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Chapter 1/最初の国
№42 フラルン要塞奪還戦・序
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[Team S] は、総指揮官や兵たち続いて、麓より“大雑把な石畳の道”へと足を踏み入れた。
ここから100メートルほど進んだ場所には、[鉄門]が設けられている。
なお、“道”も“門”も幅は4メートルあたりのようだ。
[石畳の道]の両サイドには草木が生い茂っていた。
そうした道を50メートルほど登ったところで、門が内側より開かれていく。
この流れで、いろいろなモンスターが押し寄せてくる。
面子は“ダークマウス.Jr/食人花/スライム/アルミラージ”が10匹ずつのようだ。
計40数の魔物を、総指揮官と兵士らが[剣]に[槍]で迎え撃つ。
が。
全体的に弱すぎる。
よく帝都から山あたりまで辿り着けたものだ。
いや、おそらくは、途中で、それなりに死んでしまったのだろう。
何はともあれ。
まともに戦えているのは総指揮官ぐらいで、兵達は次々と犠牲になっていく。
槍を使っている兵士らはモンスターどもを牽制しているが、いつまでもつかは分からない。
「倒れている兵隊たちが邪魔で、一斉には前に出れねぇな。」
「どうする?」
サイザーが誰ともなく訊ねたら、
「ふむ…。」
「遠距離型に攻撃してもらいながら、近距離型が一人ずつ向かって行くしかなろうな。」
「シリウスは念の為ここに残って、後方支援してくれる者らを護ってくれ。」
「なかには、突破してくる魔物がおるやもしれぬ故。」
こう周りに伝える【武士】のソリュウであった。
「オレは構わないが……、シューラは??」
“リーダー”に窺われ、
「ん。」
「了解。」
[金髪の少女剣士]が応じる。
「それじゃあ、まずは…、このパーティーで二番目に防御力が高い俺が。」
【騎士】たるサーガが“ツーハンデッドソード”を抜いたところで、
「ラウス。」
[白い小鳥]を出現させる【召喚士】のサキだった。
その[カラドリウス]が、メンバー全員のステータスを倍増させて、消えゆくなか、
「他の者は、まだ喚ばないよ。」
「こう密集していると、それぞれ動きづらくなるだろうからね。」
サキが告げる。
こうして、バトルを開始する[Team S]であった……。
▽
もともと50人ほどいた兵の多くが命を落としている。
あくまで[NPC]ではあるが…。
生き残ったのは、総指揮官を含めて20人程だろう。
なお、シューラ達は、一人たりとて欠けていない。
そんな[Team S]がポーション類で“HP”などを回復していく。
既に夜となっており、月と星々が地上を照らすなか、
「ここからは?」
シリウスが[総指揮官]に尋ねた。
「敵は、なかなか手強いな。」
「いや、弱音を吐いている場合ではなかった。」
「各部隊も心配なことだし、先を急ごう。」
こう喋った総指揮官が、鉄門へと歩いてゆく……。
▽
門を通過したところ、ちょっとした広場になっており、草が茂っていた。
「む??!」
総指揮官が不意に足を止めたタイミングで、北東より何者かたちが近づいて来る。
それは、[東班]の兵士達だった。
「お前ら…、無事だったか。」
こう声をかけた総指揮官に、
「それなりに亡くなってしまいましたが。」
兵の一人が答えながら、肩を落とす。
“東”も50人くらいで乗り込んだらしいが、やはり20人ほどまでに減っていた。
「そうか……。」
いささか無念そうにした総指揮官が、
「旅立った仲間を弔うためにも、今は任務に集中しよう。」
そのように励ましたのである…。
▽
要塞は基本的に“石造り”だ。
正面の[木製扉]を、総指揮官が両手で押していった。
内に入ってみたら、60頭のモンスターが待ち構えていたのである。
詳しくは“ゴブリン/ダークマウス.Jr/ダークドッグ.Jr”が20数ずつみたいだ。
一体のゴブリンが〝アンギャー!!〟と合図を送ったことで、魔物たちが突撃を始めた。
ソイツラに対して、総指揮官と兵隊の約40人が走りだすなか、
「ダクドニア!」
