム”を放って、対抗したのである。

これは、進化に伴って新たに得た【闇光線のドラゴンブレス】であり、外側が紫色の、内側は黒色に、なっていた。

ちなみに、大部分がブラックだ。

この[スキル]によって200のMPを消費したので、残りは175となっている。

ともあれ、互いのビームが、

ドォオオオンッ!!

炸裂し合う。

どうやら、俺の“ブレス”の方がまさったようで、魔王が後ろに吹き飛ばれていく。

しかし、〝くるッ!〟とバク転したダークロードが、地を蹴って、飛行してくるなり、[永夢えいむの鎌]を振り回してきた。

上半身を前後左右に動かして躱す俺の眼前に、魔王が再び左手で魔法陣を展開する。

「!!」

警戒した俺が一瞬ストップしたところ、ダークロードが魔法陣を〝フッ!〟と消滅させた。

(フェイント??)
(狙いは何だ?)

戸惑う俺の右鎖骨あたりを、したり顔の魔王が、掌で触れてきたのである。

(!)
(〝経験値を吸収する〟とかいうアレ・・か!?)

察した俺は、咄嗟とっさに、右のアッパーパンチを、ダークロードの腹部に〝ズドンッ!!〟と叩きこんだ。

「ぐふッ!」

“くの字”に曲がって、地面に両膝を着いた魔王が、俺を睨んでくる。

その状況で、上空から、

ヒュ――――――――ッ!!

という音が聞こえてきた。

ダークロードから目を逸らさないままで、

「来たみてぇだな。」

呟いた俺は、20~30㎝くらい宙に浮きながら、後方へと下がっていったのである。

「む??」

見上げたダークロードが、

「まさか?!」

驚く。

落下してきているのは、“隕石”だった。

先程、俺が予め発動しておいた【メテオ】である。

これ・・は、LV.125になった際に得た[特殊魔法]だ。

「くッ!」

慌てて立ち上がった魔王が、左手で腹を押さえて、

「がはッ!!」

血を吐き、またしても膝を屈した。

さっきのアッパーによるものだろう。

頭上3Mぐらいまで接近した“流星”に、

「おのれッ!」

鎌の先端を〝ガツンッ!!〟と当てて抵抗するダークロードではあったが、止められるわけなどなく、

ドッゴオオオオオオオオ――ンッ!!!!

下敷きになったのである。

その衝撃で、なかなかのクレーターが発生するのと共に、爆風が巻き起こった。


この光景に、敵軍の最後尾に居た[義眼の魔人]が、

(ぬぅ~ッ!)
(完全に旗色が悪くなったようじゃな。)
(一旦、どこかへ身を隠すとするか……。)

判断していたところを、“4本の鎖”が捕縛したのである。

それは、エルフの国主補佐官による【抑制】だった。

両腕・両脚に、白銀かつ半透明で、幅15㎝×長さ5Mの、“鎖”が絡み付いた相手が、

「な…にッ!?」

目を丸くする。

彼の正面から、

「その“マジックアイテム”は没収させてもらうぞぃッ。」

声を掛けた[アンデッドソーサラー]が、“義眼の魔人”が右の中指に嵌めている[黄色い宝玉の指輪]を抜き取った。

「か、返せ!!」

焦る“義眼”を、魔人姉妹・兄・父といった親族に、女王が囲んでいく。

「あなたを本国へと連れ戻し、厳正に処分します。」

[魔人の女王]が告げ、義眼の魔人が眉間にシワを寄せる。

彼女らは、この魔人を捕まえるべく、ずっと隙を窺っていたようだ。

「ふんッ!」
「観念せぇい、バカ弟子よ!!」

リッチの一言に、義眼の魔人が項垂うなだれた…。


メテオによって出来た大穴に、魔王が、うつ伏せで倒れている。

〝スゥ――ッ〟と近づいた俺が、アーティファクト以外は〝ズタボロ〟になっているダークロードに、

「降参するなら、命までは奪わないでおいてやるけど……、どうする?」
「まだ闘うか??」

訊ねてみたところ、

「…………、もう、よい。」

敗北を認めた。

すると、俺の全身が白く輝きだしたのである。

あちらこちらから、

「なんだ? この光は?!」

みたいな騒ぎが耳に入ってきた。

振り向いてみたところ、この世界に招かれていた地球人たちが、俺と同じような事態になっていたのだ。


「一体??」

“東の覇王”が首を傾げたタイミングで、[異世界召喚者]の全員が〝フッ〟と姿を消した。

誰もが呆然とするなかで、魔霊が、

「自分らの故郷に帰ったようじゃな。」

と、述べる…。


――――、

「えッ!?」

俺の目に映ったのは、運動場での“全校集会”だった―。
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