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- 第四期・大陸を越えて -
第143話 ダンジョン攻略へ・其之肆
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左目と左前脚が破損している“獅子型ゴーレム”の、右前脚・右後ろ脚・左後ろ脚・首を、白銀かつ半透明の鎖が拘束した。
「“抑制”?!」
「誰が??」
そう俺が驚いたところ、一年生書記が、
「今の私では一分持つかどうか分かりません!」
「急いでください!!」
と、簡潔に説明したのである。
その状況に、
「お前…、進化したという事か!?」
と俺は再び目を丸くした。
どうやら【クレリックランサー】に成れたらしい彼女の右側面に、もう一体の“ミスリルのゴーレム”が突進するも、その間に割って入ったトーキー大将軍が【防ぎきる者】で阻んだ。
「主様! 早く!!」
と、一年の生徒会書記に促された俺は、弓士に視線を送る。
〝コクン〟と頷いた弓道部エースが、動きを封じ込められている方のゴーレムに矢を射った。
それが、改めて左目に、
ボォオーンッ!!
と直撃する。
やはりプログラミングによるものだろう、被害の少ない“獅子型”がクレリックランサーから標的を変えて、弓道部エースへとダッシュで向かっていく。
しかし、こちらは、トロールが大楯で防いだ。
一方で、[爆裂の弭槍]によって、より損傷した“ミスリル”めがけて、俺は槍で勢いよく地面を掬った。
これによって出現した最大幅2Mで歪なクリスタル形の“土の塊”が、敵の顔面に、
ドッゴォオンッ!!
と、ヒットして、互いに粉砕したのである。
以前であれば、かすり傷を負わせるのが〝やっと〟といった感じだったが、今は、“爆裂の弭槍”による効果が大きいみたいだ。
その“アーティファクト”で削った部分に追加攻撃を加えれば、ダメージを広げていけるので、素晴らしい限りである。
とにもかくにも、俺たちの連係にて、ゴーレムは頭部を失った。
更には、弓道部エースが放った新たな矢によって右前の脛が陥没する。
【破壊】を用いてバトルアックスをフルスイングしたトーキー中将軍が、その部分に罅を入れた。
生徒会長の、
「次は、私が。」
との声に反応したトーキーの中将軍が右横へ〝スッ〟と退く。
すかさず、【一閃斬り】を発動した勇者が、
バキィイーンッ!!
と脛を折ったのである。
別の一体に、ミノタウロス元帥/トロール/ジャイアントアント参謀役/トーキー大将軍/トーキー小将軍/二年生書記/ヘルハウンドらがATTACKAを試みるも、悉く躱されてしまっているようだ。
そこを、手の空いた一年生書記が【抑制】で捕縛したのである。
こちらの“獅子型”も、弓士を軸として、両前足&両目を粉々にしていった。
結果、二体を停止させた俺達は、悠々と第八層に向かったのである―。
「“抑制”?!」
「誰が??」
そう俺が驚いたところ、一年生書記が、
「今の私では一分持つかどうか分かりません!」
「急いでください!!」
と、簡潔に説明したのである。
その状況に、
「お前…、進化したという事か!?」
と俺は再び目を丸くした。
どうやら【クレリックランサー】に成れたらしい彼女の右側面に、もう一体の“ミスリルのゴーレム”が突進するも、その間に割って入ったトーキー大将軍が【防ぎきる者】で阻んだ。
「主様! 早く!!」
と、一年の生徒会書記に促された俺は、弓士に視線を送る。
〝コクン〟と頷いた弓道部エースが、動きを封じ込められている方のゴーレムに矢を射った。
それが、改めて左目に、
ボォオーンッ!!
と直撃する。
やはりプログラミングによるものだろう、被害の少ない“獅子型”がクレリックランサーから標的を変えて、弓道部エースへとダッシュで向かっていく。
しかし、こちらは、トロールが大楯で防いだ。
一方で、[爆裂の弭槍]によって、より損傷した“ミスリル”めがけて、俺は槍で勢いよく地面を掬った。
これによって出現した最大幅2Mで歪なクリスタル形の“土の塊”が、敵の顔面に、
ドッゴォオンッ!!
と、ヒットして、互いに粉砕したのである。
以前であれば、かすり傷を負わせるのが〝やっと〟といった感じだったが、今は、“爆裂の弭槍”による効果が大きいみたいだ。
その“アーティファクト”で削った部分に追加攻撃を加えれば、ダメージを広げていけるので、素晴らしい限りである。
とにもかくにも、俺たちの連係にて、ゴーレムは頭部を失った。
更には、弓道部エースが放った新たな矢によって右前の脛が陥没する。
【破壊】を用いてバトルアックスをフルスイングしたトーキー中将軍が、その部分に罅を入れた。
生徒会長の、
「次は、私が。」
との声に反応したトーキーの中将軍が右横へ〝スッ〟と退く。
すかさず、【一閃斬り】を発動した勇者が、
バキィイーンッ!!
と脛を折ったのである。
別の一体に、ミノタウロス元帥/トロール/ジャイアントアント参謀役/トーキー大将軍/トーキー小将軍/二年生書記/ヘルハウンドらがATTACKAを試みるも、悉く躱されてしまっているようだ。
そこを、手の空いた一年生書記が【抑制】で捕縛したのである。
こちらの“獅子型”も、弓士を軸として、両前足&両目を粉々にしていった。
結果、二体を停止させた俺達は、悠々と第八層に向かったのである―。
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