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Chapter 1/最初の国
№83 宝石洞窟奪還戦・起
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シリウスの眼前で[横長の薄型画面]が自動的に展開される。
そこには…、
宝石洞窟に向かいますか?
・YES
・NO
と書かれていた。
後ろを振り返り、
「準備はいいよな??」
確認したリーダーに、仲間が頷く。
これによって、シリウスが[YES]を選択したところ、
「ありがてぇ!!」
「恩に着るぜ!」
「そんじゃ早速、洞窟に行こう!!」
「俺に付いて来てくれ!」
そう言うなり歩きだした“NPC”である。
一方、
「お、ちょっと待て。」
シリウスを筆頭に慌てた[Team S]は、側で待機しているユニコーンに急ぎ跨った。
こうして、“親方”の後に続いてゆく……。
[鉱員の宿泊施設]から南東に土路を進んだシューラ達は、洞窟の正面に到着している。
小雨が降るなか、親方の頭上に[金色のダイヤマーク]が現れた。
下馬したシリウスが、
「ここが目的地だな?」
そのように尋ねたら、
「儂も一緒に入るが、戦うのは任せた!!」
「よろしくな!」
親方が〝ニカッ〟とする。
「もしかして…、この“おやっさん”を死なせてしまったら報酬が貰えないパターンか??」
首を傾げた“武闘家のサイザー”に、
「その可能性はあると思う。」
“少女剣士のシューラ”が述べた。
「よし、じゃぁ、気に掛けながら魔物を倒していこう。」
こう提案したシリウスに、パーティーが賛成する。
それによって、洞窟に踏み込んでいく[Team S]であった……。
内部は一本道となっており、幅は2Mあたりだ。
このため、二列になって歩いている。
先頭は“アサシンのシエル”と“武士のソリュウ”で、最後尾が“親方”だ。
まばらではあるが、道には原石が見受けられた。
それらが光を発しているおかげで、まぁまぁ明るい。
こうしたところへ、前方より“モンスターグループ”が走ってきた。
数は10匹くらいだろう。
四足歩行のソイツラは“ケーブリザード”という種類で、全長は平均1.5Mだ。
顔だけ後ろを向いたソリュウが、
「取り敢えず、サーヴァントは召喚しないでくれ!!」
「今は、密集度が高まると戦いづらくなる!」
そのように告げ、
「分かった!!」
サキが応じる。
ここから、バトルが開始されてゆく。
地面は当然ながら壁をも伝ってくるケーブリザードは、それなりに素早い。
しかし、スピードに勝るシエルが、【毒】を付与した[ダガー]で斬りつけた。
ソリュウやシューラにサーガも“洞窟トカゲ”の速度に対応しきれているようだ。
他のメンバーは少し翻弄されている。
“陰陽師のソウヤ”がいれば5秒だけでも動きを封じられただろうが、それを言っても仕方がない。
悲しくも理解している[Team S]は、誰一人として口にしなかった。
こうしたなか、サザミンの射った矢が刺さったケーブリザードが【混乱】をきたす。
スイの[ボルトアクションライフル]で撃たれた“洞窟トカゲ”は20%スピードダウンしている。
それを狙った“少年黒魔術士のソソ”が、直径15㎝の【サンダーボール】をヒットさせ、HPを削るのと共に痺れさせた。
シリウスは[大楯]を用いて“召喚士のサキ・白魔術士のセイラン・親方”を護っている。
ここを“騎士のサーガ”がフォローしていた。
そうした状況で、壁にいる1体のケーブリザードが、サイザーの後頭部に、尻尾を振るう。
「ぬがッ?!」
直撃してフラつく武闘家の右腕に、別の1匹が噛み付く。
これによって、
「ぐあッ!!」
サイザーが苦しみだす。
どうやら【ポイズン】に侵食されたみたいだ。
気づいたセイランが、
「インタフィア・リリース!」
すぐさま【障害解除】を使った。
自由になって、
「助かったぜ!!」
「サンキュー!」
そのように声をかけたサイザーは、さっき噛んだ“洞窟トカゲ”に[トンファー]を払う。
顔の左側面を殴られたケーブリザードが、地面に落ちる。
尻尾で攻撃した“洞窟トカゲ”には、ソソが“最大幅5㎝×長さ15㎝の三日月状”といった【風の刃】を当てた。
こうした流れで、シューラたちは魔物を殲滅していく―。
そこには…、
宝石洞窟に向かいますか?
