Arousal of NPC‘s

ネコのうた

文字の大きさ
上 下
85 / 101
Chapter 1/最初の国

№85 宝石洞窟奪還戦・転

しおりを挟む
“シールダーのシリウス”と“騎士のサーガ”が、親方・・の前で急ぎ鋼製はがねせいの[大楯]や[両手剣]を構える。
そのNPCを護るために。
こうしたなか、他のメンバーは“1M級のアリ”と戦いだした。
迫り来る約25数のアリ達を、“少女剣士のシューラ”などが迎え撃っている。
魔物らを“鉱夫の親方”に近づけまいと、それぞれ[武器]を振るう。
ちなみに、“アーチャー弓術士のサザミン”は矢をり、“ガンナー銃士のスイ”は発砲していた。
“少年黒魔術士のソソ”は、狙いを定めて、直径15㎝の【アイスボール】を放つ。
こういった状況で、“白魔術士のセイラン”と“召喚士のサキ”が[マジックワンド魔法の杖]を払ったり突きだす。
どちらも、[鋼の柄]は1.5Mの長さがあり、先端に[半球体のクリスタル]が付属している。
ただし、セイランのほうのクリスタルは透明で、サキのは黄色だ。
ともあれ。
着実にモンスターらを仕留めていく[Teamチーム Sエス]だった……。



シューラたちは、開けた空間の奥にあった[一本道]を歩いている。
その“緩やかな坂”を暫しくだったら、再び[木製の階段]が設置されていた。
今回の物は[踊り場]もあり、一同は左へと折れ、次の層に向かう。
ここからまた道を進んだところ、新たに開けた場所となる。
そこは、[中くらいの原石]が幾つか生えており、なかなかに明るい。
こうしたエリアには“ダークマウス.Jr”が見受けられた。
およそ20匹の魔物が、シューラ達に気づくなり、一斉に駆けだす。
それによって、[Team S]は次なるバトルを繰り広げてゆく。
なお、サキのリキャストタイムは、まだ終わっていない…。



モンスターを倒しきったパーティーが、各ポーションで回復する。
シューラたちから見て右側の壁には穴があった。
ここの鉱夫らが掘ったものだろう。
そちらへと視線を送ったシリウスが、
「移動すっか。」
このように勧めた事で、誰もが足を運ぶ……。

それまでと同様に、通路の天井と両脇は丸太で補強されている。
こうした所を通過したら、さっきと似たような空間に出た。
違いがあるとすれば、15個ぐらいの[木製宝箱]が点在していることだろう。
だいたいではあるが、どれも“幅60㎝×奥40㎝×高さ35㎝”と大きめのサイズ感だ。
「金銀財宝とか入っているのかしら??」
スイが首を傾げたところ、
「どれどれぇ~?」
“武闘家のサイザー”が最も近い宝箱へと歩く。
特にシューラとソソが〝ワクワク〟するなか、その箱をサイザーが開ける。
次の瞬間、捕食しようとジャンプしながら襲ってきた。
お約束の[ミミック]である。
「ぅおッ??!」
慌てたサイザーは、体勢が悪いままバックステップで躱し、尻餅を着く。
他の皆も〝宝箱がモンスターだった〟という事態に目を丸くしている。
一方のミミックは宙を〝ガシンッ!!〟と噛んだ。
これに反応したらしい別の魔物たちも、ふた、というか…、口を〝ガシャッ!ガシャッ!〟と開閉しつつ、跳びはねて、[Team S]に向かって来る。
サイザーは、自分を食べようとするミミックの底を、
「にゃろうッ!!」
右足で蹴った。
そのモンスターが地面に背を叩き付けられた隙に、サイザーが立ち上がる。
残る14個が距離を詰めてくるなか、仰向けになっているミミックは〝カタカタカタカタ〟と動いていた。
まるでジタバタするみたいに。
どうやら自力では起きられないようだ。
〝ハッ!〟としたシリウスが、
「全員、戦闘に移れ!!」
このように指示したことで、魔物らとのバトルを展開していくシューラ達であった―。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】精霊に選ばれなかった私は…

まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。 しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。 選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。 選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。 貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…? ☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

【完結】義妹とやらが現れましたが認めません。〜断罪劇の次世代たち〜

福田 杜季
ファンタジー
侯爵令嬢のセシリアのもとに、ある日突然、義妹だという少女が現れた。 彼女はメリル。父親の友人であった彼女の父が不幸に見舞われ、親族に虐げられていたところを父が引き取ったらしい。 だがこの女、セシリアの父に欲しいものを買わせまくったり、人の婚約者に媚を打ったり、夜会で非常識な言動をくり返して顰蹙を買ったりと、どうしようもない。 「お義姉さま!」           . . 「姉などと呼ばないでください、メリルさん」 しかし、今はまだ辛抱のとき。 セシリアは来たるべき時へ向け、画策する。 ──これは、20年前の断罪劇の続き。 喜劇がくり返されたとき、いま一度鉄槌は振り下ろされるのだ。 ※ご指摘を受けて題名を変更しました。作者の見通しが甘くてご迷惑をおかけいたします。 旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』 ※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。 ※本編完結済みで、毎日1話ずつ投稿していきます。

愛されない皇妃~最強の母になります!~

椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』 やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。 夫も子どもも――そして、皇妃の地位。 最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。 けれど、そこからが問題だ。 皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。 そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど…… 皇帝一家を倒した大魔女。 大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!? ※表紙は作成者様からお借りしてます。 ※他サイト様に掲載しております。

〈完結〉遅効性の毒

ごろごろみかん。
ファンタジー
「結婚されても、私は傍にいます。彼が、望むなら」 悲恋に酔う彼女に私は笑った。 そんなに私の立場が欲しいなら譲ってあげる。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない

一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。 クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。 さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。 両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。 ……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。 それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。 皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。 ※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

処理中です...