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- 第三期・この世界の歴史と未来 -
第102話 豚の王たちとの戦闘・其之壱
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「小生意気な魔人よ、まずは、お前から屠ってやろう。」
と、オークロードが、〝ズン!ズン!〟と近づいてきて、全身を〝カッ!〟と白く光らせた。
上から下へ、〝ビュオッ!〟と迫りくる大剣を、俺は、間一髪、大きなバックステップで躱す。
空を切った2.5M程の刃の先が、
ズドォンッ!!
と地面に当たり、長さ50㎝ぐらいの亀裂を生じさせたのである。
「あっぶねぇー。」
と、一安心する俺を、
「フンッ!」
とロードが見下す。
「今のは? 物理攻撃がアップしたのか??」
と、首を傾げる俺の左斜め後ろから、トロールが、
「おそらくは、騎士のスキル、“縦断”かと…。」
「他に、“横断”と“突抜”があり、どれも100ポイントの消費MPで攻撃力を2倍にしてくれますが、大振りになってしまうため、扱いどころに悩まされるのが難点です。」
「ちなみに、LV.100以下は1日4回が限度で、100以上は8回となります。」
と説明しつつ、俺の前に〝スッ〟と立った。
「知能の低い木偶が流暢に喋るとは…、進化系か。」
と、自己完結した[豚の王]が再び体を光らせ、ラージソードを〝ギュンッ!〟と突き出す。
それを、トロールが、大楯で〝ガツンッ!!〟と防ぐも、力負けして蹌踉いたのである。
俺が、
「連発してきやがるとは…、よっぽど自信があるのか、単にバカなのか、或いは何かしらの秘策があるのか?」
と思案していたところ、ミノタウロス元帥が敵の右側に回り込んでいきながら、
「どれであれ、倒してしまえば問題ありますまい、ご主君。」
と、述べ、戦斧を右から左へと薙ぎ払ったが、オークロードのグレートシールドで〝ガシィンッ!!〟と阻まれてしまったのだ。
「ふんッぬッ!」
と大楯で元帥を押したオークロードが、仕返しとばかりに【シールドスウィング】を放つ。
右頬を〝ズバンッ!!〟と打たれて、いささかフラついたミノタウロスが、口内の血を、
「ブッ!」
と、吐いた。
俺たちが、そのようなバトルを展開していた最中に、眷属の半数くらいがロードを取り囲んでいったのである…。
一方で、残りの半分ぐらいは、一辺が6Mの【シールドルーム】を出現させている弟豚に、苛立ちを隠せずにいた。
勇者を筆頭に、魔法剣士であったり、何人かの騎士・戦士・剣士・武闘家・アサシンと、数体のジャイアントアント・ヘルハウンド・ハーピーなどが、代わる代わる四方や頭上からATTACKを試みるも、徒労に終わっていたからだ。
遠隔チームは、それなりに離れた場所で待機している。
【狙撃手】らが、弓矢にパチンコ(ウ○ップ風)や魔銃などを使おうとするも、一年生書記が、
「無駄撃ちになるだけですから、止めておきましょう。」
と諭した。
そんな彼女が、左隣に居る三年生ウィッチに、
「アレヲ、コワス、イイ、ホウホウワ、ナニカ、アリマセンカァ~?」
と、問われ、
「んー、そうですねぇ…。」
「内側からであれば、あのオークにダメージを与えられるのですが…、私たちは魔法もスキルも封じ込められていますからね…。」
と肩を落とす。
しかし、何かを思い出した三年の魔女によって、光明が差したのであった―。
と、オークロードが、〝ズン!ズン!〟と近づいてきて、全身を〝カッ!〟と白く光らせた。
上から下へ、〝ビュオッ!〟と迫りくる大剣を、俺は、間一髪、大きなバックステップで躱す。
空を切った2.5M程の刃の先が、
ズドォンッ!!
と地面に当たり、長さ50㎝ぐらいの亀裂を生じさせたのである。
「あっぶねぇー。」
と、一安心する俺を、
「フンッ!」
とロードが見下す。
「今のは? 物理攻撃がアップしたのか??」
と、首を傾げる俺の左斜め後ろから、トロールが、
「おそらくは、騎士のスキル、“縦断”かと…。」
「他に、“横断”と“突抜”があり、どれも100ポイントの消費MPで攻撃力を2倍にしてくれますが、大振りになってしまうため、扱いどころに悩まされるのが難点です。」
「ちなみに、LV.100以下は1日4回が限度で、100以上は8回となります。」
と説明しつつ、俺の前に〝スッ〟と立った。
「知能の低い木偶が流暢に喋るとは…、進化系か。」
と、自己完結した[豚の王]が再び体を光らせ、ラージソードを〝ギュンッ!〟と突き出す。
それを、トロールが、大楯で〝ガツンッ!!〟と防ぐも、力負けして蹌踉いたのである。
俺が、
「連発してきやがるとは…、よっぽど自信があるのか、単にバカなのか、或いは何かしらの秘策があるのか?」
と思案していたところ、ミノタウロス元帥が敵の右側に回り込んでいきながら、
「どれであれ、倒してしまえば問題ありますまい、ご主君。」
と、述べ、戦斧を右から左へと薙ぎ払ったが、オークロードのグレートシールドで〝ガシィンッ!!〟と阻まれてしまったのだ。
「ふんッぬッ!」
と大楯で元帥を押したオークロードが、仕返しとばかりに【シールドスウィング】を放つ。
右頬を〝ズバンッ!!〟と打たれて、いささかフラついたミノタウロスが、口内の血を、
「ブッ!」
と、吐いた。
俺たちが、そのようなバトルを展開していた最中に、眷属の半数くらいがロードを取り囲んでいったのである…。
一方で、残りの半分ぐらいは、一辺が6Mの【シールドルーム】を出現させている弟豚に、苛立ちを隠せずにいた。
勇者を筆頭に、魔法剣士であったり、何人かの騎士・戦士・剣士・武闘家・アサシンと、数体のジャイアントアント・ヘルハウンド・ハーピーなどが、代わる代わる四方や頭上からATTACKを試みるも、徒労に終わっていたからだ。
遠隔チームは、それなりに離れた場所で待機している。
【狙撃手】らが、弓矢にパチンコ(ウ○ップ風)や魔銃などを使おうとするも、一年生書記が、
「無駄撃ちになるだけですから、止めておきましょう。」
と諭した。
そんな彼女が、左隣に居る三年生ウィッチに、
「アレヲ、コワス、イイ、ホウホウワ、ナニカ、アリマセンカァ~?」
と、問われ、
「んー、そうですねぇ…。」
「内側からであれば、あのオークにダメージを与えられるのですが…、私たちは魔法もスキルも封じ込められていますからね…。」
と肩を落とす。
しかし、何かを思い出した三年の魔女によって、光明が差したのであった―。
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