・YES
・NO
と書かれていた。
後ろを振り返り、
「準備はいいよな??」
確認したリーダーに、仲間が頷く。
これによって、シリウスが[YES]を選択したところ、
「ありがてぇ!!」
「恩に着るぜ!」
「そんじゃ早速、洞窟に行こう!!」
「俺に付いて来てくれ!」
そう言うなり歩きだした“NPC”である。
一方、
「お、ちょっと待て。」
シリウスを筆頭に慌てた[Team S]は、側で待機しているユニコーンに急ぎ跨った。
こうして、“親方”の後に続いてゆく……。
[鉱員の宿泊施設]から南東に土路を進んだシューラ達は、洞窟の正面に到着している。
小雨が降るなか、親方の頭上に[金色のダイヤマーク]が現れた。
下馬したシリウスが、
「ここが目的地だな?」
そのように尋ねたら、
「儂も一緒に入るが、戦うのは任せた!!」
「よろしくな!」
親方が〝ニカッ〟とする。
「もしかして…、この“おやっさん”を死なせてしまったら報酬が貰えないパターンか??」
首を傾げた“武闘家のサイザー”に、
「その可能性はあると思う。」
“少女剣士のシューラ”が述べた。
「よし、じゃぁ、気に掛けながら魔物を倒していこう。」
こう提案したシリウスに、パーティーが賛成する。
それによって、洞窟に踏み込んでいく[Team S]であった……。
内部は一本道となっており、幅は2Mあたりだ。
このため、二列になって歩いている。
先頭は“アサシンのシエル”と“武士のソリュウ”で、最後尾が“親方”だ。
まばらではあるが、道には原石が見受けられた。
それらが光を発しているおかげで、まぁまぁ明るい。
こうしたところへ、前方より“モンスターグループ”が走ってきた。
数は10匹くらいだろう。
四足歩行のソイツラは“ケーブリザード”という種類で、全長は平均1.5Mだ。
顔だけ後ろを向いたソリュウが、
「取り敢えず、サーヴァントは召喚しないでくれ!!」
「今は、密集度が高まると戦いづらくなる!」
そのように告げ、
「分かった!!」
サキが応じる。
ここから、バトルが開始されてゆく。
地面は当然ながら壁をも伝ってくるケーブリザードは、それなりに素早い。
しかし、スピードに勝るシエルが、【毒】を付与した[ダガー]で斬りつけた。
ソリュウやシューラにサーガも“洞窟トカゲ”の速度に対応しきれているようだ。
他のメンバーは少し翻弄されている。
“陰陽師のソウヤ”がいれば5秒だけでも動きを封じられただろうが、それを言っても仕方がない。
悲しくも理解している[Team S]は、誰一人として口にしなかった。
こうしたなか、サザミンの射った矢が刺さったケーブリザードが【混乱】をきたす。
スイの[ボルトアクションライフル]で撃たれた“洞窟トカゲ”は20%スピードダウンしている。
それを狙った“少年黒魔術士のソソ”が、直径15㎝の【サンダーボール】をヒットさせ、HPを削るのと共に痺れさせた。
シリウスは[大楯]を用いて“召喚士のサキ・白魔術士のセイラン・親方”を護っている。
ここを“騎士のサーガ”がフォローしていた。
そうした状況で、壁にいる1体のケーブリザードが、サイザーの後頭部に、尻尾を振るう。
「ぬがッ?!」
直撃してフラつく武闘家の右腕に、別の1匹が噛み付く。
これによって、
「ぐあッ!!」
サイザーが苦しみだす。
どうやら【ポイズン】に侵食されたみたいだ。
気づいたセイランが、
「インタフィア・リリース!」
すぐさま【障害解除】を使った。
自由になって、
「助かったぜ!!」
「サンキュー!」
そのように声をかけたサイザーは、さっき噛んだ“洞窟トカゲ”に[トンファー]を払う。
顔の左側面を殴られたケーブリザードが、地面に落ちる。
尻尾で攻撃した“洞窟トカゲ”には、ソソが“最大幅5㎝×長さ15㎝の三日月状”といった【風の刃】を当てた。
こうした流れで、シューラたちは魔物を殲滅していく―。
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