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- 第三期・この世界の歴史と未来 -
第93話 オーク軍・其之参
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俺は、[大地の槍]の腹で、地面を〝ドンッ!〟と叩いた。
ハイオーク目掛けて、一直線上に、
ズドドドドドドドドッ!!
と隆起する地が、最大で3Mぐらいになっていく。
その状況で、
「ンッ!」
と、力を込めた敵の全身が、一瞬〝カッ!〟と白く光った。
そして、ノコギリのラージソードを、右下から左上へ、
ビュオッ!
と振るったハイオークによって、“土の塊”が、
ズドォンッ!!
と、砕かれてしまったのである。
(何だ? 今のは??)
と俺が首を傾げていたところ、〝ズン!ズン!〟と前に出て、巨躯を輝かせたミノタウロス元帥が、バトルアックスを右から左へと薙ぎ払う。
しかし、同様の行動をとった敵によって、
ガギィインッ!!
と、弾かれ、ヨロめいてしまったのである。
この二体を【可視化】でチェックしてみたところ、ある共通点が判明した。
どちらも、【破壊】(消費MPは1回につき50ポイント)という[戦士]用のスキルを収得していたのである。
おそらく、ミノタウロスは、自分より攻撃力が高い相手に押し戻されてしまったのであろう。
逆に、ハイオークは、ドワーフと魔石による“戦斧”に傷一つ負わせられなかったようだ。
他にも気付いた点がある。
元帥は、このスキルを1日5回までしか使用できないようだが、敵は1日10回になっていた。
双方のステータスを見てみたら、[レベルによって制限回数が変化]と表記されていたのだ。
どうやら、LV.100を上回っているか否かで、違いが生じるらしい。
ま、それはそれとして。
再び互いに“破壊”を発動させて、今度は左から右へと武器を振るったところ、パワー負けしたミノタウロス元帥が、バランスを崩しながら5~6歩ほど後退りしてしまったのだ。
この好機を見逃さないハイオークが“鋸の大剣”を上段に構える。
それを、おもいっきり振り下ろそうとした刹那、いつの間にか距離を詰めていた虎の獣人が、敵の左脚に、右のローキックを、
ズバンッ!
とヒットさせた。
「ぐぬッ!」
と、眉間にシワを寄せたハイオークが、仕返しとばかりに、身長2.5Mの虎型モンスターを狙う。
しかしながら、その体から光を放った虎が、上から迫りくるラージソードを左へと躱して、鉄製で銀色のトンファーを、敵の右脇腹に、
ズドンッ!
と当てたのである。
この一連の動きは、【カウンター】(消費MPは1回につき40ポイント)という[武闘家]ならではのスキルによるものであり、LV.100以下は1日10回で、100以上であれば20回は扱えるみたいだ。
これによって、鎧に罅を入れられたハイオークが、間合いを取るため、慎重に下がっていくのであった―。
ハイオーク目掛けて、一直線上に、
ズドドドドドドドドッ!!
と隆起する地が、最大で3Mぐらいになっていく。
その状況で、
「ンッ!」
と、力を込めた敵の全身が、一瞬〝カッ!〟と白く光った。
そして、ノコギリのラージソードを、右下から左上へ、
ビュオッ!
と振るったハイオークによって、“土の塊”が、
ズドォンッ!!
と、砕かれてしまったのである。
(何だ? 今のは??)
と俺が首を傾げていたところ、〝ズン!ズン!〟と前に出て、巨躯を輝かせたミノタウロス元帥が、バトルアックスを右から左へと薙ぎ払う。
しかし、同様の行動をとった敵によって、
ガギィインッ!!
と、弾かれ、ヨロめいてしまったのである。
この二体を【可視化】でチェックしてみたところ、ある共通点が判明した。
どちらも、【破壊】(消費MPは1回につき50ポイント)という[戦士]用のスキルを収得していたのである。
おそらく、ミノタウロスは、自分より攻撃力が高い相手に押し戻されてしまったのであろう。
逆に、ハイオークは、ドワーフと魔石による“戦斧”に傷一つ負わせられなかったようだ。
他にも気付いた点がある。
元帥は、このスキルを1日5回までしか使用できないようだが、敵は1日10回になっていた。
双方のステータスを見てみたら、[レベルによって制限回数が変化]と表記されていたのだ。
どうやら、LV.100を上回っているか否かで、違いが生じるらしい。
ま、それはそれとして。
再び互いに“破壊”を発動させて、今度は左から右へと武器を振るったところ、パワー負けしたミノタウロス元帥が、バランスを崩しながら5~6歩ほど後退りしてしまったのだ。
この好機を見逃さないハイオークが“鋸の大剣”を上段に構える。
それを、おもいっきり振り下ろそうとした刹那、いつの間にか距離を詰めていた虎の獣人が、敵の左脚に、右のローキックを、
ズバンッ!
とヒットさせた。
「ぐぬッ!」
と、眉間にシワを寄せたハイオークが、仕返しとばかりに、身長2.5Mの虎型モンスターを狙う。
しかしながら、その体から光を放った虎が、上から迫りくるラージソードを左へと躱して、鉄製で銀色のトンファーを、敵の右脇腹に、
ズドンッ!
と当てたのである。
この一連の動きは、【カウンター】(消費MPは1回につき40ポイント)という[武闘家]ならではのスキルによるものであり、LV.100以下は1日10回で、100以上であれば20回は扱えるみたいだ。
これによって、鎧に罅を入れられたハイオークが、間合いを取るため、慎重に下がっていくのであった―。
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