「リン!!」
サキが自身の[ダークドッグ.Jr]と[ゴブリン]を召喚する。
この最中に、臨戦態勢へ移るシューラ達であった―。
ここから100メートルほど進んだ場所には、[鉄門]が設けられている。
なお、“道”も“門”も幅は4メートルあたりのようだ。
[石畳の道]の両サイドには草木が生い茂っていた。
そうした道を50メートルほど登ったところで、門が内側より開かれていく。
この流れで、いろいろなモンスターが押し寄せてくる。
面子は“ダークマウス.Jr/食人花/スライム/アルミラージ”が10匹ずつのようだ。
計40数の魔物を、総指揮官と兵士らが[剣]に[槍]で迎え撃つ。
が。
全体的に弱すぎる。
よく帝都から山あたりまで辿り着けたものだ。
いや、おそらくは、途中で、それなりに死んでしまったのだろう。
何はともあれ。
まともに戦えているのは総指揮官ぐらいで、兵達は次々と犠牲になっていく。
槍を使っている兵士らはモンスターどもを牽制しているが、いつまでもつかは分からない。
「倒れている兵隊たちが邪魔で、一斉には前に出れねぇな。」
「どうする?」
サイザーが誰ともなく訊ねたら、
「ふむ…。」
「遠距離型に攻撃してもらいながら、近距離型が一人ずつ向かって行くしかなろうな。」
「シリウスは念の為ここに残って、後方支援してくれる者らを護ってくれ。」
「なかには、突破してくる魔物がおるやもしれぬ故。」
こう周りに伝える【武士】のソリュウであった。
「オレは構わないが……、シューラは??」
“リーダー”に窺われ、
「ん。」
「了解。」
[金髪の少女剣士]が応じる。
「それじゃあ、まずは…、このパーティーで二番目に防御力が高い俺が。」
【騎士】たるサーガが“ツーハンデッドソード”を抜いたところで、
「ラウス。」
[白い小鳥]を出現させる【召喚士】のサキだった。
その[カラドリウス]が、メンバー全員のステータスを倍増させて、消えゆくなか、
「他の者は、まだ喚ばないよ。」
「こう密集していると、それぞれ動きづらくなるだろうからね。」
サキが告げる。
こうして、バトルを開始する[Team S]であった……。
▽
もともと50人ほどいた兵の多くが命を落としている。
あくまで[NPC]ではあるが…。
生き残ったのは、総指揮官を含めて20人程だろう。
なお、シューラ達は、一人たりとて欠けていない。
そんな[Team S]がポーション類で“HP”などを回復していく。
既に夜となっており、月と星々が地上を照らすなか、
「ここからは?」
シリウスが[総指揮官]に尋ねた。
「敵は、なかなか手強いな。」
「いや、弱音を吐いている場合ではなかった。」
「各部隊も心配なことだし、先を急ごう。」
こう喋った総指揮官が、鉄門へと歩いてゆく……。
▽
門を通過したところ、ちょっとした広場になっており、草が茂っていた。
「む??!」
総指揮官が不意に足を止めたタイミングで、北東より何者かたちが近づいて来る。
それは、[東班]の兵士達だった。
「お前ら…、無事だったか。」
こう声をかけた総指揮官に、
「それなりに亡くなってしまいましたが。」
兵の一人が答えながら、肩を落とす。
“東”も50人くらいで乗り込んだらしいが、やはり20人ほどまでに減っていた。
「そうか……。」
いささか無念そうにした総指揮官が、
「旅立った仲間を弔うためにも、今は任務に集中しよう。」
そのように励ましたのである…。
▽
要塞は基本的に“石造り”だ。
正面の[木製扉]を、総指揮官が両手で押していった。
内に入ってみたら、60頭のモンスターが待ち構えていたのである。
詳しくは“ゴブリン/ダークマウス.Jr/ダークドッグ.Jr”が20数ずつみたいだ。
一体のゴブリンが〝アンギャー!!〟と合図を送ったことで、魔物たちが突撃を始めた。
ソイツラに対して、総指揮官と兵隊の約40人が走りだすなか、
「ダクドニア!」
「リン!!」
サキが自身の[ダークドッグ.Jr]と[ゴブリン]を召喚する。
この最中に、臨戦態勢へ移るシューラ達であった―。
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