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- 第三期・この世界の歴史と未来 -
第87話 森人族の都
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エルフやハーフエルフらの話しによると、広大な森林の中心あたりに、人口10万ほどの都が在るらしい。
余談になるが、エルフ達は、各種族のなかでも数が少ないらしい。
長寿なので子孫繫栄に危機感がなかったり、自然を守る為に敢えて増やし過ぎないようにしていたり、といった具合のようだ。
また、環境保護を目的として、あまり土地を開拓していないとも語っていた。
他にも、ファンタジー系に詳しい一年生書記が、
「エルフとハーフエルフって、仲、良いんですか?」
「ハーフエルフの皆さんは、純血であるエルフに疎外迫害されていたりとかしません?」
と、質問したら、ハーフエルフ兄が、
「まぁ、差別的なエルフもいますが…、昔よりは減ったみたいで、割と受け入れてもらえます。」
と教えてくれたようだ。
トーキー王城の庭園で待機していた面子と合流した俺たちは、【魔導士】であるエルフ弟の[瞬間転移]で、彼らの首都の南側に出現した。
すると、その南門に14~15人のエルフが待ち構えて居たのである。
「お待ちしていましたよ。」
と声を掛けてきたのは、【クレリック】の白いローブを纏っている銀髪で初老の男性だった。
所謂〝ツンツン頭〟の彼は、ハーフエルフに違いない。
こちらの、エルフ姉が、
「補佐官殿!」
と、目を丸くする。
「あー、つまり…、国主のスキルで予見していた訳だな?」
と窺う俺に、[国主補佐官]が、
「左様で…。」
と、軽く会釈した後に、
「国主様が仰られるには、〝まず、エルフ並びにハーフエルフの4名と、トーキーの魔人殿だけ、都に入るように。〟〝他の方々は、申し訳ありませんが、暫くその場でお寛ぎください。〟との事です。」
と伝えたのだった。
補佐官の案内で、南の大通りを歩く俺を、奇異な目で見てくる者たちも少なくなかった。
あることに〝フ〟と気付いた俺が、
「エルフ以外のモンスターも、一緒に暮らしているのか?」
と、訊ねてみたところ、ショートボブのハーフエルフ妹が、
「はい。植物系と昆虫系のみ、この国での共存を許されています。」
と答え、その兄が、
「他の種族は、生態系を著しく壊しかねないので、原則、認められていません。」
と、続いたのである。
中央広場の南東に、国主用の、白くて縦長である4階建ての館が聳え立っている。
民家は平屋が多い。
チラホラ、2階建てもあったが…。
いずれにせよ、どれも木製かつ欧米風だ。
俺たちは、国主館内の、割とシックな装いである客間に通された。
数分後――。
ダークグリーンでカジュアルなドレス姿のエルフが、入室してきたのである。
オシャレな厚底サンダルを履いているので定かではないが、実際の背丈は165㎝くらいだろう。
金色の髪は、腰あたりまでの長さだ。
顔立ちは、某・ロー○スという名の島における戦記に登場する“ディー○リット”みたいな雰囲気である。
あくまでも印象なので、決して〝そっくり〟ではない。
念の為に。
何はともあれ、気品漂うその女性を認識するなり、冒険者のエルフ及びハーフエルフら4人が、テーブル席から起立し、
「お久しぶりです! 国主様!」
と恐縮したのである。
そんな彼女らに、
「やはり、私が〝先〟に見ていた光景と同じようですね。」
と、述べる[国主]だった―。
余談になるが、エルフ達は、各種族のなかでも数が少ないらしい。
長寿なので子孫繫栄に危機感がなかったり、自然を守る為に敢えて増やし過ぎないようにしていたり、といった具合のようだ。
また、環境保護を目的として、あまり土地を開拓していないとも語っていた。
他にも、ファンタジー系に詳しい一年生書記が、
「エルフとハーフエルフって、仲、良いんですか?」
「ハーフエルフの皆さんは、純血であるエルフに疎外迫害されていたりとかしません?」
と、質問したら、ハーフエルフ兄が、
「まぁ、差別的なエルフもいますが…、昔よりは減ったみたいで、割と受け入れてもらえます。」
と教えてくれたようだ。
トーキー王城の庭園で待機していた面子と合流した俺たちは、【魔導士】であるエルフ弟の[瞬間転移]で、彼らの首都の南側に出現した。
すると、その南門に14~15人のエルフが待ち構えて居たのである。
「お待ちしていましたよ。」
と声を掛けてきたのは、【クレリック】の白いローブを纏っている銀髪で初老の男性だった。
所謂〝ツンツン頭〟の彼は、ハーフエルフに違いない。
こちらの、エルフ姉が、
「補佐官殿!」
と、目を丸くする。
「あー、つまり…、国主のスキルで予見していた訳だな?」
と窺う俺に、[国主補佐官]が、
「左様で…。」
と、軽く会釈した後に、
「国主様が仰られるには、〝まず、エルフ並びにハーフエルフの4名と、トーキーの魔人殿だけ、都に入るように。〟〝他の方々は、申し訳ありませんが、暫くその場でお寛ぎください。〟との事です。」
と伝えたのだった。
補佐官の案内で、南の大通りを歩く俺を、奇異な目で見てくる者たちも少なくなかった。
あることに〝フ〟と気付いた俺が、
「エルフ以外のモンスターも、一緒に暮らしているのか?」
と、訊ねてみたところ、ショートボブのハーフエルフ妹が、
「はい。植物系と昆虫系のみ、この国での共存を許されています。」
と答え、その兄が、
「他の種族は、生態系を著しく壊しかねないので、原則、認められていません。」
と、続いたのである。
中央広場の南東に、国主用の、白くて縦長である4階建ての館が聳え立っている。
民家は平屋が多い。
チラホラ、2階建てもあったが…。
いずれにせよ、どれも木製かつ欧米風だ。
俺たちは、国主館内の、割とシックな装いである客間に通された。
数分後――。
ダークグリーンでカジュアルなドレス姿のエルフが、入室してきたのである。
オシャレな厚底サンダルを履いているので定かではないが、実際の背丈は165㎝くらいだろう。
金色の髪は、腰あたりまでの長さだ。
顔立ちは、某・ロー○スという名の島における戦記に登場する“ディー○リット”みたいな雰囲気である。
あくまでも印象なので、決して〝そっくり〟ではない。
念の為に。
何はともあれ、気品漂うその女性を認識するなり、冒険者のエルフ及びハーフエルフら4人が、テーブル席から起立し、
「お久しぶりです! 国主様!」
と恐縮したのである。
そんな彼女らに、
「やはり、私が〝先〟に見ていた光景と同じようですね。」
と、述べる[国主]だった―。
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