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- 第四期・大陸を越えて -
第183話 そんな記念日
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俺は、自分の部屋に、生徒会長・一年生書記・賢者・天才魔導士を、招集した。
ジョブが[東の覇王]になっている事に関して、意見を聞くために。
「主様が、ステータス等をチェックしたのは、いつ以来ですか?」
勇者の質問に、
「んー、……、最後に見たのは、“ゴーレムのダンジョン”を攻略した時だったような…。」
そう答えたら、
「だとすれば、この大陸の反連合軍を“服従”し終えたあたりで、ジョブが自動的に変わったのかもしれませんね。」
クレリックランサーが述べたのである。
これに、賢者が、
「ありえますな。」
「おそらくは、“東の大陸の覇王”という意味でしょうから。」
との見解を示す。
「つまり??」
俺が首を傾げたところ、
「東大陸には、18の国が存在しています。」
「ご主君は、そのうちの12ヶ国を服従させました。」
「他にも、ゴブリンとホルスタウロスやオークの女王であったりエルフの国主に“チャーム”を施されておられますし、鳥の王とは盟友になられ、ドワーフ族とは友好関係にあらせられます。」
「よって、“東の覇王”になられたのでしょう。」
トーキーの賢者が考察したのだ。
「いや、でも…、覇王って“ジョブ”か?」
頭を悩ませる俺に、アンデッドソーサラーが、
「間違いなかろう。」
「なにせ、皇帝、女帝、国王、女王、国主、なども、ジョブじゃからな。」
と、教えてくれたのである。
「そうなのか……。」
イマイチ釈然としない俺を余所に、
「とにもかくにも、おめでたいですね!」
「早速、皆さんに、お知らせしましょう!!」
一年の生徒会書記が瞳を輝かせた。
[玉座の間]にて――。
「“東の覇王”とは…、素晴らしい限りですなぁッ!」
大将軍が喜び、
「然り!!」
「これからは“覇王様”と、お呼びするしかありますまいッ!」
ミノタウロス元帥が言い出した。
「いや、それは、ちょっと……。」
俺は止めようとしたものの、
「今日というこの日を、“覇王記念日”と定め、盛大に祝おうぞ!」
「“念話”や“伝言”で国中に広めよッ!!」
[トーキーの王]が告げた事によって、
「ぅおお――――ッ!!!!」
誰もがテンション爆上がりになったのだ。
「お前ら…。」
バカ騒ぎしている連中を黙らせるべく、魔法の“雷”を軽めに落とそうかとする俺に、魔人姉妹が近寄ってきた。
「誰もが不安なのでしょう。」
「もうじき、魔王軍との戦になりますので。」
と姉が声を掛けてきて、
「無理にでも、はしゃいで、恐怖を紛らわせたいのかもしれませんね。」
「なぜなら、生き返る術が、もう無いのですから。」
妹が補足したのである。
「あー……。」
理解した俺は、右手で後頭部を〝ボリボリ〟掻いて、
「しゃあねぇなぁ。」
苦笑いしつつ、許してやることにしたのだ―。
ジョブが[東の覇王]になっている事に関して、意見を聞くために。
「主様が、ステータス等をチェックしたのは、いつ以来ですか?」
勇者の質問に、
「んー、……、最後に見たのは、“ゴーレムのダンジョン”を攻略した時だったような…。」
そう答えたら、
「だとすれば、この大陸の反連合軍を“服従”し終えたあたりで、ジョブが自動的に変わったのかもしれませんね。」
クレリックランサーが述べたのである。
これに、賢者が、
「ありえますな。」
「おそらくは、“東の大陸の覇王”という意味でしょうから。」
との見解を示す。
「つまり??」
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「東大陸には、18の国が存在しています。」
「ご主君は、そのうちの12ヶ国を服従させました。」
「他にも、ゴブリンとホルスタウロスやオークの女王であったりエルフの国主に“チャーム”を施されておられますし、鳥の王とは盟友になられ、ドワーフ族とは友好関係にあらせられます。」
「よって、“東の覇王”になられたのでしょう。」
トーキーの賢者が考察したのだ。
「いや、でも…、覇王って“ジョブ”か?」
頭を悩ませる俺に、アンデッドソーサラーが、
「間違いなかろう。」
「なにせ、皇帝、女帝、国王、女王、国主、なども、ジョブじゃからな。」
と、教えてくれたのである。
「そうなのか……。」
イマイチ釈然としない俺を余所に、
「とにもかくにも、おめでたいですね!」
「早速、皆さんに、お知らせしましょう!!」
一年の生徒会書記が瞳を輝かせた。
[玉座の間]にて――。
「“東の覇王”とは…、素晴らしい限りですなぁッ!」
大将軍が喜び、
「然り!!」
「これからは“覇王様”と、お呼びするしかありますまいッ!」
ミノタウロス元帥が言い出した。
「いや、それは、ちょっと……。」
俺は止めようとしたものの、
「今日というこの日を、“覇王記念日”と定め、盛大に祝おうぞ!」
「“念話”や“伝言”で国中に広めよッ!!」
[トーキーの王]が告げた事によって、
「ぅおお――――ッ!!!!」
誰もがテンション爆上がりになったのだ。
「お前ら…。」
バカ騒ぎしている連中を黙らせるべく、魔法の“雷”を軽めに落とそうかとする俺に、魔人姉妹が近寄ってきた。
「誰もが不安なのでしょう。」
「もうじき、魔王軍との戦になりますので。」
と姉が声を掛けてきて、
「無理にでも、はしゃいで、恐怖を紛らわせたいのかもしれませんね。」
「なぜなら、生き返る術が、もう無いのですから。」
妹が補足したのである。
「あー……。」
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苦笑いしつつ、許してやることにしたのだ―。
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