34 / 99
Chapter 1/最初の国
№34 あとには引けず・前編
しおりを挟む
“黒髪のボブショート・緑の瞳・褐色の肌”で10代半ばといったダイナーが、
「もともと、女神様は、〝ドゥーローが最もリーダーに相応しい〟て告げていたのよ。」
このように教えた。
「そうなのか??」
いささか目を丸くしたのは、“金色短髪で筋肉マッチョ”のダーランである。
ダイナーが頷いたところ、
「しかし、儂らが初めて会うたとき、お前さんは〝自分がリーダーに選ばれた〟と言っておったが?」
仙人みたいな風貌のドギッシュが、眉をひそめた。
「……。」
少しだけ黙ったダイナーは、
「女神様と話せるのは“愛子”だけだから、私が適任だと思ったの。」
「それであれば、より的確な指示を出せて、この“Team D”の仲間を一人も死なせずに済むんじゃないか、て、考えたのよ。」
「誰も…、特に、あの幼い二人が亡くらないようにしたくって、つい厳しくなってしまったのは、反省しているわ。」
「それと……。」
「今のうちに、リーダーの座をドゥーローに返しておくわね。」
後ろを向いたのである。
その提案を、背丈170㎝あたりで、20代前半くらいであろう、黒髪サラサラショートの[男性騎士]が、
「いや、遠慮しとく。」
あっさりと断った。
「え??!」
「なんでよ!?」
驚いた[女性アサシン]に、
「このままダイナーが務めても問題ないだろ。」
「別に仕切りが酷すぎるわけではないし…、本音も分かったことだしな。」
ドゥーローが述べる。
「でも」とダイナーが反論しようとしたら、
「オレは、ドゥーローに賛成だ。」
[戦士]のダーランと、
「儂もじゃ。」
[武闘家]であるドギッシュが、“待った”を掛けた。
「どうして??」
首を傾げたダイナーに、
「ここにきてリーダーを変えてしまった場合、足並みが揃わなくなるかもしれん。」
「そうなったら、全滅しかねんじゃろう。」
「これからは、よりもっと協力していけば良いんじゃないか?」
「お前さんを軸として。」
ドギッシュが伝える。
「…………。」
「じゃあ、そうするけど…。」
「もし、私が命を落としたら、必ずドゥーローが跡を継ぎなさいよね。」
こうダイナーが促したところで、
「あ!!」
「ダイヤマークだ!」
前方より、“サラサラ金髪ショート”といった[少年召喚士]ことデュ―サの声が聞こえてきた。
その流れにて、
「ダイナー。」
「おしゃべりしても、いい~?」
“黒髪ショートボブ”の[少女黒魔術士]であるドナが、尋ねてくる。
「ええ、構わないわよ。」
ダイナーが優しく微笑むなり、
「やったぁー!!」
喜びを表すドナであった。
▽
“西の町”の中心地に【テレポート】していた[Team S]は、既に“北門”へと移動している。
「じゃ、要塞を目指すぞ。」
リーダーたるシリウスの発言によって、野外へと進むシューラ達だった……。
▽
[イッチューズ]は、帝都の“中央広場”に到着している。
この南東に、二人の男性と、一人の女性が、佇んでいた。
三人とも17歳ぐらいだろう。
男性の一人は、頭上に“金色のダイヤ”が浮かんでいる。
見つけたのは、やはり、クマッシーであった。
身長は168㎝あたりで、赤髪がソフトリーゼント&ツーブロックといった青年に、
「イリングについて知りたいんだけど…。」
ヤトが代表して質問する。
「ん??」
「……、あぁー、こないだ拾ったアレか。」
「なんだ?」
「お前たちの物か??」
「ま、どうだっていいけどよ…。」
「欲しけりゃ、金貨100枚を支払え。」
男が語り終えたタイミングで、ヤトの眼前に[横長の画面]が現れた。
そこには……、
・要求に応じる
・絶対に応じない
といった“二択”が記されていたのである。
メンバーに相談する事なく、
「んなもん、払う訳ねぇだろッ!」
ヤトが“NO”を選んだ。
どうやら、本人は、相手の態度に若干イラついたらしい。
これに、
「だったらよ、闘技場で俺らと勝負しろや!!」
「そっちが勝ったら、タダで譲ってやんよ。」
「しかし!」
「テメェらが負けたときは、所持しているカネとアイテムに装備品を、全て渡してもらうかんなッ!!」
“赤髪のヤンキー”が逆ギレしてきた。
「えー?」
「こういう展開なのぉ??」
エイトが嫌そうにしたところ、
「でも、まぁ、クエストを達成するためには、仕方ないんじゃない?」
そのようにセブンが述べたのである。
「うぅ~ん…。」
「そうだよね。」
消極的にもエイトが納得したら、
「皆、〝受けて立つ〟ってことで、大丈夫だよな?」
冷静になったヤトが、ふと窺う。
五人が首を縦に振ったところで、“試合”を承諾するヤトだった。
「じゃあ、お前らと同じ人数を揃えて、闘技場の側で待ってっから、逃げんじゃねぇぞ!」
こう脅迫した“赤髪ソフトリーゼント”は、味方の二人と共に、その場から〝シュンッ!!〟と消えたのである。
すると、
「おっし!」
「俺達も行こうぜ!!」
元気よく告げたヤトが、[地図]を操作していくのであった―。
「もともと、女神様は、〝ドゥーローが最もリーダーに相応しい〟て告げていたのよ。」
このように教えた。
「そうなのか??」
いささか目を丸くしたのは、“金色短髪で筋肉マッチョ”のダーランである。
ダイナーが頷いたところ、
「しかし、儂らが初めて会うたとき、お前さんは〝自分がリーダーに選ばれた〟と言っておったが?」
仙人みたいな風貌のドギッシュが、眉をひそめた。
「……。」
少しだけ黙ったダイナーは、
「女神様と話せるのは“愛子”だけだから、私が適任だと思ったの。」
「それであれば、より的確な指示を出せて、この“Team D”の仲間を一人も死なせずに済むんじゃないか、て、考えたのよ。」
「誰も…、特に、あの幼い二人が亡くらないようにしたくって、つい厳しくなってしまったのは、反省しているわ。」
「それと……。」
「今のうちに、リーダーの座をドゥーローに返しておくわね。」
後ろを向いたのである。
その提案を、背丈170㎝あたりで、20代前半くらいであろう、黒髪サラサラショートの[男性騎士]が、
「いや、遠慮しとく。」
あっさりと断った。
「え??!」
「なんでよ!?」
驚いた[女性アサシン]に、
「このままダイナーが務めても問題ないだろ。」
「別に仕切りが酷すぎるわけではないし…、本音も分かったことだしな。」
ドゥーローが述べる。
「でも」とダイナーが反論しようとしたら、
「オレは、ドゥーローに賛成だ。」
[戦士]のダーランと、
「儂もじゃ。」
[武闘家]であるドギッシュが、“待った”を掛けた。
「どうして??」
首を傾げたダイナーに、
「ここにきてリーダーを変えてしまった場合、足並みが揃わなくなるかもしれん。」
「そうなったら、全滅しかねんじゃろう。」
「これからは、よりもっと協力していけば良いんじゃないか?」
「お前さんを軸として。」
ドギッシュが伝える。
「…………。」
「じゃあ、そうするけど…。」
「もし、私が命を落としたら、必ずドゥーローが跡を継ぎなさいよね。」
こうダイナーが促したところで、
「あ!!」
「ダイヤマークだ!」
前方より、“サラサラ金髪ショート”といった[少年召喚士]ことデュ―サの声が聞こえてきた。
その流れにて、
「ダイナー。」
「おしゃべりしても、いい~?」
“黒髪ショートボブ”の[少女黒魔術士]であるドナが、尋ねてくる。
「ええ、構わないわよ。」
ダイナーが優しく微笑むなり、
「やったぁー!!」
喜びを表すドナであった。
▽
“西の町”の中心地に【テレポート】していた[Team S]は、既に“北門”へと移動している。
「じゃ、要塞を目指すぞ。」
リーダーたるシリウスの発言によって、野外へと進むシューラ達だった……。
▽
[イッチューズ]は、帝都の“中央広場”に到着している。
この南東に、二人の男性と、一人の女性が、佇んでいた。
三人とも17歳ぐらいだろう。
男性の一人は、頭上に“金色のダイヤ”が浮かんでいる。
見つけたのは、やはり、クマッシーであった。
身長は168㎝あたりで、赤髪がソフトリーゼント&ツーブロックといった青年に、
「イリングについて知りたいんだけど…。」
ヤトが代表して質問する。
「ん??」
「……、あぁー、こないだ拾ったアレか。」
「なんだ?」
「お前たちの物か??」
「ま、どうだっていいけどよ…。」
「欲しけりゃ、金貨100枚を支払え。」
男が語り終えたタイミングで、ヤトの眼前に[横長の画面]が現れた。
そこには……、
・要求に応じる
・絶対に応じない
といった“二択”が記されていたのである。
メンバーに相談する事なく、
「んなもん、払う訳ねぇだろッ!」
ヤトが“NO”を選んだ。
どうやら、本人は、相手の態度に若干イラついたらしい。
これに、
「だったらよ、闘技場で俺らと勝負しろや!!」
「そっちが勝ったら、タダで譲ってやんよ。」
「しかし!」
「テメェらが負けたときは、所持しているカネとアイテムに装備品を、全て渡してもらうかんなッ!!」
“赤髪のヤンキー”が逆ギレしてきた。
「えー?」
「こういう展開なのぉ??」
エイトが嫌そうにしたところ、
「でも、まぁ、クエストを達成するためには、仕方ないんじゃない?」
そのようにセブンが述べたのである。
「うぅ~ん…。」
「そうだよね。」
消極的にもエイトが納得したら、
「皆、〝受けて立つ〟ってことで、大丈夫だよな?」
冷静になったヤトが、ふと窺う。
五人が首を縦に振ったところで、“試合”を承諾するヤトだった。
「じゃあ、お前らと同じ人数を揃えて、闘技場の側で待ってっから、逃げんじゃねぇぞ!」
こう脅迫した“赤髪ソフトリーゼント”は、味方の二人と共に、その場から〝シュンッ!!〟と消えたのである。
すると、
「おっし!」
「俺達も行こうぜ!!」
元気よく告げたヤトが、[地図]を操作していくのであった―。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
小雪が行く!
ユウヤ
ファンタジー
1人娘が巣立った後、夫婦で余生を経営している剣道場で弟子を育てながらゆったりと過ごそうと話をしていた矢先に、癌で55歳という若さで夫を亡くした妻の狩屋小雪。早くに夫を亡くし、残りの人生を1人で懸命に生き、20年経ったある日、道場をたたむと娘夫婦に告げる。その1年後、孫の隆から宅配で少し大きめの物が入ったダンボールを受け取った。
ダンボールを開けると、ヘッドギアと呼ばれているらしい、ここ5年でニュースに度々挙げられている物と、取り扱い説明書と思われる、車のサービスマニュアルほどの厚みをもつ本と、孫の隆本人による直筆と思われる字体で『おばあちゃんへ』と銘打った封筒が入っていた。
ヘッドギアと説明書を横目に、封筒を開封すると、A4用紙にボールペンで、近況報告から小雪の息災を願う文章が書かれていた。とりあえずログインをしてと書かれていたのでログインすると、VRMMO、オールフィクションの紹介に入る。なんでも、今流行りのこのモノは、現実世界のようにヴァーチャルの世界を練り歩く事ができ、なおかつ、そのゲームには料理が様々とあり、色々な味を楽しむ事が出来るとの事だ。
美味しいものを食べることを今の生き甲斐としている小雪に、せめてもの援助をと、初給料をはたいて隆が小雪への娯楽道具をプレゼントしたという事を知り、小雪は感激のあまり少し涙する。
それが、伝説の老女誕生の瞬間だったーー。
学校がダンジョンに転移してしまいました
竹桜
ファンタジー
異世界に召喚され、帰還した主人公はまた非日常に巻き込まれたのだ。
通っていた高校がダンジョンの中に転移し、街を作れるなスキルを得た。
そのスキルを使用し、唯一の後輩を守る。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
【書籍化進行中、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1巻重版)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
愛想を尽かした女と尽かされた男
火野村志紀
恋愛
※全16話となります。
「そうですか。今まであなたに尽くしていた私は側妃扱いで、急に湧いて出てきた彼女が正妃だと? どうぞ、お好きになさって。その代わり私も好きにしますので」
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる