149 / 350
- 第四期・大陸を越えて -
第149話 諸々ゲットだぜ!
しおりを挟む
「なんか、これ、ボクにジャストフィットしてるッス。」
と言う武術士は、一対の鉄甲を装着していた。
その色合いは“白銀”である。
ボクっ娘が、俺達から見て左側の割と離れている壁に向かって、シャドーボクシングみたいに右の拳を軽く突き出したところ、直径50㎝×長さ1Mの“風の渦”が、
ビュオッ!
と、飛んでいった。
そして、
ドンッ!
と衝突した壁を、やや陥没させると共に罅を生じさせたのである。
武術士が、
「おおッ?!」
「これは、もしや!!」
と、俺に窺う。
「間違いなく“アーティファクト”だろうな。」
「トーキーの賢者や魔人姉妹に確認してもらえば詳しいことが分かるかもしれねぇから、城に帰ったら見てもらえ。」
「うッス!」
「ところで、主様…。」
「この鉄甲って、ボクが貰ってもいいんッスよね?」
「ああ。」
「お前しか扱えんだろうしな。」
と許可したら、ボクっ娘が両腕を上げてガッツポーズしつつ、
「やったぁッス!!」
と、〝ぴょん ぴょん〟跳ねまくった。
それを横目に、
「しかし、謎だな。」
「なんで、これらは、ほったらかしになってるんだ?」
「千年前に反乱した奴らは、手を付けなかったのか??」
と俺が疑問を口にしたところ、生徒会長が、
「考えられるのは二つです。」
「一つは、粗方、外に持ち運んだものの、それなりに余ってしまったのかもしれません。」
「もう一つは、当時の“エルフの国主”が、我々が訪れる未来を知っており、放置した可能性があります。」
と、推理したのである。
「んんー、後者な気がするな。」
「おそらく、譲ってくれたんだろう。」
と述べつつ、台座に近づいた俺が持ち上げてみた宝玉から〝スゥーッ〟と光が失われた。
(なんか起こるのか?)
と、周囲を見回してみるも、何の変化もない。
俺が首を傾げながら、宝玉を台座に戻そうとしたところ、第六層よりも上の階に居る二年生の男子生徒(魔法使い)が【念話】で、
『ご主君、ゴーレムたちが一斉に崩れたのですが…、そちらで何かありましたでしょうか?』
と尋ねてきたのである。
(もしかして、この宝玉が原因か!)
そう思った俺は、ダンジョン内にいる連中に【伝言】で経緯を説明して、先に山頂へ戻るよう指示しておいた。
最深層まで付き従って来た面子は別として。
「じゃあ、俺らは、ここの金銀財宝を“アイテムBOX”に収納してから遺跡を目指そう。」
と、告げたら、一年の生徒会書記が、
「でしたら、残骸になったゴーレムたちも回収しましょう! 土と岩以外は。」
「そうすれば職人さんに強力な装備品を作ってもらえるでしょうし、売れば大金になります!!」
とハイテンションになったのである。
「お前って、結構、がめついよな。」
と、いささか呆れる俺に、
「主様…、私は、ファンタジー系の次に、いえ、それと同じくらい、お金が大好きなんですよ!!!!」
と一年生書記が鼻息を荒げた。
俺は、
「いっそ、清々しいな。」
と、苦笑いしながらも、彼女の提案を受け入れたのである。
トーキー王城の、普段は誰も使用していない大広間に、俺達が集めてきた宝の山が築かれた。
国王や宰相を始め、王妃に各大臣もが、目を丸くしている。
「国の運営に役立てるが良い。」
「それと…、ドワーフらにも幾らかは分け与えよ。」
と促す俺に、トーキー王が、
「ええ、勿論でございます。」
「皆さん、我が国の発展の為に尽力してくださっていますので。」
と、快諾した。
一方、賢者と魔人姉妹は、武術士の“アーティファクト”に興味津々になっている。
「これは…、“風撃の鉄甲”では?」
との見解を示す賢者に、魔人の姉と妹とが、
「確かに、そのようですね。」
「いつだったか読んだ事のある本に記載されていた筈です。」
と頷いたのだった―。
と言う武術士は、一対の鉄甲を装着していた。
その色合いは“白銀”である。
ボクっ娘が、俺達から見て左側の割と離れている壁に向かって、シャドーボクシングみたいに右の拳を軽く突き出したところ、直径50㎝×長さ1Mの“風の渦”が、
ビュオッ!
と、飛んでいった。
そして、
ドンッ!
と衝突した壁を、やや陥没させると共に罅を生じさせたのである。
武術士が、
「おおッ?!」
「これは、もしや!!」
と、俺に窺う。
「間違いなく“アーティファクト”だろうな。」
「トーキーの賢者や魔人姉妹に確認してもらえば詳しいことが分かるかもしれねぇから、城に帰ったら見てもらえ。」
「うッス!」
「ところで、主様…。」
「この鉄甲って、ボクが貰ってもいいんッスよね?」
「ああ。」
「お前しか扱えんだろうしな。」
と許可したら、ボクっ娘が両腕を上げてガッツポーズしつつ、
「やったぁッス!!」
と、〝ぴょん ぴょん〟跳ねまくった。
それを横目に、
「しかし、謎だな。」
「なんで、これらは、ほったらかしになってるんだ?」
「千年前に反乱した奴らは、手を付けなかったのか??」
と俺が疑問を口にしたところ、生徒会長が、
「考えられるのは二つです。」
「一つは、粗方、外に持ち運んだものの、それなりに余ってしまったのかもしれません。」
「もう一つは、当時の“エルフの国主”が、我々が訪れる未来を知っており、放置した可能性があります。」
と、推理したのである。
「んんー、後者な気がするな。」
「おそらく、譲ってくれたんだろう。」
と述べつつ、台座に近づいた俺が持ち上げてみた宝玉から〝スゥーッ〟と光が失われた。
(なんか起こるのか?)
