194 / 350
- 第四期・大陸を越えて -
第194話 新たな助太刀
しおりを挟む
ガシッ!
“バトルアックス”の刃を、ガルーダが左手で掴んだ。
「なッ?!」
目を丸くするマンモスロードに、
「やはり、この程度か。」
鳥の王が軽く溜息を吐く。
「ぬッ、ぐぐ、ぐぅ~ッ!」
マンモスの王が、バトルアックスを押したり引いたりするも、ビクともしない。
翼を〝バッサ!〟と動かしたバードロードが、戦斧を片手で握ったまま浮上していく。
「なん、だと?」
両手で力を込めているのに、いともたやすく戻されていくマンモスロードが驚愕する。
ガルーダは、5Mほどの位置で〝ピタッ〟と止まり、
「“ロード”というからには、お前は決して弱くはないのであろう。」
「だが…、今回は相手が悪かったと思って、素直に旅立つがよい。」
「あの世に、な。」
空いている右手を突き出す。
「金色の獄炎。」
鳥の王が呟き、その掌から最小幅10㎝×最大幅1Mの[金炎の渦]が放たれ、
ドッ!ボォオ――ウッ!!
敵の胸元を貫通した。
更に、マンモスの王は、金の火炎によって全身を燃やされ、崩れ落ちていったのである……。
ロード達による戦いが終わった頃、各幹部らのバトルも勝敗がつこうとしていた。
こちらの有利で。
そこへ、残りの魔王軍が突撃してきたのである。
『正念場みてぇだな…。』
『全員、気合入れてけよッ!』
俺の鼓舞に、多くの者が〝おお――ッ!!〟と呼応した。
こっちの軍が、勢いに乗りかけたものの……、
ウオオオオ――――ッ!!!!
あちらの[オーガロード]による【咆哮】によって、誰もが膝を屈していったのだ。
バードロード以外は。
俺やリッチはというと、上空から落ちてしまい、背中を地面に叩き付けられた。
なにせ、【騎士】である鬼の王は“LV.171”なので。
ちなみに、ギガースロードは【戦士】で、レベルは“168”だ。
棒の長さ5M×鎖の長さ6.5Mかつ、直径1Mの球体といった[モーニングスター]を所持している。
付属している何本かの棘は50㎝ぐらいの長さだ。
震えあがっている俺たちを認識したガルーダが、
「仕方ない。」
「皆の異常状態が解けるまで、オレが一人で請け負うとするか。」
「“インクリース”を用いれば、造作もなかろう。」
「奴らが似たようなスキルを得ていなければ、だがな…。」
3時間に亘ってステータス4倍にする能力を発動しようとしたところ、斜め上から、
ドッオオ――――ゥッ!!
幅5Mで水色の“ビームみたいなモノ”が飛んでいき、
ボオオオオオオオオ――ンッ!!!!
ギガースロードを中心に、その周辺を大爆発させたのである。
「むッ?!」
鳥の王が振り返ったらしい。
仰向けになっている俺も、視線を送ってみた。
「なんじゃ、なんじゃ!」
「我が旧友と同化しておる割には、だらしないのぉう!!」
予想どおり、[水の王]である。
バードロードも、リヴァイアサンも、二日前の[屍の国]における会議の際に、エルフの国主に提案された俺が【念話】で協力を要請していたのだ。
ガルーダは、
「まさか……、“生きる伝説”を、この目で拝めるとは…。」
少なからず感動している。
敵軍は、竦んでしまったようだ。
その隙に、森人族の国主補佐官が、
「ぐッ、うぅッ。」
呻きながらも、
「ディスオーダー・リカバリー。」
と、唱えたのだった―。
“バトルアックス”の刃を、ガルーダが左手で掴んだ。
「なッ?!」
目を丸くするマンモスロードに、
「やはり、この程度か。」
鳥の王が軽く溜息を吐く。
「ぬッ、ぐぐ、ぐぅ~ッ!」
マンモスの王が、バトルアックスを押したり引いたりするも、ビクともしない。
翼を〝バッサ!〟と動かしたバードロードが、戦斧を片手で握ったまま浮上していく。
「なん、だと?」
両手で力を込めているのに、いともたやすく戻されていくマンモスロードが驚愕する。
ガルーダは、5Mほどの位置で〝ピタッ〟と止まり、
「“ロード”というからには、お前は決して弱くはないのであろう。」
「だが…、今回は相手が悪かったと思って、素直に旅立つがよい。」
「あの世に、な。」
空いている右手を突き出す。
「金色の獄炎。」
鳥の王が呟き、その掌から最小幅10㎝×最大幅1Mの[金炎の渦]が放たれ、
ドッ!ボォオ――ウッ!!
