Arousal of NPC‘s

猫乃麗雅

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Chapter 1/最初の国

№61 あっちこっちそっち⑨

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シリウスとオグリアーの正面に、[薄型の横長スクリーン]が自動的に展開される。
ここには…、
    フラルン帝都ノースイーストギルドよりの通知です。
    兵士の報告にて魔物たちの退却が確認されました。
    これより、被害状況や敵の本拠地を、都が調査します。
    討伐戦に参加してくださった方々には、後日、報酬が支払われる予定です。
    追って連絡しますので、それまでは自由にお過ごしください。
そう記載されていた。
読み上げたシリウスが、[画面]を閉じたタイミングで、オグリアーの頭上に[金色のダイヤマーク]が出現する。
リーダーのシリウスが話しかけたところ、
「協力したことで勝利を収められたね。」
「僕らだけでは無理だったかもしれないから感謝するよ。」
「これで共闘を解消するけど、いつかどこかで再会して、また手を組む必要があったときには、よろしく頼む。」
「それじゃ、僕達はこれで失礼させてもらう。」
このように語ったオグリアーが、仲間と共に西へと去っていく。
すると、[Teamチーム Sエス]の眼前が暗くなるのであった…。

1秒後。
全員の視界が明るくなる。
「お。」
「中央広場に戻ったみたいだな。」
そう呟いたのは、サイザーだ。
他のメンバーも認識した流れで、
「この後どうするの?」
シエルの質問に、
「…………。」
「現実世界での明日あす午前八時まで何もないらしい。」
シューラが答えたら、
「じゃあ、解散すっか。」
こっち・・・は早朝で、どの店もまだ閉まってるし。」
こう提案するシリウスだった。
それによって、ソソが落ち込む。
この様子に気づいたサーガに、
「俺の家に来るかい?」
優しく声をかけられ、
「うん!!」
元気よく応じたソソである……。



数秒後、[サークルスクエア円形広場]の東側に転送されたのは、[Team Dディー]であった。
“アサシン”のダイナーが、
「ふぅ。」
「なんとか誰も死なずに済んだわね。」
そう安堵したところ、
「ま、何回か危なかったけどな。」
“戦士”たるダーランが苦笑いする…。

同じ頃、広場の北側には、[Team Zゼット]の姿が見受けられた。
「いろいろと上手くいったわね。」
こう口を開いた“陰陽師”たるゼンに、
「やっぱりオクシーズに力を貸してもらったのが大きかったな。」
“剣士”のザイラが穏やかに述べる。
「それもそうだけど……。」
「何より喜ばしいのは、ゾースが消滅した事よ。」
ほぼ無表情で意見した“武闘家”であるジリ―に、皆が頷く。
全員が解放感に浸っていくなか、
「じゃ、僕らは一旦スリープ・・・・しよう。」
“白魔術士”のゼシューが勧めるのだった……。



およそ30分が経っている。
の広場で〝ニコニコ〟しながら解散したのは、[Team Kケイ]だ。
その近くにログインしてきたのは“ヤト”であった。
彼の正面に[横長スクリーン]が自動で展開する。
内容としては〝イベントに参加するか否か〟の確認だった。
「とりあえず、後にして、と…。」
[画面]を閉じたヤトが、周りを〝キョロキョロ〟しだす。
(んー、いないか、あの“金髪の子”。)
(まぁ、イベントのスタートは7時だったからな。)
(もう既に達成して、ログアウトしてんのかも。)
こう思った彼に、
「おぉ~い!」
手を振りながら、小走りで寄ってきたのは、クマッシーだ。
更には、
「あ、居た。」
ニケも合流してくる。
その側で、カリン/セブン/エイトの女性陣も、次々と現れた……。

「よし、揃ったな。」
「そんじゃぁ、まずは、いろいろと売却して、ポーション類とかのアイテムを購入しようぜ。」
こう告げて、画面をオープンし、パーティー用・・・・・・の【瞬間移動】で[換金所]に向かうヤトであった―。
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