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- 第四期・大陸を越えて -

第171話 戦利品

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俺は、両手で掴んだ[暗黒騎士]の兜を脱がした。

男性のようだが、全体的に黒色と紫色が入り混じったもやみたいな感じになっており、判別しづらい。

瞳は黄色く光っている。

(霊、か?)

ダークナイトに釘付けになっていたところ、“熊の獣人”による【咆哮】の効き目が無くなり、ゾンビや悪霊が自由になった。

スケルトン骸骨も合わせて、アンデッド軍が突撃を開始する。

俺の方には、翼を有したキマイラどもが向かってきた。

『すみません、これ以上は、もたないみたいです!』

【クレリックランサー】が述べるのと同時に、鎖が消えてしまう。

“黒ずくめの騎士”が改めて剣を突き出そうとする。

それより先に、

「ボクに任せるッスよ!」

味方の軍勢から飛び出した【武術士】が、

「うおりゃあ――ッスぅ!!」

右の拳で、おもいっきりアッパースイングした事によって、最小幅15㎝×最大幅15M×高さ20Mの[竜巻]が発生したのだ。

暗黒騎士を中心に、これ・・に巻き込まれたしかばねたちが、“風の渦”の中で〝ぐるぐる〟回っていく。

空中にて、近くに居た俺が、

「おおっとぉ!」

と、離れたタイミングで、ミノタウロス元帥が咆える。

敵の“三分の二”ほどが停止したところで、仲間の軍が攻撃していった。

キマイラの半数は平然と動いていたが、右手で魔法陣を構築した俺が、幅10㎝×長さ3Mの“水の槍”を何百発も放ったことによって、頭や首を貫かれた連中が墜落していく。

一方、竜巻が消滅して、ダークナイトらも墜ちていき、地面に叩き付けられたようだ。

アンデッド達の体が壊れゆくなか、黒ずくめの騎士が、意に介さないかのように、上半身を起こす。

(あれでも倒せねぇのか。)

俺は眉間にシワを寄せた。

そこへ、幅50㎝の【光線ビーム】が放たれ、暗黒騎士の顔面に直撃したのである。

これは、聖女によるものだった。

モロにヒットしたダークナイトが、幾つもの細かい粒子となって、天へと昇っていく。

どうやら、浄霊されたらしい。

最も厄介な相手が滅せられた事により、こっちの連合軍が勢いづく。

数分後には、俺たちの勝利で戦を終えたのである…。


[常闇とこやみつるぎ]と[黄泉よみの甲冑]が転がっている場所に、首脳陣が集まっている。

「しっかし、本当に手こずらせてくれたよな。」

俺が苦笑いしながら“常闇”に視線を送ってみたところ、剣の部分だけ・・・・・・が無くなっていた。

折れた様子はなかったので、

「どういうことだ、これは?」

首を傾げつつ、柄を掴んで持ち上げてみたら、“黒い霧状の剣”が出現したのだ。

それを目の当たりにした[狼の王]に、

「なんと?!」
「“常闇”は、そなたを新たな主と定めたようだぞ、トーキーの魔人殿!」

と告げられたのである―。
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