敵の胸元を貫通した。
更に、マンモスの王は、金の火炎によって全身を燃やされ、崩れ落ちていったのである……。
ロード達による戦いが終わった頃、各幹部らのバトルも勝敗がつこうとしていた。
こちらの有利で。
そこへ、残りの魔王軍が突撃してきたのである。
『正念場みてぇだな…。』
『全員、気合入れてけよッ!』
俺の鼓舞に、多くの者が〝おお――ッ!!〟と呼応した。
こっちの軍が、勢いに乗りかけたものの……、
ウオオオオ――――ッ!!!!
あちらの[オーガロード]による【咆哮】によって、誰もが膝を屈していったのだ。
バードロード以外は。
俺やリッチはというと、上空から落ちてしまい、背中を地面に叩き付けられた。
なにせ、【騎士】である鬼の王は“LV.171”なので。
ちなみに、ギガースロードは【戦士】で、レベルは“168”だ。
棒の長さ5M×鎖の長さ6.5Mかつ、直径1Mの球体といった[モーニングスター]を所持している。
付属している何本かの棘は50㎝ぐらいの長さだ。
震えあがっている俺たちを認識したガルーダが、
「仕方ない。」
「皆の異常状態が解けるまで、オレが一人で請け負うとするか。」
「“インクリース”を用いれば、造作もなかろう。」
「奴らが似たようなスキルを得ていなければ、だがな…。」
3時間に亘ってステータス4倍にする能力を発動しようとしたところ、斜め上から、
ドッオオ――――ゥッ!!
幅5Mで水色の“ビームみたいなモノ”が飛んでいき、
ボオオオオオオオオ――ンッ!!!!
ギガースロードを中心に、その周辺を大爆発させたのである。
「むッ?!」
鳥の王が振り返ったらしい。
仰向けになっている俺も、視線を送ってみた。
「なんじゃ、なんじゃ!」
「我が旧友と同化しておる割には、だらしないのぉう!!」
予想どおり、[水の王]である。
バードロードも、リヴァイアサンも、二日前の[屍の国]における会議の際に、エルフの国主に提案された俺が【念話】で協力を要請していたのだ。
ガルーダは、
「まさか……、“生きる伝説”を、この目で拝めるとは…。」
少なからず感動している。
敵軍は、竦んでしまったようだ。
その隙に、森人族の国主補佐官が、
「ぐッ、うぅッ。」
呻きながらも、
「ディスオーダー・リカバリー。」
と、唱えたのだった―。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染に婚約破棄されたので、別の人と結婚することにしました
鹿乃目めの
恋愛
セヴィリエ伯爵令嬢クララは、幼馴染であるノランサス伯爵子息アランと婚約していたが、アランの女遊びに悩まされてきた。
ある日、アランの浮気相手から「アランは私と結婚したいと言っている」と言われ、アランからの手紙を渡される。そこには婚約を破棄すると書かれていた。
失意のクララは、国一番の変わり者と言われているドラヴァレン辺境伯ロイドからの求婚を受けることにした。
主人公が本当の愛を手に入れる話。
独自設定のファンタジーです。実際の歴史や常識とは異なります。
さくっと読める短編です。
※完結しました。ありがとうございました。
閲覧・いいね・お気に入り・感想などありがとうございます。
(次作執筆に集中するため、現在感想の受付は停止しております。感想を下さった方々、ありがとうございました)
魔力即時回復スキルでダンジョン攻略無双 〜規格外のスキルで爆速レベルアップ→超一流探索者も引くほど最強に〜
Josse.T
ファンタジー
悲運な貯金の溶かし方をした主人公・古谷浩二が100万円を溶かした代わりに手に入れたのは、ダンジョン内で魔力が無制限に即時回復するスキルだった。
せっかくなので、浩二はそれまで敬遠していたダンジョン探索で一攫千金を狙うことに。