と、周囲を見回してみるも、何の変化もない。
俺が首を傾げながら、宝玉を台座に戻そうとしたところ、第六層よりも上の階に居る二年生の男子生徒(魔法使い)が【念話】で、
『ご主君、ゴーレムたちが一斉に崩れたのですが…、そちらで何かありましたでしょうか?』
と尋ねてきたのである。
(もしかして、この宝玉が原因か!)
そう思った俺は、ダンジョン内にいる連中に【伝言】で経緯を説明して、先に山頂へ戻るよう指示しておいた。
最深層まで付き従って来た面子は別として。
「じゃあ、俺らは、ここの金銀財宝を“アイテムBOX”に収納してから遺跡を目指そう。」
と、告げたら、一年の生徒会書記が、
「でしたら、残骸になったゴーレムたちも回収しましょう! 土と岩以外は。」
「そうすれば職人さんに強力な装備品を作ってもらえるでしょうし、売れば大金になります!!」
とハイテンションになったのである。
「お前って、結構、がめついよな。」
と、いささか呆れる俺に、
「主様…、私は、ファンタジー系の次に、いえ、それと同じくらい、お金が大好きなんですよ!!!!」
と一年生書記が鼻息を荒げた。
俺は、
「いっそ、清々しいな。」
と、苦笑いしながらも、彼女の提案を受け入れたのである。
トーキー王城の、普段は誰も使用していない大広間に、俺達が集めてきた宝の山が築かれた。
国王や宰相を始め、王妃に各大臣もが、目を丸くしている。
「国の運営に役立てるが良い。」
「それと…、ドワーフらにも幾らかは分け与えよ。」
と促す俺に、トーキー王が、
「ええ、勿論でございます。」
「皆さん、我が国の発展の為に尽力してくださっていますので。」
と、快諾した。
一方、賢者と魔人姉妹は、武術士の“アーティファクト”に興味津々になっている。
「これは…、“風撃の鉄甲”では?」
との見解を示す賢者に、魔人の姉と妹とが、
「確かに、そのようですね。」
「いつだったか読んだ事のある本に記載されていた筈です。」
と頷いたのだった―。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

サバイバル能力に全振りした男の半端仙人道
コアラ太
ファンタジー
年齢(3000歳)特技(逃げ足)趣味(採取)。半仙人やってます。
主人公は都会の生活に疲れて脱サラし、山暮らしを始めた。
こじんまりとした生活の中で、自然に触れていくと、瞑想にハマり始める。
そんなある日、森の中で見知らぬ老人から声をかけられたことがきっかけとなり、その老人に弟子入りすることになった。
修行する中で、仙人の道へ足を踏み入れるが、師匠から仙人にはなれないと言われてしまった。それでも良いやと気楽に修行を続け、正式な仙人にはなれずとも。足掛け程度は認められることになる。
それから何年も何年も何年も過ぎ、いつものように没頭していた瞑想を終えて目開けると、視界に映るのは密林。仕方なく周辺を探索していると、二足歩行の獣に捕まってしまう。言葉の通じないモフモフ達の言語から覚えなければ……。
不死になれなかった半端な仙人が起こす珍道中。
記憶力の無い男が、日記を探して旅をする。
メサメサメサ
メサ メサ
メサ メサ
メサ メサ
メサメサメサメサメサ
メ サ メ サ サ
メ サ メ サ サ サ
メ サ メ サ ササ
他サイトにも掲載しています。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。
異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。
せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。
そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。
これは天啓か。
俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

クラス召喚に巻き込まれてしまいました…… ~隣のクラスがクラス召喚されたけど俺は別のクラスなのでお呼びじゃないみたいです~
はなとすず
ファンタジー
俺は佐藤 響(さとう ひびき)だ。今年、高校一年になって高校生活を楽しんでいる。
俺が通う高校はクラスが4クラスある。俺はその中で2組だ。高校には仲のいい友達もいないしもしかしたらこのままボッチかもしれない……コミュニケーション能力ゼロだからな。
ある日の昼休み……高校で事は起こった。
俺はたまたま、隣のクラス…1組に行くと突然教室の床に白く光る模様が現れ、その場にいた1組の生徒とたまたま教室にいた俺は異世界に召喚されてしまった。
しかも、召喚した人のは1組だけで違うクラスの俺はお呼びじゃないらしい。だから俺は、一人で異世界を旅することにした。
……この物語は一人旅を楽しむ俺の物語……のはずなんだけどなぁ……色々、トラブルに巻き込まれながら俺は異世界生活を謳歌します!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる