Arousal of NPC‘s

ネコのうた

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Chapter 1/最初の国

№77 あっちこっちそっち⑪

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「ご苦労様です!」
「おかげで、ひとつ脅威が去りました。」
「こちらは証明書となりますので、ギルドに提出してください。」
そう喋った兵士の一人が、丸めた形状にて紐で縛った“用紙”を渡してくる。
“シールダーのシリウス”が受け取ったら、
「ところで。」
「あなたが戦っている最中に、司祭らしき人が遠くに見えたのですが、あの大きなカブトムシが倒されるなり、どこかへと移動しました。」
「いったい何者だったのでしょうか?」
「……、ま、分からないので、考えても仕方ありませんね。」
「それでは、これより我々は帝都に戻って上に報告しますので、お先に失礼します。」
このように語った兵が、もう一人と共に“半透明で金色の球体”に包まれ、〝パッ〟と姿を消した。
「ここでも、司祭・・か。」
「なんなんだろうな、ソイツは。」
首を傾げた“武闘家のサイザー”に、
「何かしら暗躍しておるのだろうが、見当が付かんな。」
“武士のソリュウ”が述べる。
そうしたところで、
「とりあえず、私達も、ここから出よう。」
皆に“剣士のシューラ”が伝えた。
これによって、[帰還の羅針盤]を選択したシリウスである…。

[Teamチーム Sエス]は、渓谷の外、西側に、移った。
兵士たちが使っていた[三角テント]は既に片づけられている。
その場所で、改めて[画面]を開いたシリウスが、【瞬間移動】を行なう。

なお、全員が1つずつレベルアップしていた……。



徒歩の[Team Zゼット]が、渓谷の西に辿り着く。
ここには、二人の兵と、[オクシーズ]が、佇んでいた。
リーダーである“男性剣士のザイラ”が、
「やっぱり、一緒に戦えるってことかな??」
 “男性騎士のオグリアー”に声をかける。
それによって、
「また会えたね。」
「早速だけど、手を組もう。」
共闘を申請してくるオグリアーであった…。



渓谷内で、ほぼ同時に〝はぁ―〟と息を吐いたのは、[イッチューズ]の女子三人組である。
現在は、魔物らの“第三陣”を殲滅し終えたところだ。
“昆虫モンスター”との連戦にて、精神的に疲れているらしい。
こうした彼女らを意に介さず、[エイディズ]が先へと進んでゆく。
ま、[NPC]なので仕方ない。
「よし、俺達も続こう。」
ヤトが促した事で、より一層に〝げんなり〟する女性陣だった……。



仲良しパーティ―の[Team Kケイ]は、いまだフィールドを北東へと歩いている…。



[Team Dディー]が、ボスキャラの“ジェネラルビートル”に勝利した。
が。
誰の表情も暗い。
褐色肌である“女性アサシンのダイナー”などの近くでは、[白く輝く泡]が揺蕩たゆたっている。
しかも、二ヵ所・・・で。
要は〝メンバーの2人を失った〟ということだ。
重苦しい空気のなか、
「落胆しておったところで、何も変わらん。」
「あの者らのぶんまで強くなろう。」
仙人みたいな“武闘家のドギッシュ”が、哀しそうにしながら告げた。
「……、確かに、ね。」
ダイナーが呟くようにして理解を示した事で、他の顔ぶれが揃って無言で頷く。
ちなみに、12人だったグループは、10人となっている。
何はともあれ。
流れで兵士に話しかけるダイナーであった…。



[Team S]は、都の“中央広場”に【テレポート】している。
すると、シリウスの眼前に、[薄型の横長画面]が自動的に現れた。
軽く〝ん?〟と反応したリーダーを、
「どうかしたの??」
ガンナー銃士のスイ”が窺う。
「いや、なんでも“闘技場イベント”とやらが開催されるらしい。」
そう述べたシリウスに、
「どんな感じだ?」
サイザーが尋ねる。
これによって、
「ちょっと待ってくれ。」
「今、目を通すから。」
内容をチェックしていくシリウスだった―。
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