その過程で浩二は、規格外のスキルで、世界トップレベルと言われていた探索者たちの度肝を抜くほど強くなっていく。
せっかく異世界に転生できたんだから、急いで生きる必要なんてないよね?ー明日も俺はスローなライフを謳歌したいー
ジミー凌我
ファンタジー
日夜仕事に追われ続ける日常を毎日毎日繰り返していた。
仕事仕事の毎日、明日も明後日も仕事を積みたくないと生き急いでいた。
そんな俺はいつしか過労で倒れてしまった。
そのまま死んだ俺は、異世界に転生していた。
忙しすぎてうわさでしか聞いたことがないが、これが異世界転生というものなのだろう。
生き急いで死んでしまったんだ。俺はこの世界ではゆっくりと生きていきたいと思った。
ただ、この世界にはモンスターも魔王もいるみたい。
この世界で最初に出会ったクレハという女の子は、細かいことは気にしない自由奔放な可愛らしい子で、俺を助けてくれた。
冒険者としてゆったり生計を立てていこうと思ったら、以外と儲かる仕事だったからこれは楽な人生が始まると思った矢先。
なぜか2日目にして魔王軍の侵略に遭遇し…。
追放から始まる新婚生活 【追放された2人が出会って結婚したら大陸有数の有名人夫婦になっていきました】
眼鏡の似合う女性の眼鏡が好きなんです
ファンタジー
役に立たないと言われて、血盟を追放された男性アベル。
同じく役に立たないと言われて、血盟を解雇された女性ルナ。
そんな2人が出会って結婚をする。
【2024年9月9日~9月15日】まで、ホットランキング1位に居座ってしまった作者もビックリの作品。
結婚した事で、役に立たないスキルだと思っていた、家事手伝いと、錬金術師。
実は、トンデモなく便利なスキルでした。
最底辺、大陸商業組合ライセンス所持者から。
一転して、大陸有数の有名人に。
これは、不幸な2人が出会って幸せになっていく物語。
極度の、ざまぁ展開はありません。
レディース異世界満喫禄
日の丸
ファンタジー
〇城県のレディース輝夜の総長篠原連は18才で死んでしまう。
その死に方があまりな死に方だったので運命神の1人に異世界におくられることに。
その世界で出会う仲間と様々な体験をたのしむ!!
テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
外れスキルで異世界版リハビリの先生としてスローライフをしたいです。〜戦闘でも使えるとわかったのでチーム医療でざまぁすることになりました〜
k-ing ★書籍発売中
ファンタジー
使い方がわからないスキルは外れスキルと言われているこの世界で、俺はスキルのせいで家族に売られて奴隷となった。
そんな奴隷生活でも俺の面倒を見てくれる第二の父親と言える男に出会った。
やっと家族と思える人と出会ったのにその男も俺が住んでいる街の領主に殺されてしまう。
領主に復讐心を抱きながらも、徐々に体力が落ち、気づいた頃に俺は十歳という若さで亡くなった。
しかし、偶然にも外れスキルを知っている男が俺の体に転生したのだ。
これでやっと復讐ができる……。
そう思った矢先、転生者はまさかのスローライフを望んでいた。
外れスキル【理学療法】で本職の理学療法士がスローライフを目指すと、いつのまにか俺の周りには外れスキルが集まっていた。
あれ?
外れスキルって意外にも戦闘で使えちゃう?
スローライフを望んでいる俺が外れスキルの集まり(チーム医療)でざまぁしていく物語だ。
※ダークファンタジー要素あり
※わずかに医療の話あり
※ 【side:〇〇】は三人称になります
手軽に読めるように1話が短めになっています。
コメント、誤字報告を頂けるととても嬉しいです!
更新時間 8:10頃
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる