Arousal of NPC‘s

猫ノ謳

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Chapter 1/最初の国

№46 あっちそっちこっち➄

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フラルン帝都の[大食堂]にて。
“木製のさかずき”をテーブルに〝ドンッ!〟と置いたゾースが、
「なんで受けられるクエストが1つもねぇんだよッ?!!」
悪態をいた。
ここには、猫の“シャトルリュー”を資産家のもとへ届けた[Teamチーム Zゼット]のメンバーが見受けられる。
「周りの迷惑になるから落ち着きさいよ!」
半ばいきどおって諭したのは、“武闘家のジリ―”だ。
つまらなそうに舌打ちしたリーダーに、
「これから先、何かしらのクエストが追加されたり、イベントが起きるかもしれないから、気長に待とうよ。」
[女神の愛子まなご]である“白魔術士のゼシュー”が、いささかビビリながら話しかける。
その意見に納得しつつも、どこか不愉快そうにワインをあおる“戦士のゾース”であった…。
 
 

[Team Sエス]は、“落とし物のイヤリング”を探しに出ている。
[北の大通り]を南下しつつ、
「このクエストが終わったら、武器や防具を見に行くか?」
ふとサイザーが提案したところ、
「え??」
「ユニコーンは?」
ソソが不安げに尋ねた。
「私も、そっちに興味がある。」
「お金を貯めたいから、装備品を買うのは、また今度にしにしたい。」
このように主張したシューラを、
「さんせぇ~い。」
サザミンが後押しする。
「じゃ、そうすっか。」
なんとなく窺ったシリウスに、誰もが頷く。
それによって、上機嫌となるシューラ&ソソだった……。
 
 

既に“最西端の村”で農具を納めた[Team Kケイ]は、“闘技場”に赴いている。
イヤリングを賭けて“都の不良ども”とバトル中だ。
ちなみに、戦いは、拮抗していた…。
 
 

遺跡内にて。
廊下の魔物らを倒しきった[イッチューズ]は、“礼拝堂”に訪れている。
ここには、ふたグループのゴブリンたちと、[魔人の少女]が、存在していた。
なお、モンスターどもの数は、シューラ達のときに比べて半分くらいだ。
“ソロ”や“パーティーの規模”に合わせて変動しているらしい。
ともあれ。
動きだした“敵の第一陣”を迎え撃つべく、[中学生六人組]が態勢を整える……。
 
 

やや時間が経ち…。
“礼拝堂”での戦闘に、ヤトたちが勝利していた。
現在は、“錆びた鉄扉てっぴ”を開き、新たな廊下を進んでいる。
突き当りのL字を左に曲がって、更に歩いてゆく。
すると、右に“階段”が、左に“部屋”が設けられていた。
開けっ放しのドアから、ヤトが室内を覗き、
「魔物は居ないな。」
独り呟いた流れで、部屋に入っていく。
それに続いたニケが、テーブルに視線を送り、
「“書類”と“銀のグラス”が散乱してるだけか……。」
「しょうがない。」
「次のフロアに行こうぜ。」
リーダーに声をかける。
〝ふむ〟と反応を示したヤトが、
「だな。」
こう返したタイミングで、
「あの二人は、何がしたかったの??」
待機しているカリンが首を傾げた。
「あぁー。」
「こういった場所には、通貨やアイテムだったり、宝箱が、有ったりするんだ。」
「だから念の為に調べたんだろうけど、なんにも無かったみたいだね。」
そのようにクマッシーに教えてもらい、〝へぇ~〟と理解した女性陣である…。
 
 

同じ頃。
“古びた神殿”の正面へと近づく[Team Dディー]の背後より、
「おお、ここじゃ。」
「あれこそが、我々が目指しておった遺跡である。」
調査団の“おさ”が喋りだす。
足を止めた全員が振り向いたところ、
「体力などに不安があるのなら、今のうちに回復しておくが良かろう。」
「準備が整い次第、儂らのことは気にせず中へと進んで構わん。」
団長が告げたのである。
これを受け、
「そうしておきましょう。」
皆を促す“アサシンのダイナー”であった―。
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