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Chapter 1/最初の国
№36 あっちそっちこっち③
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闘技場内で。
セブンが[雷遁の術]を放つ。
現在は“直径10㎝×長さ無限”といったサイズを一本だけ発動できるみたいだ。
それがヒットした[黒髪ショートオールバックの女性武士]がダメージを負うのと同時に痺れて、両膝を地に着く。
すかさず武器で攻撃していくセブンを視界に捉え、
(あ、その手があったか。)
ふと気づいたのは、エイトである。
[金髪ゆるふわショートの女性アサシン]をギリギリまで引き付けると、
「雷の精霊!」
20㎝大で全身が黄色くツンツンヘアーの目つきが悪い“小人”を喚び寄せた。
この精霊が、すぐさま敵めがけて〝ビュンッ!!〟と飛んでゆく。
躱しきれず胸部に当たられたアサシンもまた感電して崩れ落ちる。
そこへ“炎”や“氷”などの精霊を次々と発動したエイトだった。
相手のHPを削っていくセブンにエイトではあったが、どちらもまだレベルが低い。
このため、女性の [武士]と[アサシン]は、数秒で麻痺状態から解かれたのである。
立ち上がるのと共に、武士が“木刀”を横へと払い、アサシンは[木製の短剣]で突きに掛かった。
二人とも距離を詰め過ぎていたので、咄嗟には回避できず、腹部に直撃してしまい「ぐッ!」や「きゃッ!!」と痛がる。
これによって、
「セブン?!」
ニケと、
「エイト!?」
クマッシーが、焦って後ろを振り向く。
そこへ、[白人の男性騎士]と[黒人の男性戦士]が“得物”を振り下ろす。
左肩に[木槍]を叩き付けられたニケは「ぎッ??!」と歯を食いしばった。
クマッシーは、[大楯]の正面に[木斧]がヒットしたので無傷だったものの、やや力が抜けていたので、若干フラつく。
バックステップで下がったセブンが、
「こっちは大丈夫だから、前に集中して!!」
ニケを促す。
「私も平気だよ!」
クマッシーに伝えたのは、当然エイトである。
〝ほッ〟と安堵した少年らは改めて“自分の敵”に専念していく。
こうしたタイミングで、“赤髪ソフトリーゼント”のパターンを読んだらしいヤトが、払われた[木製ヌンチャク]を下へと躱す。
その流れにて、がら空きとなっている右脇腹を[木刀]で突いた。
これを機にヤトが猛攻を仕掛ける。
カリンは、[黒人女性の弓術士]と互いに矢を射っては避けていた。
眉間に軽くシワを寄せ、
「らちが明かないわね。」
ふと呟いたカリンが、
「現状を打破するには、試しに…。」
標的を変えて[黒人の男性戦士]に矢を放ったのである。
それが左肩に刺さった敵は一瞬だけ停止した。
ここへ、防戦一方となっていたクマッシーが、
「うおりゃあぁ――ッ!!」
[大楯]を振りかぶったのである……。
コロッセウムの外にて。
[Team Z]の眼前には“赤髪ソフトリーゼント&ツーブロック”の青年らが佇んでいた。
数はゾース達に合わせて八人となっている。
「いいな? テメェら!」
「このガキどもを絶対にブッ倒すぞ!!」
味方に告げたゾースが[対決]を承諾したことによって、関係者の全員が【テレポート】したのであった…。
▽
道具屋の裏庭で。
「何か困ったことがあれば、いつでも訪ねてくれよ。」
「私にできそうな事であったら、お礼に協力させてもらうからさ。」
[Team D]に語ったオジサンが、奥さんと弟子に付き添われて、右足を引きずりつつ屋内へと入っていく。
「これで終わりか??」
“金色短髪で筋肉マッチョ”のダーランが首を傾げたところ、
「そうみたいだな。」
“黒髪サラサラショート”の【騎士】であるドゥーローが頷いた。
「これからどうするの?」
そのように窺ったのは、ディンラーだ。
彼女は“金髪ロング”の【剣士】である。
「確か、“南の大通り”でも猫が目撃されとるんじゃなかったか??」
仙人みたいなドギッシュが記憶を辿ったところで、
「じゃあ、まずは門あたりに行ってみましょう。」
[画面]を開いて“MAP”を選択するダイナーだった……。
▽
これらと同じ頃。
[砦]を目指すシューラたちは、フィールドを北西へと進んでいる。
