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- 第三期・この世界の歴史と未来 -
第99話 変わりゆく未来
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そもそも、森人族の長が知っていた未来では、彼女たちがオーク軍を撃退し、これを再編した“豚の王”が自ら攻め込んでくるのだそうだ。
約250万の兵を率いて、二週間後に。
だが、こちらに合流した俺達に倒されてしまい、ロードを継いだ弟が復讐の機会を耽々と狙うようになるらしい。
しかし、その流れは既に変わってしまったのである。
ジャイアントアント参謀役が、北方領主に、
「貴女が、私たちと戦おうとしなかったのは、〝別の目的があったから〟という訳ですね?」
と、確認した。
これに、“混血の姫”が、
「はい。戦闘のどさくさに紛れて、四将軍である“オークウォリアー”の背後を突こうと、画策しておりましたので…。」
と返し、領主補佐役が、
「私が、“念話”を用いて、姫に伝えました。」
と、続いたのである。
トーキーの大将軍が、
「それで、ご主君。」
「恐れながら、この者らの処分は如何様に?」
と窺い、中将軍が、
「殺すおつもりでしょうか?」
と、尋ねてきたので、俺は、
「いや…、どの道、現在の王を死滅させ、次のロードを擁立するのであれば、俺達や、エルフの国に、敵意を向けない者が最適だ。」
「なので、この姫を、女王に即位させる!」
と宣言したのだ。
「我々に、お力添えして戴けるので?」
と、目を丸くする魔術師のハーフオークに、
「ああ。」
「ただし…、念のために保険を掛けさせてもらうぞ。」
と、告げて、[MP回復ポーション]を摂取した俺は、北方領主に【チャーム】を、補佐役に【絶対服従】を発動したのだった。
「じゃあ、明日にでも王城へと乗り込んで、オークロードを打ち負かそう!」
と俺が方針を決めたところ、半獣の二人が〝スッ〟と立ち上がったのである。
そして、オーク族の姫が、
「それでは、私どもの住み家へと御案内しましょう。」
「補佐役、お願いします。」
と指示し、
「はッ!」
と、応じた彼が【瞬間転移】を使おうとしたら、森人族の長が、
「すみませんが、私は都に帰ることにします。」
と述べた。
「ん?なんでだ??」
と、軽く首を傾げる俺に、
「“この先”が、違う展開になってきたようですので…、もしかしたら、鳥族の進軍が早まり、2~3日中にでも、国境付近に到着するかもしれません。」
「その為、西に目を光らせておきたいのです。」
と説明したのである。
「つまり…、どのようになるかは未だ分からないと?」
と、疑問を呈した俺に、
「はい。“新たな今後”に関しては、未だ何も授かっていません。」
と答えた。
なんでも、国主のスキル【見通す眼《まなこ》】は、予知夢との事だ。
それは、某・超大作[AK○RA]における“キ○コ”と同一なのであろう。
いずれにせよ、
「ご一緒いたします。」
と、会釈したハーフエルフの補佐官を伴い、首都へと“転移”する国主であった。
人口50万ほどの街には中央広場が在り、その北西に城が立っていた。
大きさは各国の王城の半分くらいだろう。
いずれにせよ、それは、北方領主の住まいである。
俺と、聖女や、勇者には、それぞれの部屋を用意させた。
他の者たちは5千人程を収容できる庭園にテント(ゲル)を張らせてもらったのだ。
「二時間後には夕食の準備が整うでしょうから、皆さんを城内にお招き致します。」
と述べたオーク族の姫が、
「それまでの間、魔人様には、お話がありますので、私の部屋へ…。」
と、誘うのだった―。
約250万の兵を率いて、二週間後に。
だが、こちらに合流した俺達に倒されてしまい、ロードを継いだ弟が復讐の機会を耽々と狙うようになるらしい。
しかし、その流れは既に変わってしまったのである。
ジャイアントアント参謀役が、北方領主に、
「貴女が、私たちと戦おうとしなかったのは、〝別の目的があったから〟という訳ですね?」
と、確認した。
これに、“混血の姫”が、
「はい。戦闘のどさくさに紛れて、四将軍である“オークウォリアー”の背後を突こうと、画策しておりましたので…。」
と返し、領主補佐役が、
「私が、“念話”を用いて、姫に伝えました。」
と、続いたのである。
トーキーの大将軍が、
「それで、ご主君。」
「恐れながら、この者らの処分は如何様に?」
と窺い、中将軍が、
「殺すおつもりでしょうか?」
と、尋ねてきたので、俺は、
「いや…、どの道、現在の王を死滅させ、次のロードを擁立するのであれば、俺達や、エルフの国に、敵意を向けない者が最適だ。」
「なので、この姫を、女王に即位させる!」
と宣言したのだ。
「我々に、お力添えして戴けるので?」
と、目を丸くする魔術師のハーフオークに、
「ああ。」
「ただし…、念のために保険を掛けさせてもらうぞ。」
と、告げて、[MP回復ポーション]を摂取した俺は、北方領主に【チャーム】を、補佐役に【絶対服従】を発動したのだった。
「じゃあ、明日にでも王城へと乗り込んで、オークロードを打ち負かそう!」
と俺が方針を決めたところ、半獣の二人が〝スッ〟と立ち上がったのである。
そして、オーク族の姫が、
「それでは、私どもの住み家へと御案内しましょう。」
「補佐役、お願いします。」
と指示し、
「はッ!」
と、応じた彼が【瞬間転移】を使おうとしたら、森人族の長が、
「すみませんが、私は都に帰ることにします。」
と述べた。
「ん?なんでだ??」
と、軽く首を傾げる俺に、
「“この先”が、違う展開になってきたようですので…、もしかしたら、鳥族の進軍が早まり、2~3日中にでも、国境付近に到着するかもしれません。」
「その為、西に目を光らせておきたいのです。」
と説明したのである。
「つまり…、どのようになるかは未だ分からないと?」
と、疑問を呈した俺に、
「はい。“新たな今後”に関しては、未だ何も授かっていません。」
と答えた。
なんでも、国主のスキル【見通す眼《まなこ》】は、予知夢との事だ。
それは、某・超大作[AK○RA]における“キ○コ”と同一なのであろう。
いずれにせよ、
「ご一緒いたします。」
と、会釈したハーフエルフの補佐官を伴い、首都へと“転移”する国主であった。
人口50万ほどの街には中央広場が在り、その北西に城が立っていた。
大きさは各国の王城の半分くらいだろう。
いずれにせよ、それは、北方領主の住まいである。
俺と、聖女や、勇者には、それぞれの部屋を用意させた。
他の者たちは5千人程を収容できる庭園にテント(ゲル)を張らせてもらったのだ。
「二時間後には夕食の準備が整うでしょうから、皆さんを城内にお招き致します。」
と述べたオーク族の姫が、
「それまでの間、魔人様には、お話がありますので、私の部屋へ…。」
と、誘うのだった―。
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