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- 第三期・この世界の歴史と未来 -
第95話 オーク軍・其之伍
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再び、巨体を〝カッ!〟と光らせたトロールが、大楯を〝ブンッ!〟と振るう。
そのグレートシールドが、ハイオークの兜の右側に、
ガシンッ!!
と当たり、〝ビッキィンッ!〟と亀裂を生じさせた。
これは、楯を装備しているときにだけ使用できる【シールドスウィング】(消費MPは1回につき40ポイント)というスキルであり、レベルが100以下だと1日5回が限度で、100以上であれば10回になるみたいだ。
改めて距離を取る豚の獣人を、ミノタウロス元帥やトロールに虎の獣人と、4体ずつのジャイアントアント/ヘルハウンド/アラクネ/ラミア/ハーピーなどのモンスター達が、囲んでいく。
全員で押え込むつもりのようだが、そのことを察したらしい敵が体を光らせた次の瞬間、“鋸の大剣”を真横にしながら、勢いよく〝グルンッ!!〟と左に一回転した。
それによって、ハイオークを軸に“輪”となった風の斬撃が、360方位に〝ビュオッ!!〟と放たれ、まともにヒットしてしまった魔物らが吹き飛ばされたのである。
どうやら、戦士用のスキル【一掃《いっそう》】(消費MPは1回につき100ポイント)というものらしく、LV.100以下は1日2回の制限で、100以上であれば4回になるらしい。
ドワーフと魔石による防具+加護がなければ、即死するなり、深傷を負っていたであろう。
だが、それらのお陰で、個体差はあるものの、HPの30~60%を削られただけで済んだみたいだ。
「ぬぅ~ッ。しぶとい奴らめ!」
「必ず仕留めてやろうぞッ!」
と、同じ技を繰り出そうとする敵の背後に、直径2Mの魔法陣が現れ、幅10㎝×長さ1.5Mの“水の矢”が、20本ほど、
ビュンッ!ビュンッ!ビュンッ!ビュンッ!
と発せられた。
それを、背中に、
ズブシュッ!ズブシュッ!ズブシュッ!ズブシュッ!
と、くらいまくったハイオークが、
「ぐおッ!!」
と地面に両膝を屈す。
この攻撃は、俺の右隣に佇む国主によるものだった。
敵が、
「うぅッ。」
と、呻きながら、自身の[アイテムBOX]に左手を突っ込む。
おそらく、“回復ポーション”を掴み出すつもりなのであろう。
それに気付いた森人族の長が、
「限りなき御方、ありったけの魔力を投じて、止めを!」
と促してきたので、俺は、ハイオークを中心に直径4Mの赤い魔法陣を展開したのである。
そして、幅4M×高さ10Mの[炎の柱]を、
ズボオオオオォォォォッ!!!!
と、噴き上げさせたのだ。
この“炎柱”(決して煉獄○寿郎ではない)に焼かれ続けるハイオークが、
「うがああああぁぁぁぁッ!!!!」
と喚く。
10秒後に、炎が〝フッ〟と消えると、こんがりになった敵が、うつ伏せに〝ズドンッ!!〟と倒れたのである。
結果、俺のレベルが1つUPして、117になったので、息絶えたに違いない。
なにはともあれ、1000ポイントものMPを消費した俺の火炎によって、焼豚の香ばしい匂いが辺りに漂っていく。
これに我慢できなかったのであろう、俺の方を振り向いたミノタウロスが、
「ご主君…、食しても?」
と、窺ってきたのだ。
他のモンスターらにも視線を送ってみたところ、肉食系の面子が涎を垂れ流しそうになっていたので、
「お、おう…。仲良く分けろよ…。」
と許可したのであった―。
そのグレートシールドが、ハイオークの兜の右側に、
ガシンッ!!
と当たり、〝ビッキィンッ!〟と亀裂を生じさせた。
これは、楯を装備しているときにだけ使用できる【シールドスウィング】(消費MPは1回につき40ポイント)というスキルであり、レベルが100以下だと1日5回が限度で、100以上であれば10回になるみたいだ。
改めて距離を取る豚の獣人を、ミノタウロス元帥やトロールに虎の獣人と、4体ずつのジャイアントアント/ヘルハウンド/アラクネ/ラミア/ハーピーなどのモンスター達が、囲んでいく。
全員で押え込むつもりのようだが、そのことを察したらしい敵が体を光らせた次の瞬間、“鋸の大剣”を真横にしながら、勢いよく〝グルンッ!!〟と左に一回転した。
それによって、ハイオークを軸に“輪”となった風の斬撃が、360方位に〝ビュオッ!!〟と放たれ、まともにヒットしてしまった魔物らが吹き飛ばされたのである。
どうやら、戦士用のスキル【一掃《いっそう》】(消費MPは1回につき100ポイント)というものらしく、LV.100以下は1日2回の制限で、100以上であれば4回になるらしい。
ドワーフと魔石による防具+加護がなければ、即死するなり、深傷を負っていたであろう。
だが、それらのお陰で、個体差はあるものの、HPの30~60%を削られただけで済んだみたいだ。
「ぬぅ~ッ。しぶとい奴らめ!」
「必ず仕留めてやろうぞッ!」
と、同じ技を繰り出そうとする敵の背後に、直径2Mの魔法陣が現れ、幅10㎝×長さ1.5Mの“水の矢”が、20本ほど、
ビュンッ!ビュンッ!ビュンッ!ビュンッ!
と発せられた。
それを、背中に、
ズブシュッ!ズブシュッ!ズブシュッ!ズブシュッ!
と、くらいまくったハイオークが、
「ぐおッ!!」
と地面に両膝を屈す。
この攻撃は、俺の右隣に佇む国主によるものだった。
敵が、
「うぅッ。」
と、呻きながら、自身の[アイテムBOX]に左手を突っ込む。
おそらく、“回復ポーション”を掴み出すつもりなのであろう。
それに気付いた森人族の長が、
「限りなき御方、ありったけの魔力を投じて、止めを!」
と促してきたので、俺は、ハイオークを中心に直径4Mの赤い魔法陣を展開したのである。
そして、幅4M×高さ10Mの[炎の柱]を、
ズボオオオオォォォォッ!!!!
と、噴き上げさせたのだ。
この“炎柱”(決して煉獄○寿郎ではない)に焼かれ続けるハイオークが、
「うがああああぁぁぁぁッ!!!!」
と喚く。
10秒後に、炎が〝フッ〟と消えると、こんがりになった敵が、うつ伏せに〝ズドンッ!!〟と倒れたのである。
結果、俺のレベルが1つUPして、117になったので、息絶えたに違いない。
なにはともあれ、1000ポイントものMPを消費した俺の火炎によって、焼豚の香ばしい匂いが辺りに漂っていく。
これに我慢できなかったのであろう、俺の方を振り向いたミノタウロスが、
「ご主君…、食しても?」
と、窺ってきたのだ。
他のモンスターらにも視線を送ってみたところ、肉食系の面子が涎を垂れ流しそうになっていたので、
「お、おう…。仲良く分けろよ…。」
と許可したのであった―。
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