太陽が傾いてゆく草原にて、迫り来る魔物らに身構える[Team S]であった―。
セブンが[雷遁の術]を放つ。
現在は“直径10㎝×長さ無限”といったサイズを一本だけ発動できるみたいだ。
それがヒットした[黒髪ショートオールバックの女性武士]がダメージを負うのと同時に痺れて、両膝を地に着く。
すかさず武器で攻撃していくセブンを視界に捉え、
(あ、その手があったか。)
ふと気づいたのは、エイトである。
[金髪ゆるふわショートの女性アサシン]をギリギリまで引き付けると、
「雷の精霊!」
20㎝大で全身が黄色くツンツンヘアーの目つきが悪い“小人”を喚び寄せた。
この精霊が、すぐさま敵めがけて〝ビュンッ!!〟と飛んでゆく。
躱しきれず胸部に当たられたアサシンもまた感電して崩れ落ちる。
そこへ“炎”や“氷”などの精霊を次々と発動したエイトだった。
相手のHPを削っていくセブンにエイトではあったが、どちらもまだレベルが低い。
このため、女性の [武士]と[アサシン]は、数秒で麻痺状態から解かれたのである。
立ち上がるのと共に、武士が“木刀”を横へと払い、アサシンは[木製の短剣]で突きに掛かった。
二人とも距離を詰め過ぎていたので、咄嗟には回避できず、腹部に直撃してしまい「ぐッ!」や「きゃッ!!」と痛がる。
これによって、
「セブン?!」
ニケと、
「エイト!?」
クマッシーが、焦って後ろを振り向く。
そこへ、[白人の男性騎士]と[黒人の男性戦士]が“得物”を振り下ろす。
左肩に[木槍]を叩き付けられたニケは「ぎッ??!」と歯を食いしばった。
クマッシーは、[大楯]の正面に[木斧]がヒットしたので無傷だったものの、やや力が抜けていたので、若干フラつく。
バックステップで下がったセブンが、
「こっちは大丈夫だから、前に集中して!!」
ニケを促す。
「私も平気だよ!」
クマッシーに伝えたのは、当然エイトである。
〝ほッ〟と安堵した少年らは改めて“自分の敵”に専念していく。
こうしたタイミングで、“赤髪ソフトリーゼント”のパターンを読んだらしいヤトが、払われた[木製ヌンチャク]を下へと躱す。
その流れにて、がら空きとなっている右脇腹を[木刀]で突いた。
これを機にヤトが猛攻を仕掛ける。
カリンは、[黒人女性の弓術士]と互いに矢を射っては避けていた。
眉間に軽くシワを寄せ、
「らちが明かないわね。」
ふと呟いたカリンが、
「現状を打破するには、試しに…。」
標的を変えて[黒人の男性戦士]に矢を放ったのである。
それが左肩に刺さった敵は一瞬だけ停止した。
ここへ、防戦一方となっていたクマッシーが、
「うおりゃあぁ――ッ!!」
[大楯]を振りかぶったのである……。
コロッセウムの外にて。
[Team Z]の眼前には“赤髪ソフトリーゼント&ツーブロック”の青年らが佇んでいた。
数はゾース達に合わせて八人となっている。
「いいな? テメェら!」
「このガキどもを絶対にブッ倒すぞ!!」
味方に告げたゾースが[対決]を承諾したことによって、関係者の全員が【テレポート】したのであった…。
▽
道具屋の裏庭で。
「何か困ったことがあれば、いつでも訪ねてくれよ。」
「私にできそうな事であったら、お礼に協力させてもらうからさ。」
[Team D]に語ったオジサンが、奥さんと弟子に付き添われて、右足を引きずりつつ屋内へと入っていく。
「これで終わりか??」
“金色短髪で筋肉マッチョ”のダーランが首を傾げたところ、
「そうみたいだな。」
“黒髪サラサラショート”の【騎士】であるドゥーローが頷いた。
「これからどうするの?」
そのように窺ったのは、ディンラーだ。
彼女は“金髪ロング”の【剣士】である。
「確か、“南の大通り”でも猫が目撃されとるんじゃなかったか??」
仙人みたいなドギッシュが記憶を辿ったところで、
「じゃあ、まずは門あたりに行ってみましょう。」
[画面]を開いて“MAP”を選択するダイナーだった……。
▽
これらと同じ頃。
[砦]を目指すシューラたちは、フィールドを北西へと進んでいる。
太陽が傾いてゆく草原にて、迫り来る魔物らに身構える[Team S]であった―。
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