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Chapter 1/最初の国
№35 あとには引けず・後編
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[イッチューズ]が闘技場の南側に【テレポート】したところ、先程の不良たちが待ち構えていた。
ちなみに、メンバーが増えており、男女3人ずつになっている。
要は、ヤト達と同じ比率だ。
頭上に[金色のダイヤマーク]が浮かんでいる“赤髪ソフトリーゼント&ツーブロック”の青年に、
「来てやったぞ!」
ヤトが半ば喧嘩腰で声をかけた。
「よく逃げなかったな。」
「その根性だけは褒めてやる。」
「まぁ、すぐにボッコボコにしてやんけどなッ!!」
偉そうにした“赤髪ソフトリーゼント”が、バトルを申し込んできた事によって、ヤトの眼前に[横長の画面]が現れたのである。
そこには…、
対決を承諾しますか?
・YES
・NO
と表記されていた。
「当然、“イエス”だ!」
ヤトが右の人差し指で触れたら、敵と味方の全員が【瞬間移動】したのである……。
[イッチューズ]の視界が変わった。
ここは、コロッセウムの試合会場だ。
両陣営の間に“直径50㎝で極薄のサークル”が現れる。
その“円”のなかで、〝5〟〝4〟と、カウントダウンが進んでいく。
「どうする?? ヤト。」
「作戦は?」
ニケに問われ、
「魔物と戦う時と同じ感じでいいと思う。」
リーダーが返したタイミングで、〝GO!!〟と告げた表示が消える。
こうして、闘争が開始されたのであった…。
▽
帝都の“中央広場”にて。
「おもしれぇえッ!」
「やってやろうじゃねぇか!!」
嬉々としたのは、ゾースである。
少し離れた位置で、
「こういう展開になるとはね。」
迷惑そうに眉をひそめたのは[女性武闘家]のジリ―だ。
[Team Z]もまた、イヤリングなどを賭けて“赤髪ソフトリーゼント&ツーブロック”の青年らと勝負する運びになったらしい……。
▽
都の南東地区に在る“図書館”の西側で、
「付近にネコ達が集まってくるのは、夜になってからよ。」
「残念だけど。」
「他には…、南の大通りでも、割と猫が目撃されているみたいね。」
“若い女性のNPC”が教えてくれた。
その側にて、
「おぉ~っと!」
ズデンッ!!
“チョビ髭の太った中年男性”が、うつ伏せで倒れる。
驚いて振り向いたのは、[Team D]だった。
「このオジサン、頭にダイヤマークがあるな。」
“黒髪サラサラショート”のドゥーローが呟いたら、
「話しかけて、いい??」
“黒髪ショートボブ”のドナが確認したのである。
「勿論よ。」
ダイナーが穏やかに許可したところ、
「おじちゃん、だいじょうぶ?」
いささか心配そうに尋ねる[少女黒魔術士]であった。
これによってオジサンが喋りだす……。
――、聞き終えるなり、
「取り敢えず、送ってあげたらどうかしら??」
「道具屋まで。」
そのように提案したのは、背丈が165㎝くらいで華奢な[女性剣士]である。
金色の髪はロングで、瞳が青く、肌は白い。
20代後半らしき彼女の意見を、
「そうだねぇ。」
「人助けすれば、良いことが巡ってくるかもしれないし…。」
「私は、ディンラーに賛成だよ。」
[白魔術師]であろう女性が援護した。
こちらは、身長が160㎝あたりである。
“ホワイトゴールドのセミロングヘア”を一本に束ねており、瞳や肌は“ディンラー”と同色のようだ。
年齢は60歳前後であろう。
〝ふむ〟と頷いた仙人みたいなドギッシュが、
「ダニューラの言う事には一理あるな……。」
「どうじゃろうか?」
[女性アサシン]に視線を送った。
「私は別に構わないけど…。」
「ドナは??」
ダイナーに訊かれて、
「うぅ~んとねぇ。」
「助けてあげたい!」
朗らかに答えた[黒魔術士の少女]である……。
▽
闘技場では、[イッチューズ]が一進一退の攻防を繰り広げていた。
“赤髪ソフトリーゼント”が縦横無尽に払う[木製ヌンチャク]を、ヤトが躱したり[木刀]で弾く。
どうやら、[少年武士]は、反撃のチャンスを窺っているみたいだ。
その左隣にて、白人の男性騎士が突き出した[木槍]を、[棍棒]で下へと叩き付けたのはニケである。
こうした2人の真後ろで、黒人の男性戦士が振るう[木製の斧]を回避しまくっていたセブンが、“最小直径1㎝×最大直径10㎝×長さ20㎝”といった【火遁】を放つ。
更に、セブンの後方では、黒髪ショートをオールバックにしている女性武士の[木刀]による猛攻を、クマッシーが[木の大楯]で防いでいた。
最後尾にて、右側のカリンは、相手チームの黒人女性弓術士と、矢を討ち合っている。
左側では、懐に飛び込んで来ようとする白人女性アサシンを、さまざまな【精霊】で牽制するエイトだった―。
ちなみに、メンバーが増えており、男女3人ずつになっている。
要は、ヤト達と同じ比率だ。
頭上に[金色のダイヤマーク]が浮かんでいる“赤髪ソフトリーゼント&ツーブロック”の青年に、
「来てやったぞ!」
ヤトが半ば喧嘩腰で声をかけた。
「よく逃げなかったな。」
「その根性だけは褒めてやる。」
「まぁ、すぐにボッコボコにしてやんけどなッ!!」
偉そうにした“赤髪ソフトリーゼント”が、バトルを申し込んできた事によって、ヤトの眼前に[横長の画面]が現れたのである。
そこには…、
対決を承諾しますか?
・YES
・NO
と表記されていた。
「当然、“イエス”だ!」
ヤトが右の人差し指で触れたら、敵と味方の全員が【瞬間移動】したのである……。
[イッチューズ]の視界が変わった。
ここは、コロッセウムの試合会場だ。
両陣営の間に“直径50㎝で極薄のサークル”が現れる。
その“円”のなかで、〝5〟〝4〟と、カウントダウンが進んでいく。
「どうする?? ヤト。」
「作戦は?」
ニケに問われ、
「魔物と戦う時と同じ感じでいいと思う。」
リーダーが返したタイミングで、〝GO!!〟と告げた表示が消える。
こうして、闘争が開始されたのであった…。
▽
帝都の“中央広場”にて。
「おもしれぇえッ!」
「やってやろうじゃねぇか!!」
嬉々としたのは、ゾースである。
少し離れた位置で、
「こういう展開になるとはね。」
迷惑そうに眉をひそめたのは[女性武闘家]のジリ―だ。
[Team Z]もまた、イヤリングなどを賭けて“赤髪ソフトリーゼント&ツーブロック”の青年らと勝負する運びになったらしい……。
▽
都の南東地区に在る“図書館”の西側で、
「付近にネコ達が集まってくるのは、夜になってからよ。」
「残念だけど。」
「他には…、南の大通りでも、割と猫が目撃されているみたいね。」
“若い女性のNPC”が教えてくれた。
その側にて、
「おぉ~っと!」
ズデンッ!!
“チョビ髭の太った中年男性”が、うつ伏せで倒れる。
驚いて振り向いたのは、[Team D]だった。
「このオジサン、頭にダイヤマークがあるな。」
“黒髪サラサラショート”のドゥーローが呟いたら、
「話しかけて、いい??」
“黒髪ショートボブ”のドナが確認したのである。
「勿論よ。」
ダイナーが穏やかに許可したところ、
「おじちゃん、だいじょうぶ?」
いささか心配そうに尋ねる[少女黒魔術士]であった。
これによってオジサンが喋りだす……。
――、聞き終えるなり、
「取り敢えず、送ってあげたらどうかしら??」
「道具屋まで。」
そのように提案したのは、背丈が165㎝くらいで華奢な[女性剣士]である。
金色の髪はロングで、瞳が青く、肌は白い。
20代後半らしき彼女の意見を、
「そうだねぇ。」
「人助けすれば、良いことが巡ってくるかもしれないし…。」
「私は、ディンラーに賛成だよ。」
[白魔術師]であろう女性が援護した。
こちらは、身長が160㎝あたりである。
“ホワイトゴールドのセミロングヘア”を一本に束ねており、瞳や肌は“ディンラー”と同色のようだ。
年齢は60歳前後であろう。
〝ふむ〟と頷いた仙人みたいなドギッシュが、
「ダニューラの言う事には一理あるな……。」
「どうじゃろうか?」
[女性アサシン]に視線を送った。
「私は別に構わないけど…。」
「ドナは??」
ダイナーに訊かれて、
「うぅ~んとねぇ。」
「助けてあげたい!」
朗らかに答えた[黒魔術士の少女]である……。
▽
闘技場では、[イッチューズ]が一進一退の攻防を繰り広げていた。
“赤髪ソフトリーゼント”が縦横無尽に払う[木製ヌンチャク]を、ヤトが躱したり[木刀]で弾く。
どうやら、[少年武士]は、反撃のチャンスを窺っているみたいだ。
その左隣にて、白人の男性騎士が突き出した[木槍]を、[棍棒]で下へと叩き付けたのはニケである。
こうした2人の真後ろで、黒人の男性戦士が振るう[木製の斧]を回避しまくっていたセブンが、“最小直径1㎝×最大直径10㎝×長さ20㎝”といった【火遁】を放つ。
更に、セブンの後方では、黒髪ショートをオールバックにしている女性武士の[木刀]による猛攻を、クマッシーが[木の大楯]で防いでいた。
最後尾にて、右側のカリンは、相手チームの黒人女性弓術士と、矢を討ち合っている。
左側では、懐に飛び込んで来ようとする白人女性アサシンを、さまざまな【精霊】で牽制するエイトだった―。
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