133 / 350
- 第三期・この世界の歴史と未来 -
第133話 なんだかんだで
しおりを挟む「合宿か…。」
と俺が、森人族の長に視線を送ったら、
「その未来はなかったので、良いかもしれませんね。」
「少しでも違うことを行うという意味では。」
と、頷いたのである。
しかし、トーキーの小将軍に、
「我々の国は内陸なので、海がありませんけど。」
と指摘された一年生書記が、
「ハッ! そういえば…。」
と、絶句した。
いや、今更かよ。
「うぅ~、最低でも一週間は、海で泳いだり、浜辺でBBQやスイカ割りにビーチフラッグとかやって、夏を満喫したいのにぃーッ。」
と残念がる一年の生徒会書記に、
「遊ぶことしか考えてねーじゃねぇか。」
と、ツッコんだところ、
「いえいえ、ちゃんと修行もしますよぉ~。」
「例えば、私であれば、“クレリックランサー”になるため、主様に槍の扱い方を指導してもらう予定ですし。」
と返してきたので、
「俺は我流だからな…、寧ろ、こっちが、誰かしらに教わりたいぐらいだ。」
「それに、お前は、杖以外の武器を装備できないだろ、そもそも。」
と述べたら、
「……。」
「じゃあ、私は、どうやってジョブを進化させればいいんですかぁッ!!?」
と、半ば逆ギレしやがったのである。
「知るか!」
と俺が眉間にシワを寄せたところ、冒険者パーティーの【騎士】で槍を用いているハーフエルフ兄が、
「自分が、お力添えしましょうか?」
と、申し出てくれた。
更には、【魔術師】であるエルフ弟が、
「杖を、槍に見たたれば大丈夫でしょう。」
「私は、敵に急接近されて魔法の構築が間に合わない場合、そのようにしていますし。」
と続いたのである。
これに、メガネっ娘の【クレリック】が、
「それですよー!!」
と、テンション爆上がりになった。
「では、私どもの国の、東の海岸を、お使いください。」
と提供してくれるエルフの国主に、
「いいのか?」
と、俺が訊ねたところ、
「ええ、構いません。」
「皆さんには、二度も助けていただきましたので。」
と微笑んだ。
一年生書記が、
「じゃあ、トーキー王国に帰ったら、水着を作ってもらいましょう!」
と、ルンルン気分になる。
それに対して、トーキーの大将軍が、
「ふぅ~む…。」
「我々は無理そうですな。」
と難しい顔つきになった。
「なんでだ??」
と、首を傾げる俺に、トーキー中将軍が、
「数日後には、“先祖礼拝”の期間に突入しますので。」
と答えたのである。
彼らによれば、5日ほど、祖先を偲んで、お墓参りに行ったり、親族で過ごすのが、この世界における人族の習わしなのだそうだ。
日本に置き換えると“お盆”のようなものだろう。
職業によっては、全員が一斉に休みを取ると困るので、“先”と“後”に分けているらしい。
例えば、街中を巡回したり国境付近に駐屯して治安維持に努めている兵士や、自然を相手にしている農家などが、そのように計らっているそうだ。
所謂“シフト制”である。
ちなみに、エルフやドワーフなどの妖精族と、獣人や半獣には、秋に豊穣を祝う連休があるらしい。
魔族に関しては、そういうのは皆無との事だ。
トーキーの小将軍が、
「私たちのことは気になさらず、合宿を行ってください。」
「それで未来を変えられるのであれば、本望ですから。」
と、勧めてくれたのである。
これを受けた勇者が、
「それでは…、こちらの世界で暮らしている全校生徒と、教師の方々も誘いましょう。」
「折角ですので。」
と提案したのであった―。
と俺が、森人族の長に視線を送ったら、
「その未来はなかったので、良いかもしれませんね。」
「少しでも違うことを行うという意味では。」
と、頷いたのである。
しかし、トーキーの小将軍に、
「我々の国は内陸なので、海がありませんけど。」
と指摘された一年生書記が、
「ハッ! そういえば…。」
と、絶句した。
いや、今更かよ。
「うぅ~、最低でも一週間は、海で泳いだり、浜辺でBBQやスイカ割りにビーチフラッグとかやって、夏を満喫したいのにぃーッ。」
と残念がる一年の生徒会書記に、
「遊ぶことしか考えてねーじゃねぇか。」
と、ツッコんだところ、
「いえいえ、ちゃんと修行もしますよぉ~。」
「例えば、私であれば、“クレリックランサー”になるため、主様に槍の扱い方を指導してもらう予定ですし。」
と返してきたので、
「俺は我流だからな…、寧ろ、こっちが、誰かしらに教わりたいぐらいだ。」
「それに、お前は、杖以外の武器を装備できないだろ、そもそも。」
と述べたら、
「……。」
「じゃあ、私は、どうやってジョブを進化させればいいんですかぁッ!!?」
と、半ば逆ギレしやがったのである。
「知るか!」
と俺が眉間にシワを寄せたところ、冒険者パーティーの【騎士】で槍を用いているハーフエルフ兄が、
「自分が、お力添えしましょうか?」
と、申し出てくれた。
更には、【魔術師】であるエルフ弟が、
「杖を、槍に見たたれば大丈夫でしょう。」
「私は、敵に急接近されて魔法の構築が間に合わない場合、そのようにしていますし。」
と続いたのである。
これに、メガネっ娘の【クレリック】が、
「それですよー!!」
と、テンション爆上がりになった。
「では、私どもの国の、東の海岸を、お使いください。」
と提供してくれるエルフの国主に、
「いいのか?」
と、俺が訊ねたところ、
「ええ、構いません。」
「皆さんには、二度も助けていただきましたので。」
と微笑んだ。
一年生書記が、
「じゃあ、トーキー王国に帰ったら、水着を作ってもらいましょう!」
と、ルンルン気分になる。
それに対して、トーキーの大将軍が、
「ふぅ~む…。」
「我々は無理そうですな。」
と難しい顔つきになった。
「なんでだ??」
と、首を傾げる俺に、トーキー中将軍が、
「数日後には、“先祖礼拝”の期間に突入しますので。」
と答えたのである。
彼らによれば、5日ほど、祖先を偲んで、お墓参りに行ったり、親族で過ごすのが、この世界における人族の習わしなのだそうだ。
日本に置き換えると“お盆”のようなものだろう。
職業によっては、全員が一斉に休みを取ると困るので、“先”と“後”に分けているらしい。
例えば、街中を巡回したり国境付近に駐屯して治安維持に努めている兵士や、自然を相手にしている農家などが、そのように計らっているそうだ。
所謂“シフト制”である。
ちなみに、エルフやドワーフなどの妖精族と、獣人や半獣には、秋に豊穣を祝う連休があるらしい。
魔族に関しては、そういうのは皆無との事だ。
トーキーの小将軍が、
「私たちのことは気になさらず、合宿を行ってください。」
「それで未来を変えられるのであれば、本望ですから。」
と、勧めてくれたのである。
これを受けた勇者が、
「それでは…、こちらの世界で暮らしている全校生徒と、教師の方々も誘いましょう。」
「折角ですので。」
と提案したのであった―。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…
小桃
ファンタジー
商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。
1.最強になれる種族
2.無限収納
3.変幻自在
4.並列思考
5.スキルコピー
5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる