Arousal of NPC‘s

猫乃麗雅

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Chapter 1/最初の国

№26 神殿での攻防戦・結

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[魔人の少女]が消滅した事によって、誰もが安堵する。
「また、いろいろ回復しとこ。」
シューラに促され、[Team S]の各自が、HPやMPにSPの“ポーション”を、摂取していく。
「そういや、“契約の書”を新たにドロップしたぞ。」
このように述べたシリウスが、[アイテムボックス]を操作して、出現させた用紙を、サキに渡した。
内容をチェックして、
「……、ふむ。」
「今回は、ゴブリンみたいだね。」
そう呟いたサキが、
「何か良い名前はないかい?」
「ちなみに、性別は“メス”と記載されているよ。」
メンバーを窺ったのである。
全員が〝んん~〟と頭を捻るなか、
「メスのゴブリンだから…、メゴブ??」
「いや、メリン?」
独り言を〝ブツブツ〟と口にしたシューラが、
「あ。」
「“リン”で、どう?」
と、提案した。
「あらぁ~、素敵ねぇ。」
セイランが褒めたこともあってか、反対する者はいないようだ。
「それじゃあ、決まりだね。」
承諾したサキが、登録をすませたタイミングにて、
「で??」
「こっから、どうすんだ?」
サイザーが誰ともなく訊ねる。
「そうだなぁ……。」
自身の腕を組んで考えるリーダーに、
「シリウス、あれ。」
「団長に“ダイヤのマーク”が現れている。」
このように伝えるサーガであった。
「お、本当だ。」
「じゃ、ちょっと、聞いてみるわ。」
そう返したシリウスが、パーティーを代表して、
「なぁ、次の方針は、どうなっている??」
団長に質問したところ、
「おぉー、どうやら、見事に敵を倒しきったようじゃのう。」       
「なかなかやるではないか。」
「では…、準備が整い次第、地下に参ると致そうか。」
「儂らが帝都の図書館で調べた古文書によれば、宝物庫があるらしいからな。」
「おそらく、そこに、探し求めておる品が納められておるじゃろうて。」
「あの両脇に備えられておる二つの扉の、どちらを選んでも構わんぞ。」
「道は、あちら側で繋がっとるみたいだったからの。」
こう説明してきたのである。
「それじゃ、左の方が近いから、そうするか??」
シリウスに確認され、
「ん。」
シューラが頷く。
かくして、そちらへと足を運ぶ一同だった……。
 
錆びた“鉄扉てっぴ”の向こうは、一本の廊下になっている。
ここを進んだら、突き当りが L字となっていたので、シューラ達は、それを右に曲がったのであった。
少し歩いたところ、左には階段が、右には“部屋”が設けられていたのである。
正面は廊下になっているので、団長の言葉どおり、反対側の扉からも来られるみたいだ。
さて。
開けっ放しのドアから、室内をシエルが覗く。
ちょっとした大きさの部屋には、幾つかのテーブルとイスが置かれていた。
かつての神官たちの休憩室だったのかもしれない。
内部を見回したシエルが、
「魔物は居ないみたいよ。」
後続に告げたところ、
「じゃあ、襲われる心配はなさそうだから、下ろうか。」
サーガが意見したのである。
これによって、階段へと向かう[Team S]だった。
 
“折り返し”となっている階段を使用して、地下に到着しかけるも、先頭のソリュウ&サイザーが〝ピタッ〟と止まる。
「どうしたの?」
サザミンが尋ねたところ、
「ゴブリンどもじゃ。」
ソリュウが答えた。
その眼前は、広間となっている。
ここに、10体ほどのゴブリンが、4グループとなって、存在していた。
「多分、さっきと同じように、第一陣、第二陣、みたいな感じで、バトルになるんだろうな。」
「…、サキのリキャストタイムが終わるのを待つか??」
軽く首を傾げたサイザーに、
「まぁ、このままでも、なんとかなるかもよ?」
「レベルが5になったとき、〝新しいスキルを収得した〟って、“お知らせ”があったから。」
スイが教える。
更に、
「私も覚えたみたい。」
サザミンと、
「私もね。」
シエルが、述べたのであった。
「あと、私も。」
「ただし、攻撃系じゃなく、〝ステータスの異常状態を治す〟といった魔法だけどねぇ。」
これは、セイランである。
「まぁ、リンは召喚できるんだし、いいんじゃないかい??」
サキと目が合って、
「……、気を付けながら戦おう。」
シューラが表明した。
「そんじゃ…、行くぞ!」
リーダーたるシリウスの掛け声で、一斉に飛び出したのだった。
 
スイが発砲した弾丸が、一匹のモンスターに直撃する。
それによって、このゴブリンの速度が二割だけ遅くなった。
現時点での効果は20秒との事だ。
 
サザミンのった矢が、別の魔物に刺さる。
結果、敵は【混乱】に陥った。
これに関してのタイムは、無制限らしい。
 
シエルに切られた敵は、【毒】が発症している。
その効果は5秒間のようだ。
 
ここら辺は、“スキルポイントSP”さえ満たしていれば、幾度でも用いられる。
 
サキによってばれたゴブリンは、背丈が125㎝くらいであった。
ゆるふわショートの髪は“桃紫色とうししょく”みたいだ。
防具は[麻布の服]で、武器はシューラと同じタイプの[木剣]である。
 
サイザーの読み通り、モンスター集団は、一組ひとくみごとに攻撃してきた。
第一陣を殲滅したあたりで、サキが“カラドリウス”と“ダークドック.Jr”を召喚する。
なお、リンは既に姿を消しているようだ。
いずれにせよ。
[Team S]は、傷を負っては【治癒】しながら、魔物の群れを倒しきったのだった…。
 
地下室の奥は、廊下になっていた。
そこを直進したところ、半円形のフロアに出たのである。
10Mほど先の壁には、アーチ状の扉が設けられていた。
全体的にはオレンジ色だが、装飾はホワイトみたいだ。
ここに、身長170㎝ぐらいの何者かが佇んでいる。
白いローブを着ており、それに付属しているフードを被っていた。
手袋もまた、ホワイトのようだ。
「鍵が無ければひらかん、か。」
「ま、よかろう。」
こう呟いた人物は、男性らしい。
「はて??」
「司祭かのう?」
調査団の“団長”が自動的に喋ったら、いささか驚いて振り向いた男が、
「あ、ああ。」
「そうだが……。」
「お主らは??」
警戒した様子で窺ってきたのである。
「儂らは、フラルン帝国の指令にて、魔物を弱らせるという聖具が遺跡に納められているのか、真偽のほどを確かめに来た一団じゃ。」
そのように団長が伝えたところ、司祭らしき男が〝ふむ〟と頷き、
「有るとすれば、この扉の向こうだろうが…、鍵が無いので、中には入れん。」
「故に、調べるのは不可能だ。」
こう知らせたのであった―。
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