Arousal of NPC‘s

猫乃麗雅

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Chapter 1/最初の国

№25 神殿での攻防戦・転

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【水の杭】で負傷した[少年黒魔術士]に、
「ソソ!」
[女性召喚士]のサキが慌てる。
サキの右隣から、
「ソロヒール!!」
【回復魔法】を施してソソを治癒したのは、[女性白魔術士]たるセイランだった。
「大丈夫かい?」
サキに声をかけられ、後ろを向いたソソが、
「うん。」
平然と頷いたところで、[魔人の少女]が再び右のてのひらにて直径15㎝の“マジックサークル魔法陣”を構築していく。
目線からして、またもソソを狙うつもりらしい。
「エクスプロ」と唱えようとした魔人の右腕に、〝ズシュッ!〟と刺さった矢が、〝スゥー〟と消える。
それ・・は、[女性弓術士アーチャー]のサザミンがったものであった。
このお陰で、魔法陣が一旦リセットされたみたいだ。
「ソソ、今のうちに。」
サキに促されて、
「分かった。」
そう返した少年黒魔術士が、“小さめの白い包紙つつみがみ”を出現させたのである。
未だ両膝を屈して痺れが解けずにいる[少女剣士]たるシューラの頭上で、ソソが開いた紙を逆さにし、細かく刻まれている“金緑きんりょく色の葉”を振り掛けた。
この“特効薬”によって、ステータスが正常化したシューラが立ち上がり、
「ソソ、ありがと。」
感謝を述べる。
少年黒魔術士は、嬉しそうに〝ニッコリ〟と微笑んだ。
一方、改めてマジックサークルを展開する魔人の右腹部に、[女性ガンナー]であるスイが“短銃”で撃った弾丸が命中した。
そこに、サザミンが二発目の矢を放つも、左へと躱されてしまったのである。
こういった状況で、[男性陰陽師]のソウヤが、続けざまに術を扱い、5体のゴブリンを床で拘束した。
そこを、シューラたち“前線組”が攻撃するも、倒しきれずにいる。
この間に、別の3匹が、[Teamチーム Sエス]の二列目へと駆けて来た。
ターゲットは、スイ・サザミン・ソソのようだ。
ソウヤが[MP回復ポーション]を用いるなか、五体のモンスターが自由になる。
同時に、ムチを左手で握った[魔人]が、宙に浮いたままで、シューラとの距離を詰めだす。
 [金髪の少女]は、正面のオスゴブリンと対峙しており、気づいていない。
敵が突き出した[木槍]を、シューラが左に逃れたところへ、魔人が武器を払う。
〝ハッ〟とした時には既に遅かった彼女の頭に、鞭がヒットした。
[薄革の兜]で護られているとはいえ、幾らかHPが減少したみたいだ。
そこへゴブリンが槍を右肩に叩き付けた事によって、更にダメージを負う。
また、シューラ以外にも、[男性武士]のソリュウ/[女性アサシン]たるシエル/[男性騎士]であるサーガ/[男性シールダー]のシリウス/[男性武闘家]たるサイザーといった“一列目”が、苦戦を強いられている。
なお、ソソ達へと迫っていた魔物らには、ソウヤが術を使って動きを封じた。
このタイミングで、
「ダクドニア!!」
「ラウス!」
サキが[サーヴァン]をぶ。
どうやら、5分が経ったらしい。
[白い小鳥]によって、全員の“攻撃力・守備力・素早さ”が倍増した。
そうした流れで、誰もが反撃に移る。
だが、一人で魔人とゴブリンを相手にしているシューラは、いささか不利になっていた。
しかし、彼女の側まで走り抜けた[黒い子犬]が、魔人へと【ファイヤーボール】を飛ばして、援護したのである。
敵の右すねに当たった【火の玉】が〝ボウッ〟と燃えた。
〝仕返し〟とばかりに、魔人が[ダークドック.jr]へ武器を振り下ろす。
これ・・を、ダクドニアがバックステップで回避する。
魔人が新たにマジックサークルを築いていくも、スイが“弾丸”を右太腿ふとももに適中させて阻む。
彼女たち“二列目”はゴブリンらを倒しきったようで、サザミンが[矢]を、ソソが【爆発の玉】を、発射して、魔人の胸元&腹部にヒットさせた。
[魔人の少女]が体制を変えないままで退がっていくなか、シューラが眼前のオスゴブリンに[木剣]を払う。
あごにくらったモンスターは、それが[クリティカルダメージ]となったらしく、消滅したのである。
すぐさまダッシュした[少女剣士]が、魔人に対して武器を下から上に振るうも、左に躱されてしまった。
一旦ストップしたシューラのもとに、ゴブリンどもをほふったシリウスなどの“一列目”が[黒い子犬]と共に駆けてきた。
連係していこうとする彼女たちに、敵が[鞭]や【アイスボール】に【ウインド】でダメージを与えていく。
ここへ、[Team S]の二列目と三列目が合流しようと走って来る。
“調査団”の4人は、動かずに〝じっ〟としているみたいだ。
シューラ達が一進一退となっていくなかで、
「ソソ、“雷”を使えぃ!!」
ソリュウが指示を出す。
「うんッ!」
元気よく応じた[少年黒魔術士]が、マジックサークルを展開して、
「サンダーボール!!」
直径15㎝といった【雷の玉】を放った。
それが、鞭を払おうとしていた魔人の左腕に直撃したのである。
感電によって浮遊できなくなり、床に尻餅を着いた敵が、軽めではあるものの痙攣しだす。
勝利を確実のものとすべく、
「ソウヤ。」
「念の為に、頼む。」
リーダーたるシリウスが視線を送った。
意図を察した[陰陽師]は、
「石よ。」
こう唱えて、敵を捕らえる。
そこからは冷静に仕留めていくシューラ達だった―。
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